ナレーションを極める52 ニュースの初見 読めない言葉

ナレーターの熊崎友香です。
テレビ東京WBSや、NHK BS1アジアインサイトなどでナレーションを担当しています。4歳と7歳の子供を育てるワーキングマザーです。

上の娘が、小学校に入り、ようやくひとりで通学できるようになり、二日目!!
解放感に浸り、やりたいことをやるぞ!ということで
まず取り掛かったのが、「ニュースの研究」。

NHKでリポーターとして12年所属し、テレ東でもニュースを読ませてもらい、はや20年近く報道部所に関わっているありがたい環境ですが、もっと取り組みたいと思っていた、他の方のニュースナレーションの研究。

おそらく、私が子育てに翻弄されているこの7年の間に、向上された方も多いのではないでしょうか?子育てで学べることはたくさんあります。知らない世界も知れました。成長した自分がおかげさまでいると思います。が、やはりニュースが軸なのです。

ニュース、最近は、ウクライナとロシアの話題が多いですね。
まず最初に原稿を渡されたらやること。読めない漢字チェック!アクセントチェック!です。

私は、「NHKのアクセント辞典」と、「大辞林」と、「テレ東ビジネスオンデマンド」のアプリを携帯に入れていて、すぐにチェックするようにしています。テレ東のオンデマンドは、その単語を、過去のアナウンサーさんや、ナレーター さんがどう発音しているかを確認します。

ウクライナとロシアの原稿では、たった1本、3ページの中でも
これだけたくさん、確認(微妙にわかるけれど、自信がないものも含め)したいものがありました。

15日
要衝
出入り

ハウキウ(地名)
偽旗作戦
全廃
ノビチョク(化学兵器)
旗艦「モスクワ」
チョルノービリ(地名)
イルピン(地名)

いかがでしょうか。

15日の発音は、じゅの後下がります
ようしょう(これは最近よく出てきますね)
「でいり」 なのですが、 時々 「ではいり」 のときもある
約 テレビの場合は「およそ」 時々 官公庁などで「やく」
ハウキウ 頭高
「にせはたさくせん」=わからなければ、意味も調べます
ぜんぱい ぱなのですが、突然、は、だったかななどと思ってしまいます

ノビチョク ビの後で下がります。
旗艦 きかん 平板
チョルノービリ ノの後で下がります
イルピン ルの後で下がります

*個人的に調べたので、間違いがあるかもしれません。
参考までに。。。地名や約などは、スタッフさんに確認するのが一番です。

ちなみに、これはあくまで、ニュースの最初の一歩で、ここから、先輩ナレーター さんが、この文章をどう読むか、この単語はどう読んでいるか、この場面はどう読んでいるか、などをチェック!!こちらがメインです。。

アナウンサーとナレーターの違いは何か?
よく聞かれますが、一語一音、単語の細かい表現の差。という気がしています。
私は、アナウンサーからナレーターになったので、その辺りの、細かい表現をもっと磨きたい。また、どうしても、ブレーキがかかってしまう、自分を取っ払い
表現に歯止めをかけず思い切りやってみたい。そんなことを考えながら、研究をさせていただいたり、練習に励んだりしています。

とはいえ、忙しいニュースの現場。読み方で時間を取られてしまっては、作業が滞るのも事実。NHKのアクセントに詳しいベテランアナウンサーさんは、いつもメモ帳とペンを持ち歩き、気になるアクセントはすぐにメモをして、調べていたそうで、もはや「歩くアクセント辞典!」自宅のトイレまでも、そうされていたとか!それくらい、日々のニュースから、気になる単語をメモして、調べていれば、それが自分の財産となり、「@@と読みますよ」と、自信を持って現場で言えたら、忙しい番組の皆さんのお役にも立てそうです。

ひとりの子を持つ親として、世界の平和を祈りながら、何もできない自分に歯痒さを感じます。平穏な日常に感謝します。それでも自分には何ができるか、考えながら、ニュースに向き合いたいと思います。

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