ヒサ/久遠

イラストレーター/デザイナー/コピーライター/絵本/ボードゲーム作家。

ヒサ/久遠

イラストレーター/デザイナー/コピーライター/絵本/ボードゲーム作家。

マガジン

  • 久遠堂の製作覚書

    初心者女子に向けたボードゲーム製作で知ったことや感じたことなど、個人的な考え方の覚書。

最近の記事

久遠堂の製作覚書⑧「打ってつけをこじつけろ」

私のボードゲームの生まれ方として、 ①まずシステムが生まれ、それに合わせてビジュアルをこじつける ②まずビジュアルが浮かび、そこにうまいことシステムを落とし込む があり、稀に ③システム・ビジュアルがセットで生まれ並行して育つ という変則パターンがある、という話は以前のnoteでもちょろっと触れた。今回からしばらくは、その具体例の話をしようと思う。 今回は①のパターン。 この作り方で代表とすべきはやはり『白詰草の庭』だ。最初は名刺印刷で製作、コミケで少数発行し、人気があった

    • 久遠堂の製作覚書⑦「お値段・はうまっち・べりまっち」

      ボドゲに限らずの話だが、創作物を頒布するとなると絶対に避けて通れない話題がある。そう、価格の話だ。もう散々この手の議論は交わされており、私が今更するこっちゃないかも知れないが、あくまでこのnoreは私の個人的な製作覚書なので、そんなん知らんわ。書くわ。 「原価率3割」という言葉を聞いたことがある人もいるだろう。主に飲食業界の話なのだが、販売価格に対する材料代の割合は30%だよ、という話であり、ボドゲ界隈でもまあ原価率3割が理想とされている。 うん。あのね。無理!!!!!

      • 久遠堂の製作覚書⑥「何が君の幸せ、何をして喜ぶ」

        覚書⑤で、初心者女子に『何が敬遠されたか』を書いたからには、だったら『何なら好感触だったか』も書いておかねばならない。 やはり、あくまで私の観測範囲内での話になることをご了承ください。「うちの周りの初心者女子にはそんな子おらんぞ」って言われても、なんだ、その、困る。 ・準備は簡単に、分かりやすく ランダマイザとしてカードを使用した(山札をめくって出てきた数字を適用する)時は「山札を用意したり、なくなった時にリシャッフルするのが面倒」と、あまり喜ばれなかったのだが、これをダ

        • 久遠堂の製作覚書⑤「イヤよイヤよ、はガチでイヤ」

          今回は、今までの製作に際し、初心者女子にテストプレイをしてもらったり聞き取りを行ったりして把握した『初心者には何が敬遠されるのか』の傾向について、ちょっと書いておこうと思う。 あくまで私の観測した範囲内の話ではあるが、これから初心者向けにボドゲを製作したいと思われる方は、もしかしたら参考になるかも知れない。 ・プレイ時間が長いと飽きる 「なるべく早めに終わる方がいい」という意見が断トツに多い。特に、ご自身はまだボドゲにそんなにハマってない方は〝別段ボドゲをやりたいとは思っ

        久遠堂の製作覚書⑧「打ってつけをこじつけろ」

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        • 久遠堂の製作覚書
          8本

        記事

          久遠堂の製作覚書④「伝わってくれ、この想い」

          私がボードゲームを作っているのは「ボードゲームを知らない女の子にもっとボードゲームを知ってほしい、遊んでほしい、そしてあわよくば私をチヤホヤしてほしい」から、というのはそろそろ周知されてきたことと思う。 今回は私が気をつけている説明書の書き方について、ちょっと書いておこう。 これはもう散々言われていることだが、ボードゲームを知らない初心者はまず、専門用語が分からない。そして、説明書を読んでくれない人も多い。「なんか難しそうで面倒っぽいから」だ。 私が「スタバでの注文が呪

          久遠堂の製作覚書④「伝わってくれ、この想い」

          久遠堂の製作覚書③「イルイラナイ・スキキライ」

          私のボードゲームの生まれ方として、 ①まずシステムが生まれ、それに合わせてビジュアルをこじつける ②まずビジュアルが浮かび、そこにうまいことシステムを落とし込む があり、稀に ③システム・ビジュアルがセットで生まれ並行して育つ という変則パターンがあるのだが、 どんなに「今作はめっちゃ良い出来なのでは」と思っても、全てにおいて一回ブチ壊れるタイミングがある。初心者女子にテストプレイをしてもらった時だ。 遊ぶために何をどうすればいいのか、さっぱり分からない状態の人間に、いき

          久遠堂の製作覚書③「イルイラナイ・スキキライ」

          久遠堂の製作覚書②「やはり〝可愛い〟は最強だった」

          やはり、ここは第1作目『ケーキバイキング!』の時の話から始めなくてはならないだろう。 「初心者女子をボドゲ沼に落とすためのゲームを作ろう」と決意して半月、私は早くも挫けそうになっていた。周りの女子たちが、本当に……本っっっ当に1ミリも興味を持ってくれないのだ。 初心者女子向けに作るからには、実際に初心者かつ女子を捕まえて色々と意見を聞かなくてはならない。しかしいくら「ボードゲーム遊ぼうよ!」って言っても、なんか曖昧に笑ってやり過ごされたり、あるいは露骨に嫌がられたりした。

          久遠堂の製作覚書②「やはり〝可愛い〟は最強だった」

          久遠堂の製作覚書①「最初に。(読んでも読まなくてもいいご挨拶)」

          私が久遠堂という屋号で初心者女子向けのボードゲームを作り始め、5年くらいになる。 なぜ初心者女子向けという点に固執しているのかについては色々と闇の深い理由があるのだが、誰も私の過去に興味などないだろうから割愛する。まあざっくり言えば「もっと女の子の仲間が増えて欲しい」「女の子に囲まれてキャッキャウフフしながら遊びたい」という下心が大部分を占める。 noteでは、私のボードゲーム製作段階で想定外に引っ掛かったりして面白かった部分や、今までの経験などから得たわずかな知見につい

          久遠堂の製作覚書①「最初に。(読んでも読まなくてもいいご挨拶)」