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SIer企業はマジでやめとけ!~社員編~

皆さんはSIer(エスアイヤー)企業をご存じだろうか?

SIerとはシステムインテグレーターのことで、SIer企業はざっくり言うと他企業のシステム開発やら運用やらを請け負ってお金を貰う企業のことです。
ぶっちゃけるとIT業界の人材派遣会社みたいなもんです。

私も約8年間、都内でSIerとして働いていましたが、なかなか大変でした。
その経験から「SIerは辞めとけ!」思う理由をつらつらと書いていきます。

多くの現場を経験してスキル向上は嘘

先に謝っておく、嘘は言い過ぎだ。
前の現場で得たスキルが次の現場に活かされることは当然ある。
プログラミング言語やシステムの知識だけではなく、仕事の進め方やトラブル対応が活かされることはよくある。

ところが、全く畑違いの現場に飛ばされることも当たり前にある。
前の現場ではプログラミングをしていたのに次の現場はシステム運用・保守になったり、データベース管理者をしていたのにヘルプデスクになったり。
これが繰り返されるとかなり辛くなる。

① プログラミングの現場を離れてシステム運用・保守の現場へ。
② システム運用・保守はさっぱり分からない状態で現場に入る。
③ 分からないが、仕事を片付けるために頑張る。
④ 頑張ったけどプログラミングしていた時より評価は低い。
⑤ 疑問を抱きながらも、さらに頑張る。
⑥ プログラミングしていた時と同じくらいに評価されるようになった。
⑦ 次の現場はデータベース管理者。(②に戻る)

プログラミングのスキルも、システム運用・保守のスキルも、データベース管理者もそこそこ出来る、派遣しやすい人材の完成です。
単価も高くないため、企業としては非常に使いやすい人材です。

さあどうでしょう?
毎現場、新しいスキルを覚えるために自分の時間を削り、残業しながら仕事を必死でこなす毎日。
必死に頑張っていても、単価が高くないので貰える給料はそこそこ。
運良く同じ現場に居続けた同僚は、後輩の育成が評価されて「来年度は管理職か?」なんて噂を聞きながら自分は教えてもらう立場。
さらに仕事を教えてくれるのは自社の後輩や他社の年下だったり。。。

まあだいぶ卑屈に書いてみましたが、状況としては当たり前にあり得ます。

私はこれが嫌でSIerを辞めましたから。

自分のキャリアプランに沿った現場ばかりに入れると思わない方がよい。
人生経験にはなるでしょうが、自分がどこに向かっているのか分からなくなってしまいます。

現場が変われば人間関係はリセット

これは説明するまでもなく、現場が変われば人も変わります。
「人間関係リセット症候群」の人には吉報ですね。

嫌いな人がいる場合はスッキリするけど、仕事で人間関係リセットはマイナスが大きいので辛い。
困った時に助けてくれる先輩や週末に飲みに行く後輩、仕事を進める上で事前に話をしておくとスムーズに進められるお偉いさん、目の保養にしていたあの人、そういう人間関係が綺麗さっぱりなくなる。
なくなるというか、自分がいなくなるわけだが。

新しい現場ではそういう人間関係をまた一から作らないといけない。
簡単な挨拶から始まり、日々当たり障りのない会話から始め、徐々に相手の人となりを知りながら関係を築いていく。
それを現場が変わる度にだ。

新しい現場に一人で放り込まれたらもう言葉もない。
息抜きしようにも気楽に雑談できる相手もいないし、形式上の上司(他社の人)が不在になったら頼る相手もいない。
失敗しても誰を頼ればいいのか分からずたらい回しにされ、行き着いた有識者にはため息を付かれながら対応をお願いする。
「やっちまったなあ。」と思いながら一人寂しく帰路につく。

さあどうでしょう?
読んでるだけでも気が滅入ってきませんか?
これも卑屈に書いてみましたが、状況としては当たり前にあり得ます。
社交的でない人や人間関係に気疲れする人には辛いことの繰り返しになるでしょう。

管理職かスキルに見合わない賃金か

この話は経験ではなく予想になります。

50歳になった自分を想像してみて下さい。
あなたは管理職としてチームを率いる存在でしょうか。
はたまた一般職として現場の出入りを繰り返す存在でしょうか。

管理職になるならば問題ないです。
プロジェクトには管理者が必須なので、仕事がある限りあなたは必要な存在でしょう。
給料もそれなりに貰えるので、日々チーム管理に精を出せば大丈夫です。

では、一般職となった場合はどうでしょう?
新しい技術の習得に余念がなく、スキルや知識も十分、トラブルも経験を活かして対応できる人材です。
そんなあなたの単価は非常に高額です。
あなたの単価から給料が払われるのですから、新人の頃と比べて数倍、場合によっては10倍なんてこともあります。

「そんな人材がいたら引く手数多だろう。」と思われるかもしれませんが、昨今の日本をみると簡単にそうも言えない気がします。
【安かろう悪かろう(安いものは品質が悪い)】とは真逆の【安かろう良かろう(安くても品質良くしろ)】という雰囲気を感じます。
商人からすれば至極当たり前の話ですが、こうなると高単価がネックになってしまいます。

某検索エンジンの企業や某ウェアラブル製品の企業なら、いくら金出しても欲しい人材だろう。
しかし、日本でそんなに高スキルを求められる仕事はあるのだろうか。
きっとあるだろうが、そういう企業は自社社員で解決すると思う。

そして、日本で高単価の人材を大量に必要とする企業が想像できない。
大多数の日本企業は自社の管理者を置いて、そこそこの人材を集めて、そこそこのシステムを作り、マイナーアップデートをひたすら繰り返し長年愛用するイメージ。
高単価の人材はスーパーサブのイメージしか無い。
必要とされる時はあるが常に必要ではない、ということは単価としても一部しか発生しないので売り上げが下がる。
給料に見合う売り上げが無いのであれば当然給料は下がる、もしくは上がらない。
もし、そうなってしまったらスキルに見合った給料はもらえないだろう。

根拠のない話ではあるが、全く有り得ない話でもないだろう。
海外からも優秀な人材が入ってくる昨今、スキルがあれば高収入とは言い切れない。
転職しようにも50歳はかなり厳しいだろう。
身動きが取れなくなる前にSIerから離れることをオススメする。

まとめ

最初に書いた通りSIer企業は人材派遣会社みたいなものです。
派遣先が無くなれば仕事はありません。
実際の派遣会社と違って仕事が無くても給料は支給されますが、仕事が見つかるまでは興味のない案件の面談を受け続けることになります。

もちろん全員が辛い経験をするわけではありません。
企業や人に恵まれて定年まで働く人もいるでしょう。
ただ、同じシステムインテグレーターとして働くのであれば、Sierとしてではなく自社サービスを持った企業で働くことをオススメします。

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