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コーヒーを淹れる、コーヒーをたてる

「茶の道は人の道」

7年前に訪れた茶室で、案内人に言われた印象的なことば。
(お茶の世界では有名な文句らしい)


先日、とある方に目の前で抹茶をたててもらったとき、冒頭のことばを思い出した。

所作のひとつひとつが整っていて、非常に美しく、飲む前から「おいしい」を感じた。
(もちろん、実際の味はおいしかった)


どことなく、お茶をたてる(点てる)一連の所作にまるで瞑想だなと思った。

その瞬間ごとに、一切の雑念なく、ただお茶に向き合う。

呼吸も穏やかで、余計な力みもまったく感じない。


「たてるすべての動作を見たうえでお茶をいただく」ということにコーヒーを重ねて見ていた。

お茶をいただくにも関わらず、コーヒーのことを考えるとは、雑念以外の何物でもないが。


コーヒーを淹れる、コーヒーをたてる(点てる)。

コーヒーを仕事にしている側からすると「淹れる」が一般的だが、「たてる」と言う人が一定数いる。

どちらが正確、不正解という話ではない。

「たてる」と言われても違和感はないし、意味はわかる。


歴史を振り返ると、日本ではコーヒーよりも前にお茶(茶道)がある。

コーヒーを淹れる一連の所作を、お茶のそれと重ね合わせたのだと思わざるを得ない。

その結果、「コーヒーをたてる」ということばがあるのだと思う。


実際のところ、お店で飲むコーヒーが、人の手で淹れられたものであることに価値を感じる人も多い。

淹れる一連の流れを見たうえで出されたコーヒーには特別感を抱くはず。



個人的な話だが、コーヒーを淹れるとき、実は少し茶道を意識している。

茶道自体を習ったことはないが、お茶屋さんに教えてもらったことだ。


「道具を動かすときは正中線を通すように意識する。」


正中線とは、頭のてっぺんから胴の真ん中を縦に走る線のこと。

道具を動かすとき、この線を一度経由させると所作が美しく見えるようになる。

同時に、いま目の前の動作に集中できるようになった。

ほんと…茶道ってすごい。


コーヒーを淹れるとき、その所作を少し意識してみては?


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