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「わたしは食べるのが下手」天川栄人作を読んで思ったこと……🌸🌸🌸

 津田沼のイトーヨーカドーが9月29日で閉店するから、閉店前に4階のbookmarusyeという書店に行くことにした。
 この書店は本の棚があまり高いところまでなくて背の低い私には本が探しやすくて、市原市に引っ越す前は毎日のように来ていた。
 いまも、毎週のように通院しているから、最後まで見届けようと来ている。 
 そんなときに児童書の棚で見つけたのがこの本だ。
 まるで呼ばれたかのように目に飛び込んできた。
 か、買わなくちゃ。即手に取ってレジに向かった。
 私は食べるのが下手なのだ。箸を使うのが下手なのだ。
 しかし、読んでみたら意味がちがった。
 もっと、もっと奥が深くて真剣に食について書いた本だった。
 この作者さんの本を読むのは初めてだったが、面白くて一気に読んだ。
 給食を通して、主人公たちの抱える食に対する困難さがリアルに描かれている。
 私は脳性麻痺という障害があって、手が震えるし、首も震えるから、よく食べ物をこぼす。だから大勢の知らない人と食事をするのは苦手だ。
 知っている人だけなら、自分が動かなくても食べ物を並べてくれたりするから、まあ、いいか、と思っていると食べ物が並びすぎて困ることもあるけど。
 昔は一人でファミレスに入るのが苦手だったが、ケアマネの仕事をしていた時に一人で移動しなければならなくなって、ひとりで入るようになって、ひとりで食べるようになったら、周りを気にせず時間も気にせず食べられるから気が楽になったことを思い出した。
 給食は小学5年生からだったけど、牛乳がまずくて、全く飲めなかったけど大人になって、というか最近アレルギー検査をしたらミルクアレルギーだといわれたから、嫌いなものはアレルギー検査をすることも考えた方がいいかもしれない、と思うようになった。
  
 いろんなことを考えながら読んだけれど、今の中学生は昔の子供より悩みが多いのだろうか。
 そんなことはないだろう。
 私が周りを見ようとしなかっただけだといまは感じている。
 健常児の中に一人だけの障害児だったから、周りについていくだけで精いっぱいだったのだと思う。
 

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