第15話　過去は過去

私の今までの人生、全てこれでよかった。そう思えてきている。

最近は、自分でも驚くほどに心が落ち着いている。
やるべきことに、追われている状況は変わっていない。むしろ、やりたい事や、会いたい人、話したい人がたくさん居て、けっこう忙しい。

それでも、以前のように時間に追われている感覚は、ほぼ無い。
むしろ、ゆったりとした時の中に居るみたい。

☆☆☆

なんだか今日は、過去について。

過去の出来事は変えられない。絶対に。
割れたお皿がくっつくことはないし
こぼれた水がコップに戻ることもない。
亡くなった人が生き返ることも。

過去の出来事は変えられない。
でも、変える必要もきっとない。

コーヒーが冷めないうちに。の原作が好きだった。
その中の一文で、

心ひとつで、人間はどんなつらい現実も乗り越えていけるのだから、現実はかわらなくとも、人の心が変わるのなら、この椅子にもきっと大事な意味がある。

心がすべてなのだと思う。
過去も現在も、起こっている出来事に意味はない。

過去にどんな事があったとしても。過去の自分がどんな生き方をしていても。それはもう、どうでもいい。

たくさん悩んで、迷って、それでもここまで生きていてくれた。それで充分。よく頑張った。
ありがとう。

自分の足元に落ちている小さな小さな幸せを。
ちゃんと見なければ気付かないほど小さな幸せたちを、ひとつひとつ拾い集めて生きていくことが、きっと幸せなのだろう。

どんな出来事があったとしても、生き方も考え方もひとつではない。違っていいのだ。
みんな、それぞれ守りたいものを抱え、一生懸命に生きているのだろう。
誰にも理解されなくても。たった一人でも。

自分の心も、大切な人達の心も守りたいと願う。
その思いが強くなりすぎて、自分を苦しめてしまう時もある。でも、きっとそれでいい。
全部ひっくるめて自分なんだから。

今までの私は、いい母親でなくてはならない。とか、きちんとした人間でなくてはならない。とか、いろんなものに縛られていた。苦しかった。

すべて手放そうと思った。
私に必要ないもの。
自分を苦しめるもの。
思い込みも、執着も、全部。

相手の思ってるような、自分になりたいとか。
好きな人の前で、自分をよく見せようとか。

もう、やめた。
もう、やめよう。

もっと、自由でいい。
力を抜いて。
自分でいい。みんな、そのままの自分でいい。

過去なんて変わらなくても、今から未来はつくれる。
今日、産まれたんだよ。
おめでとう。

最高の未来が待っている。
もう、楽しむしかない。