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小説 | 不思議な男の子

出会ったときから不思議な男の子だった。

今まで会った男の人とは違う価値観で生きてるみたい。
自分のやりたいことに素直。
だからこそわがままだし、社会常識?みたいなものは全然ない。

今でも最初にされた失礼な行為忘れないんだから。


でも一緒に行動することが増えるうちに、ちょっとずつホントは優しいんだってのが見えてきた。

誰かが困ってたら助けてあげる。
それで自分が損するなんて考えもしない。
自分の中に芯があるからこそできるのかな。


今ではそんなふうに振り返って思えるけど、当時の私はまだまだお子様。
外見がかっこいい人、クールで強そうな人、都会の洗練されている人、そんな人達のことを追いかけて、付き合ってみたりした。
どの人も長続きしなかったけど。

気がついたら、みんな彼を中心に集まるようになった。
誰よりも自分勝手なのに、人が集まってくる魅力のある人。


「あれ、もしかしてとてもステキなんじゃ...」


そんなふうに思いはじめた頃、急に結婚しちゃった。
ほんとに突然。
十代の頃、たまたま出会ってた子。

「結婚して!」

って正直に言った彼女が偉いよね。
私たちの関係じゃ、改めてそんなこと言えないもん。


彼にとって私が特別だといいな。
そう密かに思っておく。
この気持ちは誰にも言わない。

結婚のお祝いは、ちゃんと伝えるつもり。
言えるかな?頑張りどころだ。
涙が出そう。




「おめでとう、孫くん」







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