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フルーツ暦とクニミノセナカ#1

こんにちは。国見ホイスコーレの田上沙慧美です。

空気や風の匂いって、春夏秋冬それぞれの匂いがありませんか?国見に暮らすようになって、私は季節・旬を以前よりも深く感じるようになった気がします。そんなきっかけの1つがフルーツ。今もnoteを書きながら柿をかじりって、子どもの頃は苦手だったはずが「こんなに美味しかったっけ?」と少し驚いています。

フルーツで暦を感じる

桃が出始めると、「今年も夏が来るな〜」

ぶどう・梨が出始めると、「もう秋が来るのか〜」

柿やりんごが出始めると、「秋が深まってきたな〜」

りんごの種類が増えてくると、「本格的に冬がくるのか〜」

と、国見では季節を感じながら、当たり前にフルーツが生活にあります。

そして野菜の移り変わりも。スーパーでは、シーズンによって価格の増減はあれど、年中欠かさず色んな野菜が揃っていますが、直売所には、真夏に白菜やカブは出ていません。笑

旬の時期に旬の美味しいものを食べる。すごく人間らしい生活だなぁと思っています。

「クニミノセナカ」

暮らしや、季節のあれこれを書きながら、テーマにまつわる頭の中に思い浮かんだ国見町に暮らす人々の背中も紹介していこうと思っています。今回は、国見町で果樹・野菜を生産する農家の松浦洋子さん。

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作物の成長を愛おしむ人

洋子さんと初めて会ったのは、今年の8月の終わり。洋子さんは、まだ小さなポットに入ったカリフラワーやブロッコリー、白菜の小さな芽を見ながら、「ほら!かっわいいでしょ〜!」と、子どもや孫を見るように目を細めて小さな芽を愛でる姿が印象的でした。農家さんはみんな、自分の作物は子どものように大切だと思うのですが、洋子さんのその姿が、ひときわ可愛らしかったのです。

ハウスの中では、「どうしてこっち向いちゃったの!笑」とナスに話しかけながら、とりごろのナスをもいで、「ナス大好き!」と言った私に両手に溢れる程のナスをお裾分けしてくれました。洋子さんのナスを加熱すると、とろけるようにトロトロで甘みがある。美味しくて、私も本当にびっくりしたんです。

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お母さんのように消費者の暮らしに親身

これからどんどん涼しくなってくると、オレンジや紫のカリフラワー、カリフローレ(カリフラワーの親戚)などスーパーではあまり見かけない、手に取らない野菜がとれ始め、「これから(出荷先の)道の駅国見が賑やになるから!」と洋子さんも笑顔で話してくれました。

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私も東京に住んでいた時、カラフルな野菜や珍しい野菜が欲しくてマルシェに行って目新しい野菜を買っては、一人で食べきれないことや一人暮らしの冷蔵庫での保管に困ったものです。洋子さんは、「冷蔵庫小さいだろうし、こっちの方が買う人助かるよね〜」など、常に消費者の立場に立ってくれるので、私も「こっちの方が使いやすい!」「こういうところが困る」と、意見を言いやすいのです。そんな消費者のことを考える洋子さんの姿は、まるで子どもに食料を仕送りするお母さんのよう。

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こんな洋子さんとの出会いから生まれたのが、多品種の季節の野菜やフルーツを少しずつ使いやすい量を詰めた定期便season boxです。冷蔵庫に保存しやすいよう、調理が手軽になるよう、ハサミを入れてくれています。

生産者が近いことで生まれた私のルーティーン

こうして生産者の背中を追って、畑に伺うなかで生まれた私のルーティーン。

①職場のデスクの下に常に長靴を常備する

②まずは畑のとれたてを、生で何もつけずにかじる

③食べれるのかな?っていうところまで生で食べてみる

実は苦手だったカリフラワーも生で食べると、中心の芯の部分まで甘味があって、食感が良いことに気付いたりします。どんどん根に近くとえぐみが出てきたりするので、どこまで食べれるか、味の変化を自分の舌で確認します。

洋子さんを始め、seasonboxに協力している農家さんは、「絶対に人に売るものを自分の舌で確認せずに、自分で調理せずに売るような無責任なことはしちゃだめ!」と口酸っぱく戒めてくれます。その分、初物がとれると、畑に植わっている様子や収穫の様子を見に、味見しに来な〜!と教えてくれます。こんな土の近くで暮らし、体の中から季節を感じられることが、私にとって「人間らしい」豊かな暮らしと感じています。


私にとっての人間らしい生活

生産者のことを知り、話を聞いて、畑を見て、その場で生で食べる。

季節を感じながら、季節のものを美味しく食べる。

こうして見ると、私にとっての豊かさは、ただただシンプル。笑

それに私のこんな生活ができるのって、農業が身近にある国見の環境で、よそ者を温かく迎え入れてくれる人の優しさがあるおかげなんだと感謝を忘れないようにせねばと思っています。

「自分にとっての豊かな暮らし」は一人一人違って当たり前。そんなライフスタイルを国見で考えてみるコースを国見ホイスコーレでは作っています。次回は、11/21〜23の3連休で開催予定です。

「考える」「見つめる」と聞くと、すごくガッツリワークしたりするんじゃない…?って思われがちですが、もっと緩く、国見町の空気感の中で町の人たちと出会いながらゆったり考えてみようよ〜って感じです。

良かったら、短期ホイスコーレ見てみてください!

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