【即興コラム】「救い」にならない言葉。あるいはフォロワーが増えない悩みについて。

昨夜、自分に自由にコラムを書くという贅沢を許した。

そして、今、「語りたいこと」が無数に湧いてきては脳内を木霊する、という面倒くさい現象が発生している。ＡＤＨＤの「考える」とは言葉が泉のように湧いてきてはこぼれ落ちるものであるらしい。

ただまぁ、こぼれ落とすのはもったいないものもあるので、これから積極的に掬い取れるだけは掬い取って行こうと思う。

ところで、「くらげさんはどのような作家に影響を受けましたか」と聞かれることが有るんだけど、私の文体というのはあまり誰に影響を受けた、とかいうのはないと思っている。

もちろん、好きな文体の作家はいるし、無意識に刷り込まれたものも無数にあるんだけども、それでも「私」の文体は当然本を出すことになり、試行錯誤した末の生まれたもので、なにか特段「教育を受けた」というものではない。ただひたすら試行錯誤の結果、独特のリズムが生じた感じだ。

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私は恥ずかしながら「語彙」が圧倒的に足りないし、難しい言葉回しも知らない。聴覚障害からくる耳から入ってくる情報の不足、という限界は物書きとしてはかなり致命的な問題だ。私の文体はひらがなが多くぱっと見、スカスカなところが多く感じるようだ。

ただ、「比較的読みやすい文章を書けている」という自負はある。

これは手話で話すうちに学んだことだけど、普段使う単語というのは意外と少ない。食べる、寝る、ご飯、布団…。でも、言葉と言葉を結びつけることで、複雑なことを話すこともできる、ということを知った。

だから、無理に難しい言葉を使うよりも、私の言葉で、私の理解したままの言葉で何かを書くようにしている。それほど難しいことは扱えないし、ともすれば幼稚な書きぶりかもしれないけど、私は今の私の文章のリズムがとても心地よい。

前置きが長くなってしまったけど、「救いにならない言葉」というのを考えている。私の本や文章で「救われた」という感想やコメントを頂くことがあって、そういう時はすごく嬉しい。この嬉しさは役に立った！という喜びとか自分すごいといううぬぼれとか、まぁいろいろあるんだけど。

もちろん、言葉が誰かの救いになることは良いことだけど、誰かの救いのために言葉を紡ぐこともまた違う気がする。まずは自分が書いて楽しくて、その結果として誰かが面白がって、なにか感じてくれるならそれが一番幸福な形だと思う。「救い」とは結果であって目的ではないのだ。

むしろ「救い」ではなくて、「つながる」言葉を使いたい。救うっていうとどこか上から施すような感じがするけど、私は誰かの上に立って言葉を「与える」なんてしたくない。同じ視線に立って、「そうだね、大変だよね」という茶飲み話をしたいのだ。

そこからすると最近のツイートはどこか「上から」であまり「つながること」を目的にしてなかった気がする。つまり「教え」なり「救い」なりを念頭に置いた言葉のバラマキ大セールだ。もちろん、そういうツイートを求める人もいるだろうけど、私のやりたいことでもない。

ツイッターの難しさ、というか人間、自分のやっていることになにか本質的に意味がないことでも意味を見出すことが有る。私の場合はフォロワーを増やすとか、RTの数が増えることを期待するとか、そういう「意味のないこと」だ。どちらも結果としてそうなればいい、ということでそれ自体は目的ではない。

とはいえ、フォロワーを増やすことは、今の私にとって一つの「マーケティング」になっていることもある。自分をブランド化なぞするもんでないな、ホント。

まぁ、あれだ。妻は「何かにこだわっている間はこだわっていうものを手に入れるのは難しい」という説教をよくしてくる。フォロワーもまた「増やしたい」とか思っている間は増えないだろうし、むしろ増やさなくても良い。

それより「つながる言葉」をもっと増やしていきたい。今の社会、どこを見てもすれ違いや分断ばっかりだ。でも、言葉の力って「つながり」をもたらすものでも有るはずだ。

「つながることば」というのも難しくて簡単ではないけども。でも、知識じゃなくて、ノウハウでもなくて、ただひたすら膝を折って同じ目線から「うんうん、そうだね」という相づちを打つだけ、そんな言葉を作りたい。

「救う」じゃなくて「掬う」みたいな、そういう生き方もあってもよいはずだ。

というところで、今日はここまで。

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では。