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星野源ソロデビュー10周年ライブを観終わって(ネタばれなし)(文:こたにな々)

2020年7月12日、10年前のこの日、星野源が初のソロライブを行った日だ。

そして今日この日、10年前と同じ渋谷クラブクアトロで無観客の配信ライブを行った。本来ならここには、ずっと彼を追い続けてきた観客を入れたことだろう。しかし現在、都内ではコロナウイルスによる感染者が再び増加し、連日200人を超える。皮肉なことかもしれないが、大人気な彼を一目見ようと、いつもより手が伸ばしやすいチケットを購入したのは私だけではないだろう。

配信直前には、チケット販売サイトであるZAIKOはサーバー落ちし、Twitterはすでにトレンド2位にまでハッシュタグがランクインしている状態だった。配信先では、少しでも“ライブ”の雰囲気を味わってもらおうと星野側のアイデアにより、バンドメンバーが選曲した開場SEが流れ、今日までにチケットを購入した者には自宅に特別な“紙チケット”が郵送された。SNS上では「ドリンクチケットを交換してきました」とライブハウスさながらのプラスティックの紙コップにビールを注ぐもの、ツアーTで踊る準備をするもの、皆がそれぞれの場所、それぞれの楽しみ方を実践していた。

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(選曲やパフォーマンスについては、まだこの後3日間アーカイヴが配信されるため、ここには記せないが、どうしても胸が熱くなってしまっため、少しだけ気持ちを記録したいと思う)

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『画面越しでも別にいいじゃん!!!!』

東京が再び感染者が増加し、再びまた大きな不安に呑まれるんじゃないかと気落ちしそうになっていた今日このタイミングで、源さんやバンドメンバーによる純粋な音楽を観劇、楽しむことが出来て、本当にとても心強かった。

配信はとてもシンプルな形で行われたが、"最前列"用のカメラがちゃんと取り付けられており、頻繁に源さんがこちらを向き、私たちに語りかけてくれたり、ライブとして煽ってくれるのが、配信としての特権を果たしており、ちゃんと楽しく意味があった!(何度か他アーティストの配信ライブを購入してきたが、やはりライブを俯瞰で観るような形が多いと感じていたからだ)

最後の最後に、『画面越しでも別にイイじゃん!!!』と叫んだ源さんの言葉はまさに自粛期間中に大勢に聴かれた『うちで踊ろう』に繋がっていて、「扉閉じれば 明日が生まれるなら」「うちで踊ろう」「生きてまた会おう」と、源さんを筆頭に現在家で踊っているその行動がまさに、私たちの命や明日の生活を守る。そしてこの苦境の中、配信でもライブを敢行してくれた源さんと、微々たるものかもしれないがチケットやグッズを購入した私たちは、明日のエンタメを少しでも守ることに繋げられたと感じさせてくれるようなライブだった。

音楽は聴く人が居ないと、奏でる人が居ないと成り立たない。もちろんライブハウスや発信の場所が窮地に立たされているのは見過ごせない事実だが、今日のライブは“落ちそう”になる、生きる気力を無くしてしまいそうになる人々の“明日”を守るような、そんなライブだった。

この世界情勢の中で彼がソロデビュー10周年を迎えるにあたった事は、きっと意味があることだったと思いたい。少なくとも私は今日のライブを観て、また明日を頑張ろうと思ったし、生きることに必死な毎日の中でも、音楽やエンタメを生活の中からどんな形でも手放すのをやめようと思った。なんとかこの手に掴んでいたい“生きる気力”と、画面越しの全ての人たちに明日を繋げてくれた源さんに、あらためて「ありがとう」を伝えたい。そしてソロデビュー10周年を記念して、ライブ終了30分後のここに記したいと思う。必ずまた “笑顔で会いましょう”。

どんな時でもずっとエンタメを届け続けてくれる星野源という存在に心からおめでとうを。

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7月15日までアーカイヴを観ることができるので、ご興味持たれた方や見逃した方はぜひ!https://l-tike.zaiko.io/_item/327293

2020.07.12  19:30~ 
星野源『Gen Hoshino’s 10th Anniversary Concert “Gratitude”』

出演:星野源

<BAND MEMBERS>
長岡亮介
河村 "カースケ" 智康
ハマ・オカモト
石橋英子
櫻田泰啓
STUTS
武嶋聡


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