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就活で疲れている人へ~自分にとっていい会社を選ぶ基準とは~【太陽工機・多田健太朗さん】

はじめに


就職活動が迫ってくると、多くの人が自分のやりたい仕事・なりたい職業が分からず焦ってしまう。迫りくる就職活動の時期。しかし、自分が本当に何をしたいのかわからない。大学生から社会人へと進む人生の節目。漠然とした不安が拭い去れない。
僕はそんな進路に悩む就活生のひとりだ。何か自分固有のものを文字として紡ぐと同時に、現役で働いていらっしゃる方から人生の選び方を学びたくてこのくらすはたらく編集室に参加している。

そこで、株式会社太陽工機で働く多田健太朗さんから話を伺った。多田さんは新潟大学・人文学部(僕の直属の先輩…!)を卒業し、太陽工機に新卒入社した。現在は総務に所属し、新卒採用や他部署の補助など、マルチに働く縁の下の力持ちだ。現在は25歳で趣味はバスケットボール観戦とのこと。明るく、年下の僕にもフラットに話してくださった。

太陽工機ではたらく多田健太朗さん

太陽工機の国内の研削盤業界においてトップクラスの販売実績を誇る長岡の研削盤専業メーカーだ。

研削盤とは、自動車、工作機械、あるいは半導体などで使われる部品を製造する大型の機械。太陽工機は立形研削盤のパイオニアであり、日本国内のみならず世界の製造業の発展に貢献している。そんな太陽工機で働く多田さんに進路選択の経緯をネホリハホリ。そして、人生をガラッと変え得る進路選択のヒントを得た。今回はそれをつづり、記事として多くの人に共有したい。この記事が現在進行形で悩む就活生たちの進路選択の一助となれば幸いだ。

働き方の変化を楽しみたいなら今後の成長性がある会社へ

太陽工機は国外に営業所を持っており、海外進出にとても積極的だ。国外との連帯する業務が新たに増えることで社内にも新しい仕事が生まれる。英語やより高いコミュニケーション能力が求められるかもしれない。多田さんは毎日新しい経験をしたかったため、成長の余地がある会社を選んだという。「成長している会社に就職すれば、新しい仕事を任され、変化に富んだ働き方ができる」ということなのかもしれない。もちろん、それぞれの理想の働き方はみんな違う。もし自分が変化の少ない、安定した仕事をしたいのだとしたら基盤がしっかりと築かれている大企業に就職するという選択肢もある。それとは異なり、多田さんのように自分が変化を楽しみたいタイプなのだとすれば、今後、成長の余地がある会社を意識してみると自分に合った会社が見つかるかもしれない。

文理で絞らない

多田さんは文系の学部の出身だ。そのため、僕はなぜ太陽工機の理系の製造業に就職したのか興味がわいて仕方がなかった。理系に比べて専門知識がはるかに劣り、いろんなところで苦労するのではないだろうか。私自身が就活で漠然と抱く疑問だ。しかし、多田さんの話を聞くうちに、結局大事なのは「コミュニケーション能力」なのだと気づいた。
なぜコミュニケーション能力が大事なのか。それは、どんな会社であろうと入社前の知識は入社後の仕事現場でほとんど使われないからだ。言い換えれば、文系だろうと理系だろうと関係なく、入社後の仕事現場で仕事に関わるほとんどの専門的な知識を得られるからだ。現に、太陽工機では文系と理系の人数比が4:6だという。多田さんは総務という役職柄、様々な部署とかかわっており、当然、研削盤の分離横断的な知識が必要とされてくる。もしわからない専門的な知識があったら、自ら工場の現場の方に直接聞きに行く。この話を聞いて、働く上で最も重要なスキルは専門的な知識ではなくコミュニケーション能力なのではないかと思った。わからないことがあれば相手に聞いたり、部署間をホウレンソウ(報告・連絡・相談)で行き来する力が重要だ。
また、僕なりの解釈だが、コミュニケーション能力と言っても、それは単に「会話」をする能力ではなく、相手と「対話」をする能力なのではないだろうか。相手の伝えたいことを正面から受け止められる力であったり、わからないことがあれば誠実に教えを乞う力だったり。そんな、ある目標に向かって進むために目の前の相手としっかりと対話できる力なのだと思う。そんなコミュニケーション能力は、文系・理系を問わず、どんな職場でも活きる力なのだと思う。

決め手は会社説明会の雰囲気

ここまでで、多田さんが様々な基準で太陽工機を選んだことが分かるだろう。どの基準ももちろん大切だったが、実はこの基準が一番大切なのかもしれない。それは「会社説明会の雰囲気」だ。
多田さんは、会社説明会の雰囲気でその会社の良し悪しが分かるという。説明会のきらりと憧れを覚えるような雰囲気や風通しのいい雰囲気は、入社後の職場を表しているのかもしれない。多田さんは、自身が参加した説明会で、新卒採用担当の方との話を通して感じた雰囲気から、太陽工機の社風を敏感に感じ取ったのだそうだ。若社長が筆頭に立って研削盤業界のパイオニアとして邁進する会社の、風通しのいい雰囲気がありありと説明会に出てたのではないだろうか。「この会社イイな!」と直観的に思える嗅覚のようなものも、企業選びには重要となってくるのだろう。

ワークライフバランスと住みやすい街

太陽工機は従業員のワークライフバランスの充実を率先して図っている。おかげで、多田さんは休みの日は好きなことに専念したり長期の旅行にいけるのだという。やはり、会社がワークライフバランスに力を入れていることが直接、社員の生活を豊かさにしていると言っていいだろう。

また、太陽工機の所在地である長岡は多田さんのふるさとだ。なぜ、長岡に就職したのかを質問したところ、多田さんは長岡花火を強く誇りに思っており、子供に見せてあげたいと感じたからだという。太陽工機は企業として花火に協賛している。自分が働いている会社の花火を家族と見る夏の夜は、確かにかけがえのない時間なのではないかと感じた。
そして、多田さんは長岡が住みやすい場所だという。ご飯もおいしいし、人口密度も適度だ。住みやすさはピカイチ!と自信を持って言ってくれた。

多田さんは、これからの時代は特に会社の福利厚生が重視される時代になるという。たとえ給料が高くてもそれを使う時間や余裕を与えない会社がたくさんある。しかし、これからは会社とプライベートのメリハリをはっきりとさせ、どちらも充実させるのが主流になっていくだろう。その意味でも、太陽工機のように福利厚生に力を入れている会社であり、長岡のように住みやすい場所はまさしくこれからの時代に社員側から求められてくる会社なのかもしれない。

まとめ 人生を柔軟に楽しむためには

ここまで、多田さんが太陽工機を選んだ判断基準を個別にみてきた。最後に箇条書きでまとめておこう。

・会社の今後の展望から考える。
・誇りある町、住みやすい街ではたらく。
・福利厚生と労働環境の改善に積極的な会社を選ぶ。
・文理選択を理由に進路を狭めない。
・対話する姿勢があればどんな会社でもどうにかなる。
・会社説明会から直観的に相性の良さを感じ取る。

太陽工機というイイ会社を就活の果てに見つけ出した多田さん。そんな方のインタビューだからこそ、本質的で、就活生一般に当てはまるような企業選びのイロハが聞けたのではないだろうか。
このインタビューを経て感じたこと、それは「入社後も人生は続いていている」ということだ。僕は優柔不断な上に、未来の出来事に対して悲観的に捉えがちだから、「就活」に対して過度に慎重になっていた。あたかもこれで人生のほとんどが決まってしまうように。しかし、それは間違いだ。就活は人生の始まりに過ぎない。本当に重要なのは入社してからだし、その後の自分の生き方だ。もちろん、自己分析を重ねて自分が思い描く生き方となるべく近い職場を選ぶべきだ。しかし、未来を全て予想しきるのは絶対に不可能だ。だから、自分が思い描いた生き方に近づくような、「働きやすく」て、「住みやすい」環境を手に入れられればいい。それができれば、「就活」は上々だ。いつになっても人は変われる。それに気づいたら、就活に身構えてガチガチに入っていた力がスッと抜けた気がした。今回のインタビューでは、「就活」だけでなく、そんな「人生の歩み方」も学べた。多田さんの、人生を柔軟に楽しむ姿勢を見習いたい。

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書いた人:TKG職人
岩室地域へコミュニティデザイナーを志望し移住。現在は大学4年生を休学し、居住していたシェアハウスの共同運営者として活動。“他”給自足、マイクログリッドの田舎暮らしを探求しながらも、自身・地域内・地域外をつなげるシェアハウス「とも家」の運営に尽力する。

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