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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第246回 「くらげが車に乗ったら芸術に目覚めそう!?障害者とアートの関係性もいろいろだよね!」ってお話

登場人物

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本編

[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。

[く] 今週も引き続きなにかと大変なんですが、あおがちょっと外出したはずが何故か気がついたら秋葉原にいた、というヘルプが来まして…。

[寺] …。くらげ家から秋葉原って近いんですか…?

[く] 徒歩と電車で40分くらいですかね…。なんでこうなったのか本人も全然覚えてないのですが、衝撃と疲労で動けなくったというので大急ぎで車で走って迎えに行きました。車に車椅子を積み込みっぱなしなので、近くの駐車場に車を停めて、車椅子を運んでいって、それにのせて車まであおを運んで帰宅しました。

[寺] 本人も覚えてないんですね…。お疲れ様でした。危ないですねぇ…。

[く] 以前も町中で動けなくなった、ということはたびたびあって、そのたびタクシーを使ったりしていたので、それだけでだいぶ節約になっているような…。

[寺] 我が家も息子が大きな音や、切符が見当たらないなどの些細なトラブルでショックを受け、身動きできなくなることがしばしばあって…息子100キロありますから、車がないと迎えもままならないわけです。今の公共福祉の範囲ではこういう人を家に送り届けてくれる無料のサービスなどは無いですから、普通にタクシー代やレンタカー代がポケットから出ていくんですよね。くらげ家に車を勧めていたのは、そういう「突然の出費」を最小限にできる、というのもあるのですよ。有効活用できているようで何よりです。

[く] だからといって、全ての外出に介添え人をつけるわけにもいかないですしね。あおはいま体調不良が続いていてまともに歩けないこともあるのですが、車と車椅子の組み合わせだと、移動できる距離が一気に伸びましたね。

[寺] 強力な機動力を得ることができてよかったです。正直、これからあおさんの体調が回復して自力での行動範囲が広がる、という望みは薄いので…。

[く] あお、その反動もあっていろいろなところに行きたがっておりまして…。先日は私が知り合った障害者アートを事業化している方とのランチ会にもついてきまして(笑)

[寺] ランチ会いいですねー!あおさんは印刷所勤務で名刺のデザインなどをしていた時もありましたし、アート全般にも興味を持っているんですね。

[く] ボクがアートの範囲などをあまり理解してないので、あおがどういうものが好きなのかは把握してませんが、とにかくその方のプロダクトをネットで見て気に入ったと。そのことを伝えたらぜひ一緒に来てください、ということになったので八王子まで行ってきたんですよ。八王子は電車だと2時間近くかかるのであおにとってはかなりしんどい距離なんですが、車だとガソリン代や高速料金はともかく、問題なく行けますから…。交友範囲も広がりそうです。

[寺] あまり連れ回すと、あおさんが望んでいても間違いなく疲れちゃいますから気をつけてくださいね。しかし、障害者アートの事業化ですか。私も興味がありますよ。どんな感じでしたか?

[く] YORIKOさんという方が「想造楽工(そうぞうがっこう)」というプロジェクトを立ち上げて、障害者福祉施設の利用者が描いた絵を使ったバッグとかを制作しているんです。このプロジェクトのクラウドファンディングをやっているときに拡散のお手伝いをしたことで親交が生まれまして。まぁ、元々友人の友人だったんですけどね…。

[寺] 世間は狭い(笑)そのクラウドファンディングのサイトを見たんですけど、コンセプトでもう人の心を動かすパワーがありますね。パフォーマンスもとても上手にやられてます。

[く] 障害者の所得の問題を改善したい、という意気込みもかなり感じましたねぇ。工事の仮囲いのアートワークを手掛けたり、とかなり大規模なこともやっているみたいです。

[寺] これね!(サイトの写真を見ている) 工事囲いに絵を描くのがそんなに一般にアピールできるとは思わなかったです。いいところに目をつけましたね!仮囲いアートって、よく美大生なんかに「作品の発表の場としていかがですか」って依頼が来るんですが、美大でもイラストレーションを専攻している生徒はクラスに10人ぐらいですし、しかも誰かの絵を手分けして描くというマインドにならないから、受ける人少ないんですよね。シャッターアートは割とやるんですけどね。1日でできるし、1人に一軒もらえるから。大きい絵は日数もかかるし難しいんです。

[く] そういう事情があるんですか(笑)流石です。

[寺] 画材も持ち出しですからねえ…。貧乏学生にはキツいです。しかし、障害者アートは流行ってきているんですが、障害者の方にアートを行う意味みたいなのが伝わっているかはどうなのかはちょっと気になるところです。もちろん、これは非難しているわけではなく、そこに認知の穴がある人が視覚優位者には多いという事情があるので。

[く] なるほど…。私みたいに「意味」ばっかりを求めてアート自体への興味が薄い人もいるのですが(笑)

[寺] くらげさんはくらげさんで極端ですが(笑)また、障害者アートは、そのプロジェクトを行っているところに子どもを預けて「教育」してもらおうととする親の思惑はどうなのか、とかも気になりますね。実は私のところにもしばしば「発達障害のある子どもが絵ばっかり描いているのだが、これで将来自立できるように鍛えてくれないか」みたいな相談というか、依頼が来ることがあって…。私はいつもnoteで言っているように、「普通に食うの難しい業界なんで食えるようにするとかお約束できません。1日10時間描けるなら預かってみてもいい」って言うんですけど。

[く] 10時間は酷くないですか?(笑)

[寺] そうですか?うちの娘はそれぐらい描いてますけど。というか、それぐらいだったら普通のご家庭では家族と一緒に生活するのは難しいだろうなと思うので、食えるレベルにならなくてもいちかばちか賭けさせてもいいかなと思って言ってるんですが。まあ、預けてくださらないですよね(笑)でも、ここではそういうお子さんを支援対象としているわけなので、どういう内容で保護者の方にご理解いただいて、参加してもらっているのかとかすごく気になりますね。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。