中国人だって遠回しに断ることもあるけれど、日本人よりは間違いなく率直と思うお話

日本語の曖昧な表現にモヤモヤするようになったお話を昨日書きました。

例えば「ねぇ、アレさぁ、どうなったんだっけ?」と妻さんは良く言います。
そして、わたしには、「アレ」が何を指すのかわかりません。

「どうなった」という言葉から「アレ」は人ではなく「決定すべき事項」だとわかります。「んだっけ?」の部分から確認されていることも推測できますが、やはり何のことかわかりません

「あぁ〜アレね、ネコのトイレの砂は買っといたよ」なんて答えて、妻から
「違うって、今日の晩ご飯は外で食べるかの?それとも家で食べるの?」と言われ「そっちか〜」なんて、本当はまったく覚えのない話だったんだけど、いかにも覚えてましたよ〜な雰囲気を作り出して話を合わせるくらいのスキルはありました。

それが、最近では「アレってなに」から始まって、「そんなこと話したっけ?」と突っ込まないと気が済まなくなっています。他にも主語や目的語の省略を脳内で補完することも苦手になってますし、語尾を濁す話し方や、なんとなく拒否られている雰囲気を察するのも面倒くさいです。

これは中国生活の影響を受けたからだろうと推測したのですが、もう一度良く考えて見るとそんなこともないような気がしてきました。

だって中国人も遠回しな表現を使うこともあるからです。

中国人の婉曲表現は独特

とあるマッサージ屋さんのお話です。知人がお店に入ろうとすると行程码(行動コード)を見せろと言われたそうです。

この行程码(行動コード)は、我々外国人にとって面倒くさい存在です。なぜなら中国人が持つ身分証がないと利用できないからです。パスワード番号では登録できません。

それで、自分が外国人なので登録できないと説明すると、店員は「また日を改めて来てください」と言います。もちろん、日を改めたって状況は変化しません。つまりこれは「一昨日来やがれ(二度と来んな、面倒くさいな)」という意味です。

知人も、中国人も遠回しに断るんだなと笑ってました。以前だと、手を振られて、お払い箱扱いを受けたかもしれませんが、最近ではテクニックを使って穏便にすますこともあるようです。(また、以前だとコードを表示できてなくても、サービスを受けられたかもしれないです)

でも中国語は日本語よりはまだまだ直接的と思う

しかし、中国人が断るときは、日本人が断るよりも直接的だと思います。

飲みに誘って「行かない」と言われることは、さすがにほとんどありませんが、「不方便(都合が悪い)」と断られることはあります。

この「不方便(都合が悪い)」は便利な言葉です。

日本人のわたしは「その日は授業があるんですよね〜」とか、「すでに別件が・・・」なんて答えがちです。つまり「お断り」なのですが、理由を具体的に述べつつも、判断については明確にしないという、面倒くさいテクニックを使いがちです。(今、気づきましたが、自分は日本人的テクニック使うんですね。矛盾してます)

しかし、中国人は「都合が悪い」つまり「行かない」と言っているのですが、別に具体的な理由を言ったりしません。

他にも「不可以(無理)」も、よく使われます。

不可以を「無理」と訳すのはちょっとやり過ぎかもしれませんが、例えば「今日の夜8時に会えますか?」とかメールすると「不可以」と返事がきます。これは「できません」の意味ですが、「マジで無理」と思ったときも「不可以」で済むわけですから、便利です。

今後、中国語と中国人への理解がさらに深まると、自分の感想も変わってくるかもしれません。ただ、今のところ、中国人の比較的率直な断り文句の方が、わかりやすくて好感が持てます。

そして、もしかすると日本に帰ったら空気読めずに苦しむのではなくて、ホスピタリティの高さに感動してしまうのではないかという淡い期待も持ったりしてます。

中国から日本へ帰国した皆さん、どうなんでしょう。空気を読むのに、すぐになれるモノなのでしょうか?そして、中国人で日本で暮らす皆さんの意見も聞いてみたいです。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。

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