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「くらべてわかるルネサンス」(2020年7月2日古川萌講師)動画公開(有料)

KUNILABOは2020年4月期に「くらべてわかるルネサンス」(古川萌講師、2020年7月2日)をオンライン特別講座として実施いたしました。本講座は、当日までに50名以上の方々からお申込みいただき、おかげさまで盛況のうちに終えることができました。

以下はそのイベントページ(https://kunilaboonlinearthistory.peatix.com/)に掲載されている古川萌講師の講座案内です。

イタリア・ルネサンスを代表する芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチは、その生涯を通じて、絵画に関するさまざまな知見を手稿に残しました。現在それらの手稿は『絵画の書』とよばれていますが、その第一巻は、絵画がいかにほかの芸術よりも優れているか、という議論が展開されています。絵画と彫刻、絵画と音楽、絵画と詩を比較して、そのいずれにおいても絵画が優れていると結論しているのです。
 現代のわたしたちからすると、不思議な話です。これらの芸術分野はそれぞれまったく異なるものであり、どちらが優れているというようなことはないはず。しかし、ルネサンス期のイタリアを生きた芸術家にとって、どの芸術がもっとも優れているかを決定することは非常に重要だとみなされました。
 ルネサンスの芸術家は、じつにさまざまな点でこのような「比較」をしています。古代の美術VS現代の美術といった時間を超えた比較から、絵画のなかでも素描VS彩色といった技術の優劣の比較まで、ありとあらゆる点が比較されました。このような比較を、「パラゴーネ(芸術比較論争)」とよびます。じつはルネサンス美術には、こうしたパラゴーネの内実を知っていると、より深く理解できる作品が多くあるのです。
 したがって本講座では、ルネサンス美術を理論から読み解く第一歩としてパラゴーネを取り上げ、芸術家たちや批評家たちがどのように美術どうしを戦わせ、勝敗を決したのか解説します。カバー画像に使っているジョヴァンニ・ジローラモ・サヴォルドの絵画《鎧を着けた男の肖像》も、じつは彫刻に挑戦状をたたきつける一枚。どのようにバトルしているのかは、講座内で詳しくお話しします!
講師: 古川萌(ふるかわ もえ)
東京大学経済学研究科特任研究員。専門はイタリア・ルネサンス美術史。日本学術振興会特別研究員DC(2013-16)、同特別研究員PD(2016-19)を経て、2018年に京都大学にて博士号(人間・環境学)取得。著書に『ジョルジョ・ヴァザーリと美術家の顕彰――16世紀後半フィレンツェにおける記憶のパトロネージ』(中央公論新社、2019年)、別名義で『ルネサンスの世渡り術』(芸術新聞社、2018年)

本記事をご購入いただきますと、本記事の続きにあるリンクより、こちらの講座の録画をご覧になることができます。
【2021年3月26日付記】本記事の価格を値下げしました。この機会に是非ご覧いただければ幸いです。

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