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「地方創生の本質」ってなんだろう?クラダシ社員が「クラチャレ」を通じて地域との関わり方を考えてみる

自己紹介

こんにちは!関口一平と申します。
2021年5月にクラダシに入社後、食品メーカーさんや生産者さんのフードロスを解消し、クラダシでの販売につなげるMD部(マーチャンダイジング部)にて働いています。
今回、弊社が主催・運営する「クラダシチャレンジ」に社員として初めて参加させてもらいました。

参加概要

・社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」(通称:クラチャレ)とは?:
人口減少・少子高齢化により人手不足に悩む地方農家へ、主に学生が担い手となり、未収穫となっていた一次産品を収穫・フードロスの削減を行う社会貢献型インターンシップ。参加学生の旅費交通費、宿泊費や食費などをクラダシ基金で支援しています。
 ※詳細:https://kuradashi.jp/blogs/kuradashi-magazine/310

・開催場所:北海道三笠市
・収穫物:三笠産メロン

三笠市は札幌の北東方面に位置し、車で1時間ほどにある人口8,000人の市です。昔は炭鉱の町として栄えましたが、平成元年までに全ての炭鉱が閉山。その後、人口流出が進み、現在の人口はピーク時の1割強となっています。
最近は三笠メロンや高校生レストランで名を馳せる三笠高校など、食による街おこしに力を入れている市です。
※クラダシは三笠市・株式会社イオンアグリ創造(以下:イオンアグリ創造)との3者間で連携協定を締結。その一環としてイオンアグリ三笠農場にて「クラチャレ」の実施に至りました。

・滞在期間:8月3日~5日(※クラチャレ自体の実施期間は8月1日~10日)

北海道の大自然のもとで育った、おいしい三笠産のメロンを収穫してきました!
一つ一つ手間暇かけて作られたメロンは甘みが凝縮されています。

実施内容

学生インターン生とともに、三笠市にメロン農場を構えるイオンアグリ創造 三笠農場にてメロンの収穫から選果・梱包・発送など一連の流れを体験・見学させてもらいました。

また三笠市役所の担当者、地元農家の方、三笠農場で働くスタッフの方、民宿のオーナー等との対話や学生インターン生との議論を通じて、三笠市の実態やクラチャレの意義について理解を深める機会となりました。

約20年間、三笠市で「民宿アンモナイト」を運営しているオーナーが「めんどくさいな〜」と言いつつとてもきれいに盛り付けてくれたメロン。ツンデレで可愛いオーナーでした。

三笠市で感じた「地方創生」の複雑さ

今回、短い期間で多くの関係者の方々からお話を聞く機会がありました。
その中で、改めて「地方創生」や「地域課題の解決」という言葉の持つ意味や本質を問い直す機会になりました。

同じ地域でも、その人の立場によって正解は違う。
例えば行政としては財源の圧縮や行政サービスの効率化のために居住地域を集約したい。
一方で転居を余儀なくされる人にとってはその土地に愛着があるし、残り人生も長くはないからその場に留まり続けたい。

どちらの考え方も正しいし、尊重されるべき意見。こうした意見の食い違いは会社組織の中でも起こりますが、会社の場合は組織としての目標、ビジョンがあるから優先順位がつけやすい。
一方で街づくりにおいてはそこに強制力を持ち込めない分、時間もかかってしまう。

まさに「誰一人取り残さない」進め方を模索することが求められているわけです。

このような複雑な生態系を持ち、多層的に課題を抱える地域のフィールドで、自分たちはどのようにアクションをしたらいいのだろうか?そもそも日本全体で人口減少社会を迎えている中、どんな状態が「地方創生された状態」と言えるのだろう?地域に住む方々は僕ら参加者が「課題」と思っていることを本当に「課題」と感じているのだろうか?

情けないことにですが、三笠市で多くの一次情報に触れる中で、答えはこれまで以上に分からなくなった、むしろ新しい問いがたくさん生まれてしまった、そんな滞在期間でした。

僕らが「消費者側として」できること

そんな中で、自分達はこれから何ができるだろうか?
地域側ではなく、都市部に住む一人の生活者として、捉えなおしてみます。

三笠市に行ったことで、「三笠市の方々」から「●●に勤めるAさん」「▲▲を教えてくれたBさん」と個人で呼び合える人のつながりができました。
メロンの収穫体験を通じて、「畑にあるメロンがはどんな状態か」「選別はどのようにやっているのか」理解することもできました。実際にどのメロンが適切な収穫タイミングかを見極めることは、とっても難しい。

この中にも収穫すべきもの、そうでないものが・・・皆さんどれだかわかりますか?

これらを踏まえ、一つ感じていること。
それは消費者側の僕らが生産現場に足を踏み入れて生産者と一緒に汗を流す時間を過ごすことで、相手への想像力が持てること。
相手が見えると、「感謝・寛容・応援」を伴った購買活動ができるようになるんじゃないかなということ。

「あの人が関わっている商品だから買ってみよう」「多少土がついていても仕方ないよね」などなど。

以前、ある農家さんが出したメロンの箱に虫が入っていたとクレームが来た事があるようです。
でも、その虫は北海道にはいない虫で、本州で配送中に箱の隙間から入ってしまった可能性が高い。それを説明しても「作ったお前たちが責任を持つべきだ」と一蹴されてしまったとのこと。
クレームを言った人も生産者への理解があれば許せたのでは?単純に知らなかったこと、背景を想像できなかったことが問題だったのかな、とその話を聞いて感じました。

小さな積み重ねですが、僕ら一人ひとりが相互理解を深める、相手を知るアクションを取り続けることで、大きな課題の先にある糸口が少しづつ見えてくると信じています。

最後に

「相手への想像力を持つ」という意味で「クラダシチャレンジ」のような生産者の現場をリアルで感じられる体験は、特にこれからの社会づくりや消費活動を担う若手世代が参加する意義を改めて強く感じました。

また「クラチャレ定期便」は学生さんの活動や届いた生鮮品を通じて、その地域や生産者に思いを馳せることができる体験です。
(※未収穫ロスの削減のため、中にはカタチの悪いものも含まれますが、それも含めて味わってもらうことがこの企画の価値だと捉えています)

「クラチャレでお世話になった●●さんに成長した姿を見せたくて、また会いに来ました!」
「クラチャレ定期便で届いた▲▲がとても美味しかったので、遊びに来ちゃいました!」

今回現地で体験した私としては、クラチャレやクラチャレ定期便を純粋なインターンや購買体験だけでなく、実施地域と持続的に好循環・交流が生まれるサービスに育てていきたいと考えています。まだまだ発展途上ではありますが、興味のある方はぜひクラチャレへ応募・クラチャレ定期便を購入してみてください!

▽クラダシチャレンジ募集ページ

▽「クラチャレ定期便」販売ページ

最後に、素晴らしい時間を共に過ごしてくださった三笠市役所、イオンアグリ創造、参加学生、市民の皆様に感謝の意を添えて。

ここまで読んでいただいた皆様も、ありがとうございます!

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