見出し画像

中小企業のためのInstagramマーケティング戦略:セミナー原稿

#マーケティング

先日Instagramマーケティングについてオンラインセミナーで話しました。その原稿を紹介します。

今、企業でInstagramマーケティングが注目されています。なぜ Instagram なのでしょうか。

お客さまのステージ

お客さまにどのような情報を提供し、対話をしていくのかを考える時にお客さまのステージを設定して、お客さまの状態に応じた対応を検討すると効果的です。ステージの設定はいろいろありますが、次の5つのステージを考えると良いでしょう。

①非認知のステージ

まだブランドや商品・サービスを認知していない状態です。

②認知のステージ

お客さまがブランドや商品・サービスを認知した状態です。

③関心・調査のステージ

お客さまがブランドや商品・サービスに興味・関心を持ち、ネットで探したり、人に評判を聞いたりする状態です。

④行動のステージ

商品・サービスを購入したり、体験したりする状態です。

⑤ファン(常連客)のステージ

商品・サービスが気に入り、ブランドのファンになってリピート購入したり、ネットや口コミで他の人に自ら薦める状態です。

企業にとっては、お客さまにブランドや商品・サービスを知ってもらい、興味・関心を持って選んでもらい、買ってもらうことがまず目標になりますが、さらにブランドや商品・サービスを好きになって、何度も買ってもらったり、友人知人などにみずから薦めてもらえるのが理想です。

ステージを遷移するマーケティング施策

この5つのステージを遷移していくようにマーケティングの施策を考えます。

①→②

ここでは、認知させるためのマーケティング施策が必要です。

認知のための施策は、一般的に、チラシ、口コミ、広告などが考えられます。

SNSでは拡散力のあるX(Twitter)、TikTokが最適だと言われています。

②→③

知ってくれたお客さまに興味・関心を持ってもらうための施策です。自社の商品・サービスの魅力を伝え、独自の強みを示すことが必要です。

興味・関心のための施策には、接客、商品ポップ、試食、広告などがありますね。

SNSでは説得力のあるブログやYouTubeが最適です。

③→④

お客さまに行動を起こしてもらう施策です。店舗やECサイトで購入してもらうために「これにしよう」と背中を押すような施策です。

接客もそうですが、キャンペーンもお客さまに行動を起こしてもらう施策ですね。

④→⑤

購入してくれたお客さまに、「また買おう」「これ良かったから、皆んなにも教えよう」と思ってもらう施策です。

商品・サービスが気に入り、ブランドが気に入り、リピート購入したり、人に薦めたりしてもらえるような施策を考えます。

例えば、メールマガジンを定期的に提供するとか、SNSで拡散してもらうためにフォトスポットをつくるとか。

SNSではファンとのダイレクトなコミュニケーションが効果的です。Facebookはダイレクトなコミュニケーションに使えます。

この5つのステージを遷移していくマーケティング施策のすべてに使えるSNSが実はInstagramなのです。

Instagramはビジネス利用のためのさまざまな機能がリリースされており、それぞれのステージで使い分けることが可能なツールとなっています。

①→②

認知させるための発信には、「リール」が使えます。

②→③

興味・関心のためには、「フィード」が使えます。

③→④

購入のための機能、「ショップ機能」があります。

④→⑤

ファンとのコミュニケーションには、「ストーリーズ」やDM(ダイレクトメッセージ)機能があります。

Instagramの特徴

Instagramは、2010年にできたSNSです。元々は写真共有アプリでした。「インスタ映え」という言葉があるように、写真や動画に特化しています。

X(Twitter)やFacebookのように、文章だけでの投稿はできません。しかし文字だけでも画像にすれば投稿できます。

基本画面の構成

画面上部に「ストーリーズ」の丸いボタン、その下に「フィード」と呼ばれるメイン画面があり、投稿された写真や動画が並びます。

ユーザーはそれぞれの投稿にあるハート型の「いいね」ボタンをタップしたり、「コメント」ボタンからコメントを書き込んだり、「シェア」ボタンで友だちにシェアしたり、「保存」ボタンで気に入った投稿を保存したりできます。

画面下段にはメニューのアイコンボタンが並んでいます。虫眼鏡アイコンをタップすれば、「発見ページ」へのボタン、動画アイコンがリールと呼ばれる短い動画を次々と見ることができる「リールページ」へのボタンです。+ボタンは投稿、右端は自分のプロフィールページへのボタンです。

発見ページでは検索したり、Instagramのアルゴリズムでおすすめされる新しい投稿を見つけることができます。このように私のアカウントでは横浜のおみやげ関係をフォローしているので、関連したおすすめが並ぶようになりました。

フィード

フィードは、Instagramのメインの投稿です。

投稿した画像は、アカウントのプロフィールページに表示されます。同時にInstagramのアルゴリズムによってフォロワーのフィードに表示されます。

1枚の写真だけでなく、複数の写真をスライドのように投稿可能です。カルーセルと呼びます。

投稿には、キャプションと呼ばれる、文章を書くことができます。文章は現在は2,200文字まで書けますので、詳しく説明をしたり、頭に#をつけたハッシュタグを使うことができます。これが、Instagramはブログと同じ機能があるというゆえんです。

写真だけでなく、動画も投稿可能です。

リール

リールは、TikTokのようなショート動画をInstagramでも投稿できる機能です。

Instagramはこの機能を広めたいので、ユーザーが簡単に見れるように「リール」ボタンをメニューにつけています。ですから、フォロワー以外にも表示され、拡散性が高いのです。つまりリールはフォロワー以外で興味・関心がある人にも提供されるのです。リールには、音楽や文字を加えることができます。

ストーリーズ

ストーリーズは、フォロワーに24時間のみ有効な投稿です。

Instagramのユーザーのホームの上段にフォローしているアカウントのストーリーズがアルゴリズムで選択されて並ぶので、フォロワーの目につきやすくなります。

写真でも動画でも投稿できます。

投稿には、文字やリンクのステッカーを貼り付けることができます。

キャンペーンなどの期間限定の案内などに有効です。

投稿のヒント

フィード投稿

まずはフィード投稿をしましょう。フィード投稿では画像を用意します。そして、例えば商品の画像とともに商品の特徴や素材のこだわりなどを画像と文章(キャプション)でアピールします。

検索してみるユーザーが多いので、キャプションは、検索にひっかかるように、文章を検討し、ハッシュタグを利用することが大切です。

ハッシュタグは文字列自体がリンクとして扱われ、リンクをタップすると同じハッシュタグが付けられた投稿が一覧となって表示されます。

フィード投稿の一貫性と統一感

プロフィールページには投稿したフィードの画像が並びます。このページがブランドイメージになりますので、フィードには一貫した映像を投稿して、プロフィールページに統一された世界感が感じられるようにすることがポイントです。個人のアカウントでは、統一感がなくけっこうバラバラです。

ピン留め

プロフィールページのフィード画像は、順番は入れ替えられませんが、自分が選んだ投稿3つを最上段にピン留めすることができ

カルーセル

カルーセル投稿は、複数の静止画と動画を組み合わせて構成する投稿形式です。

自動的に移っていくのでは無く、ユーザーがスワイプしなければなりませんが、ページをめくっていくようにひとまとめにして投稿できます。ユーザーの閲覧時間、滞在時間が長くなるので、Instagramのアルゴリズムの評価が高くなるそうです。

お客さまのステージで述べたように、フィード投稿は、認知したお客さまが、興味、関心を持ってもらうのが主な目的となります。

興味を持ってもらうためにどんな画像が良いか、どんな文章が良いか、工夫してみましょう。

リール投稿

リールはフォロワー以外にもInstagramのアルゴリズムがおすすめするので、拡散性が高く、お客さまのステージでは、認知をしてもらうために使います。

認知させるための発信は、露出を増やす、つまり発信数を増やし、間口を広げるためにキャッチーな内容にして、多くの人に刺さるような発信をします。

またリールを効果的に作成するには、音楽や効果を上手く取り入れると良いです。

動画制作は、まずはスマートフォンのカメラで撮影をして、Instagramの動画編集機能を利用するのが良いでしょう。商品の製造工程を流すだけでも、興味を持つ人は意外といるものです。

会社やお店の人にとっては当たり前の風景が魅力的なのです。気軽に投稿し、お客さまやフォロワーになにが響くかを検証していくと良いです。

ストーリーズ投稿

ストーリーズは24時間で消える一時投稿なので、期間限定のコンテンツでフォロワーとの繋がりを深めるのが良いです。既存のお客さまにファンになってもらうように、キャンペーンや特別なお知らせを投稿するのです。

動画だけでなく写真やチラシのような画像でも投稿できます。

ハイライト機能

ストーリーズは24時間限定で公開されますが、ハイライトに設置すると24時間を過ぎても公開しておけるようになります。 またハイライトにするとプロフィール画面に表示されるため、フォロワー以外にも見てもらえます。

ハイライトには、タイトルが付けられますので、製品カテゴリーごとにまとめたり、タイトル別に過去のストーリーズを並べることができます。

元のストーリーズのリンクステッカーは生きていますので、ホームページなどへリンクさせることもできて、非常に広告効果の高い投稿です。

フォロワーとのコミュニケーション

情報を届けるだけならSNSを使う必要はありません。
「チラシ配り」のような一方的な投稿ではなく、フォロワーに役立つ情報提供と対話で、口コミ・紹介してもらうことが理想です。

Instagramではアルゴリズムによって情報を表示するので、フォロワーが多くても必ずしも情報が届くわけではありません。

一方的な情報提供ならば、チラシ配りか広告の方が効率がよいでしょう。

フォロワーの投稿にいいねする、保存する、コメントする形で対話をします。

コメントがついたり、DM(ダイレクトメッセージ)がきたら、無視しないできちんと返事をします。その点では顧客サポートの仕事です。

フォロワーは数ではなく、質が重要です。質の高いフォロワーさん、ファンが他の人へ進めてくれることで売上拡大をしていくからです。

まとめ

Instagramは他のSNSよりも、お客さまのステージで使い分ける投稿ができて、ビジネスに向いているSNSです。

Instagramマーケティングは広告宣伝ではなく接客だと思います。

じっくりと続けること。お客さまと対話をすること。ファン(お得意様)をつくることを意識して取り組んでください。

継続しないと成果はでません。短期の成果を期待するのではなく、長期的視点で考え、成果を急がず、淡々と続けてください。

フォロワーがファンになれば効果的なプロモーションツールになり、売上に貢献していきます。これは一過性の広告とは違う効果が生まれます。


このオンラインセミナーのアーカイブ動画はこちらで公開されています。

●売上向上の秘策!中小企業のためのInstagramマーケティング戦略 ~CSPA 中小企業ステップアップセミナー Vol.10 ~

いいなと思ったら応援しよう!

くらかけや
「スキ」ボタンを押していただいたり、SNSでシェアしていただけると、とてもうれしいです。