原因を紐解いてみる
物事の結果には、原因があるという。
「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」
こんな言葉を故野村克也監督が言ったらしい。
勝つときには、色々な力が働いて、成績的にも実力的にも勝てる相手ではないけど、なぜか勝ってしまった、、、ということはあるかもしれない。
一方で、「なぜ負けたのかわからない、、、」と、言う人もいるけど、そこには必ず「負けた原因」があるということなのだと思う。
原因を考えるうえで、原因にも様々なものがある。
哲学者はそう言ったことを深く考察し考えたのだが、様々な考え方がある中の一つに、「アリストテレスの四原因説」というのがあり、
原因には
動力因:直接的に運動を起こす力、動力や行為による説明
目的因:目的による説明
素材(資料)因:素材や原料による説明
形相因:本来の形がなんであるかということによる説明 と、
4つの原因があると言われている。
例えば
「なぜ椅子があるのか?」という問いに対する説明の方法の違いとして考えられ、
動力因的は、職人さんが作ったから
目的因は、事務所に必要だから
素材因は、鉄やプラスティックである
形相因は、椅子の本質は人が座るためです。
と説明できるといわれている。
これは
私・あなた(動力因)が、
ある目的(目的因)で、
何かを使って(素材因)、
何かのため(形相因)に、、、が存在するということ。
なにかうまく結果として現れなかったとき、その4つのWhy とWhatの何かがうまくかみ合わなかった、、、ということ。
ここで言う原因というのは、ギリシャ語を語源とする言葉からCauseという英語に表現されているのだが、それは「結果に対する責任がある」というものという意味がある。
そしてそこには、「引き起こす」という意味合いも含まれていると考えられており、原因を考えるときには、
「結果に対する責任があるそれを引き起こしたもの」という一連の流れで考えることが大切ではないかと思う。
その中でもアリストテレスは「目的因」を大切と考えており、世界は「自然」が本来持つ在り方に向かっていく、その目的とされるものに自然と流れていくし、その「自然」には、本来持っている性(たち)、それにより「生まれてくる・育つ・なる」という性質・意味が含まれると考えられる。
そして「潜在能力」がその「自然」に含まれており、その潜在能力が形となる過程が「現実の在り方」を作り出して、そうやって潜在能力が現実に現れたことで、我々は世界を作り出している。
我々がその潜在能力を語るときに、ポテンシャル(可能性としての力)があるかないか、、、という表現をすることが多いと思う。
多くの人が、「潜在能力があるかないか、、、」という議論を、まだなにも起こっていないときにするが、
潜在能力とは、ある行動(in action)が実際に現れたときに**はじめてそれがあったとわかる**ものであり、ポテンシャルがあったかどうかも、実際にそれが起こったときにポテンシャルがあったと言えるのだから、机上の空論、想像でなにも行動(in action)しなければ、ポテンシャルがあるかどうか、、、なんてわかるわけがない。
つまりは、あなたのポテンシャルがあるかどうかを知るには、行動するしかない、、、ということ。行動したらわかるよ、、と。
成功を収めた人の多くが、「まずは行動してごらんよ」「行動したらわかるよ、、、」というのは、つまりはこういうことで、私たち自然界の一部である生物は、自然に何かが起こる、何かになる性質を持っていて、誰もが持っているその潜在能力は、実際にどういうものかあるのかないのか、、、は、in action(実際に行う)ことでしかわからない。
そして「不思議な勝ちはあっても、不思議な負けはない」のだとしたら、負ける原因を拾いあげて、負ける原因になるものを取り除いてあげれば、そこには不思議な勝ちを生み出す環境が整うのだと思う。
危機管理、きっとそれが負ける原因を見直すことであり、負ける要素を最小限にして、in action(行動)することで、あなたの中にある潜在能力は、自然と育っていくのだと思う。
Take an action!
テーマアイディア、参考図書
「語源からの哲学がわかる事典」山口裕之著 日本実業出版社(https://www.amazon.co.jp/%E8%AA%9E%E6%BA%90%E3%81%8B%E3%82%89%E5%93%B2%E5%AD%A6%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E4%BA%8B%E5%85%B8-%E5%B1%B1%E5%8F%A3-%E8%A3%95%E4%B9%8B/dp/4534057075)
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