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映画『アイアンマン』の本質とはなにか?

今回は映画、『アイアンマン』について話していこうと思う。

結論を先に言ってしまうと、映画『アイアンマン』は『1人の男の贖罪の話』だ。

主人公のトニー・スタークは、巨大軍需産業『スターク・インダストリーズ』の社長であり、アメリカの兵器産業のトップに立つ男である。

そんな彼の性格は『プレイボーイ』で『傲慢』、さらに『皮肉屋』であり、こんな男がヒーローになり得るとは到底思えない人物像になっている。

彼は自分が作り出した兵器で、世界を平和にしていると心底思っていて、そのことを信じて疑わない。冒頭では誇りすら感じているように思えた。

だが、話が進むにつれて、彼は自分がやってきた『兵器を作る』という仕事を疑わざるを得なくなる。

彼は武器を作る仕事についてはいても、武器を使っている人間ではない。ましてや、自ら作り出した兵器が人々を苦しめていることなど眼中にないのである。

人は、自分に都合の悪いことは見ないようにするズルい生き物だと私は思っている。
心でうすうす感じていたとしても、実際に目の当たりにするまでは、現実の出来事として認識することが難しい。

実感を感じるまでは、問題を問題だと思えないのだ。

トニー・スタークは自分が作り出した兵器を使い、人々を苦しめているテロリスト集団『マンダリン』と出会い、現実をこれでもかと見せつけられることになる。
さらには、自社の兵器で体を傷つけられ、そのままではいつ命を落としてもおかしくない体になってしまう。

この出来事によって、彼は兵器で傷つけられた人間がどう感じるのか、自分がいままで作ってきた物はなんだったのか、考えざるを得なくなるのだ。

こうして彼は、自分と向き合わざるを得なくなり、『贖罪のヒーロー』として立ち上がる決意を胸に抱く。

『過去の自分を殺すための武器』、それがアイアンマンスーツなのだ。

ここまで、少し堅苦しく、映画『アイアンマン』を語ってきてしまったが、本作品がたいへん素晴らしいのは『万人に開かれたエンターテイメント大作』としても大成功している点である。

コミカルなギャグ、ハラハラさせられる展開、ヒロインとの恋模様に、スーツ対スーツの大きな見せ場などなど、語り尽くせないほどの名場面にあふれている。

さらに、他の映画と他の映画を同じ世界観の中でつなげ、シリーズ化していく『アベンジャーズ』という離れ業企画に繋がるようにもしっかり作り込んでいるのである。

このシリーズは現在、全23作品が上映済みで、今後も続いていくので初心者には手を出しづらいかもしれない。

しかし、思いきって手を出せば、最高の映画体験ができるシリーズだと私は思っている。

たしかに、いまいちな作品だと評価されてしまったモノもあるにはあるが、シリーズの後半までいけばそれを含めても、とてつもないおつりが山のように返ってくることは間違いないだろう。

もし、少しでも興味があれば見ていただきたい。
皆様の映画人生がよりよいものになりますように。

またどこかでお会いしましょう!

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