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『菊原志郎・仲山進也 サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質』

経営の仕事をしている人は、どんなことからもインスピレーションをもらって、自分の仕事に活かせないかという視点を持っているものです。

中でも、サッカーは攻守が瞬時に切り替わり、試合中はフィールドにいる選手たち自身で考えて動いて、共通するゴールを目指すのは、クリエイティブさの求められる現代のビジネスに通じる部分が多くあります。

そんなサッカーの天才と呼ばれて今は名コーチでもある菊原志郎さんと、楽天大学学長で多くのECサイト運営者を育ててきた仲山進也さんによって書かれたのが本書「サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質」です。

楽天ブックスはこちら!→ https://books.rakuten.co.jp/rb/16143534/

「やらされ感」から始まって、夢中に変わる

菊原さんは幼い頃に家の前にある100段ほどの階段を20往復ドリブルしてから学校に行くようにと父親から指導を受けます。最初の頃は、完全に「やらされ感」満載でしたが、次第に楽しくなってきたそうです。

どんなことも最初のうちは、楽しさよりもつまらないと思うことの方が多いでしょう。なんでも、そう簡単にはいきません。それでも、何度も反復練習をしたり、うまくなるための試行錯誤をしていくことで上達して、そのうちできるようになり、そうなると楽しくなります。

少しずつでもうまくなっていっている実感があれば、それが楽しくなって、さらに試行錯誤していくでしょう。それが夢中になっている状態です。夢中になれば、ずっと試行錯誤を続けていくわけですから上達します。

上達するためには、本人に工夫できる余地と裁量があることが重要ですね。

雑談と「ふりかえり」でチームが強くなる

菊原さんが読売クラブに所属していた頃、Jリーグ発足の前の頃ですが、試合が終わった後は、きまってチームの仲間たちで原宿のシェーキーズに行っていたそうです。

そこでは、最初のうちは雑談をしているのだけど、そのうち試合のふりかえりが始まります。どうすればもっとチームが強くなるのかといった議論が盛り上がるのです。そうした結果、チーム内の結束は高まり、価値観が統一化されていったといいます。それが読売クラブの強さの源泉でした。

それがJリーグにあがったことで、メディア対応など忙しくなって、シェーキーズの習慣がなくなってしまったそうです。そうしたら、どうなったのか。結果、それまでの強さがなくなっていったという話も興味深いです。

これは、先程の個人の試行錯誤をチーム単位で行ったということでしょう。

育成の本質はすぐに結果を求めすぎないことか

私の場合、プログラミングに取り組む人たちを束ねた会社を経営しています。その中では、若いプログラマの育成もテーマとして、常に考えています。

自分自身をふりかえってみると、夢中になってプログラミングに没頭していた時期が、プログラミングの腕がもっとも早く成長した時期だな、と思い出せます。

その頃はどうすればうまくいくのか、どうしたらもっと良い設計になるのか、何度も何度も試行錯誤を繰り返しつつ、どうしたらいいかを常に頭の中で考えていたように思います。

短期的なコストパフォーマンスばかりに目を向けると、人を育てることはできないのかもしれませんね。そのことを「ムダな成功」「有益な成功」「有益な失敗」「ムダな失敗」の4象限で本書は解説しています。詳しくは、ぜひ読んでみてください。

興味を持ったら、ぜひ上のリンクから買ってくださいね。


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