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『10歳からのプロジェクトマネジメント』発売記念!監修者:伊藤大輔さん × 担当編集 企画開発部 宮本 対談~ プロジェクトマネジメントって何?子どもが学ぶと夢を実現できる!?~

2022年5月26日に『10歳からのプロジェクトマネジメント』が発売されます。

みなさんは「プロジェクトマネジメント」ってご存じでしょうか?

子どもに

「プロジェクトマネジメント」ってなに?

と聞かれて、スパッとこたえられる親は少ないかもしれません。

今回の対談では、『10歳からのプロジェクトマネジメント』の内容とともに、小学生でも日常の課題解決目標達成に使える「プロジェクトマネジメント」の考え方を紹介し、本書に込めた思いやこだわりを語っていただきました。

<プロジェクトマネジメントってなに?>


▲プロジェクトマネジメントと聞くと、ビジネスで使う、難しそうなイメージがありますが……

――さっそくですが、まず「プロジェクトマネジメント」について教えてください。

伊藤:
本書では、「プロジェクトとは、目標を設定し、期限までに達成する活動」と説明しています。特に目標の中に、「いままで経験したことがない要素が1つでも入っている」ということがポイントです。

まだ見えない未来へ向かって目標を立てるので、活動中にさまざまなトラブルが発生します。そのトラブルを含め、「やりくり」することがマネジメントです。

つまり、プロジェクトマネジメントとは、未来の目標を、トラブルをのりこえながら期限までに達成するために、さまざまな「やりくり」をすることなのです。

具体的には
・どの順番で何をするのか計画書を作る
・メンバーとうまく協力できるしくみを作る
・活動の進み具合を確認する
といったことが考えられます。

宮本:
「プロジェクトマネジメント」と聞くと、企業が大きな事業を行うなかで使うといったイメージをもつ方も多いと思いますが、子どもの生活の回りにも「①目標がある」「②期限がある」「③はじめて経験する要素がある」活動はたくさんあります。

習い事の発表会
サッカーの大会
夏休みの宿題   …… などですね。

伊藤:
実際に社会人になって、プロジェクトマネジメントを学び、「もっと早くから知っておきたかった」と感じる方は多いと思います。
どんな人もいかせるスキルであるにも関わらず、学校教育では体系的に学ぶ機会はありません。

そういった意味で、本書は10歳のうちからプロジェクトマネジメントの考え方に触れられるという点が大きな魅力だと思います。

<なぜ10歳からプロジェクトマネジメントを学べる本を作ったの?>



―― 「10歳からの」という切り口でプロジェクトマネジメントを解説する本を企画した理由を詳しく教えてください。

宮本:
実は、この企画の発端はプロジェクトマネジメントを仕事上よく使ってきた、弊社のシステム担当の社員が、「子どものためのプロジェクトマネジメントの本を」と発案したことなんです。
小学生のわが子がいろいろなことに挑戦している様子を見て、自分が使ってきたプロジェクトマネジメントの手法が役に立つのではないかと感じたのがきっかけだったそうです。

これからのAI時代には、ルーティンワークの多くは機械が担うようになり、変化に対応しながら新しい価値を作り出す「プロジェクト」的な仕事がますます重要になっていく。
だからこそ、これからの子どもたちは、プロジェクトマネジメントという考え方やスキルに早いうちから触れたほうがいい!

というその社員の考えに、とても説得力を感じ、「その本、担当します!」と手を上げました。

ふだんの生活から実践できて、かつ、子どもたちがこの社会を生きていくときに武器となるような、10歳でもわかりやすい解説書にしたいと思いました。

子どもたちの身の回りにも、さまざまなプロジェクトがあります。
マンガの主人公がプロジェクトマネジメントを使って試行錯誤するシーンを盛り込むことで、読んでくれた子どもたちが、自分の事としてとらえられるようにしました。
解説部分にも図やイラストをふんだんに使って、視覚的な理解もうながせるようなしくみも取り入れています。

▲熱心な叔父さんにアドバイスをもらいながら、主人公が少しずつ目標を達成していくストーリーマンガが、各章の導入にあります。


▲視覚的にもわかりやすいようにイラストをふんだんに取り入れています。

伊藤:
わたしは今回、監修者として全体の構成や内容についてアドバイスを行いました。本当にわかりやすい本に仕上がっているので、これまでプロジェクトマネジメントにあまり触れたことのなかった大人の方や、社会人となる方などにも読んでいただきたいですね。

<子どもに伝えやすくするために、内容を薄めたくない……編集者のこだわり>

―― くもん出版では『10歳からのおもしろ!フェルミ推定』など新しい学びについて本を出し始めています。これはどういう位置づけや目的があるのでしょうか。

宮本:
これらの本は、児童実用書というジャンルになります。くもん出版は、変化の激しい社会を自分らしく生きていく力を子どもたちに身につけてもらえるような、「これからの学び」を紹介する本に力を入れています。


▲新しい学びをあつかうシリーズには「くもん これからの学び」ロゴがついています

子どもの本を作るとき、いつも大切にしているのが「本質的な部分をシンプルに取り出す」ということです。

子ども向けの本だからといって、「伝わりやすくするために内容を薄める」という考え方では、面白い本は作れません。
複雑なことを、専門用語を使って難しいまま説明することは誰にでもできますが、難しいことをシンプルに伝えるということは、本質を深く理解していないとできないことだと思うんです。
そういう意味で、監修をお願いする方は時間をかけて選びました。

伊藤さんの著書のわかりやすさはもちろんのこと、YouTubeにあげられているビギナー向けの動画を拝見したときに、まさに「本質をシンプルに伝える」ということを体現なさっていると思い、同じ方向を向いて、一緒に考えていただけると強く感じ、伊藤さんに監修をお願いしました。

<子どもたちに本書を通じて伝えたいこと……チャレンジすることを楽しんでほしい>

――伊藤さん、監修者として印象的だった点があれば教えてください。

伊藤:
宮本さんとはいろいろ議論をしたのを覚えています。たとえば「価値観」といった概念的な言葉や「WBS」などのプロジェクトマネジメント独特の用語など、子どもになじみのなさそうな言葉をどこまで残し、どこまで平坦な言葉に直すかにも気を配りました。

宮本:
もちろん、なじみのない言葉ばかりでは読んでもらえませんが、子どもの本には「知らない言葉に出会い、世界を広げる」という役割もあります。単に言いかえていくのではなく、そこで出会っておいてほしい言葉かどうか、ひとつひとつ一緒に考えていただきました。

「WBS」といった専門用語は、覚えなくても読みすすめられるように言いかえてはいますが、将来プロジェクトマネジメントを専門的に学ぶことになったときに「いきる」ように、用語としてはきちんと紹介しています。

伊藤:
ちなみに、ストーリーマンガにでてくる熱血な叔父さん、モデルはわたしだといううわさが……

宮本:
はい、マンガに登場する熱血でイケメンな叔父さんのモデルは伊藤さんです(笑)。

もうひとつ、伊藤さんのご経験や考えが本書のこだわりとしていきている部分として、「うまくいかなくてもだいじょうぶ」とくり返し伝えているということがあります。

最初にお話ししたときから伊藤さんは、「失敗して当たり前」「いかにリカバリーするかが大切」「子どもたちには、失敗から学びとる柔軟性がある」といったことを何度もおっしゃっていました。

大人は、プロジェクトマネジメントと聞くと「失敗が許されないビジネスの世界で、いかに目標通りの成果を出すかというスキル」ととらえがちです。

でも、子どもたちは、いくら失敗してもいいんだよな、とハッとして。

本の中で伊藤さんをモデルにしたキャラクターが語る、「未知のことにチャレンジしているのだから、うまくいかなくて当たり前」「目標の先にある目的に近づいていれば、そのプロジェクトは成功なんだ」といったセリフに、わたし自身が励まされていました。

子どもたちにも、本書を通じて、チャレンジすることのすばらしさ、楽しさを感じてほしいと思っています。

伊藤:
小学生が自ら目標を立てることは、それ自体本当に素晴らしいことだと思います。また小学生であれば、ある意味失敗し放題です。成功か失敗かというより、そこから学び取るという経験をいかに積むかが大切だと思います。

プロジェクトマネジメントは、何回も失敗した経験を糧にし、次のプロジェクトに役立てていくことが大切です。ぜひ、学生のうちからこのスキルを磨いていき、社会に出てから活躍できる力をつけていただければと思います。

宮本:
夏休みが始まると、子どもにとってはプロジェクトが満載の時期に差し掛かります。
本書には、親がプロジェクトマネジメントについて、あまりよく知らなくても子どもと一緒に挑戦できるワークシートもついていますし、HPからもダウンロードできます。保護者の方には、本書を使って、子どもたちのチャレンジを応援する、寄り添うような関わり方をしていただきたいですね。

実際のプロジェクト現場にも取材していますので、宇宙開発やゲーム開発などの第一線にいらっしゃる方の仕事論も読めます。それを話題のきっかけに、ふだん話さない、仕事に対するご自身の考え方をお子さんに話してみてもいいかもしれません。親子のコミュニケーションツールとしても使える本だと思います。

伊藤:
ぜひ本書をきっかけに、ご家庭でプロジェクトマネジメントに挑戦していただければと思っています。

☆☆☆☆

対談を通じて、『10歳からのプロジェクトマネジメント』がなぜこんなにもわかりやすく、「やってみようかな」と思わせてくれる本なのか理解できました。

子どもたちのチャレンジを応援したい」という監修者と編集者の熱い思いでつくられた本でした。

ぜひお手に取っていただけると嬉しいです。


伊藤大輔(いとう・だいすけ)

一般社団法人日本PMO協会 代表理事/日本プロジェクトソリューションズ株式会社 代表取締役社長/プロシアホールディングス株式会社 代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、大手マーケティングCRM会社にて多数のグローバルプロジェクトを担当。在職中、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科を首席で卒業。青山学院大学大学院 非常勤講師/群馬大学 非常勤講師。プロジェクトマネジメント国際資格者(PMP®)、MBA。著書に『プロジェクトマネジメント実践講座』(日本実業出版社)、『プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』(KADOKAWA)などがある。

伊藤大輔さんのご友人YouTuber イトーダさんと担当編集宮本の対談動画も「I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル」で視聴できます!ぜひご覧ください。

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