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KPOPの快進撃に思うこと

これまでKPOPには全く興味がなかったのだが、虹プロジェクトのブレイクをきっかけに、なんだか大変なことになっていることにやっと気がついた。

いや、すごい。KPOPの快進撃は相当にすごい。ヤバい。エグい。

きっと私のようにまだ気づいていない人も多いと思うので、どうすごいかを書いてみる。

KPOPは今やアジアが舞台ではなくて、全世界にファンを広げていて、ダンスやラップなど、これまでブラック系アーティストの独壇場だったところに進出(浸食?)しているのだ。

特に私が注目しているのはBLACKPINK、TWICE、そしてITZY、いずれもガールズグループだ。

4人グループBLACKPINKはとにかくビジュアルが素晴らしく、今やファッションアイコンとしてUS版ELLEの表紙を飾るぐらいなのだ。

セリーヌのアンバサダーに決まったLISAをはじめ、メンバーがそれぞれハイブランドのアンバサダーという一流ぶり。スーパースターとのコラボでアーティストとしての地位を上げる戦略も功を奏し、レディーガガに続き、セレーナゴメスとコラボした「ICE CREAM」のMVが3週間で2.7億回再生。アジア系ならではのかわいらしさ、ガーリーさを持ちながらガチなラップパートでその魅力を炸裂させている。ダンスもラップも、かつてアジア人がやると真似事っぽい感じになっていたが、KPOPのトップアイドルたちはとにかくレベルが高く、本家アメリカの女性グループの不在もあって、完全にお株を奪っているのである。

そして虹プロジェクトで有名になった芸能事務所「JYPエンターテイメント」所属のTWICEとITZYの活躍もすごい。

デビュー5年目、9人グループのTWICEは曲ごとに大きく進化をしている。大ヒット曲「Feel Special」は曲も歌詞も素晴らしいが、女性らしさの表現に力強さが加わったキャッチーな振り付けが素晴らしく、多人数を活かしたダイナミックなフォーメーションは思わず真似をしたくなり、世界中でダンスカバーされている。特にLGBT系のグループに好まれるのは、女性的なのに筋力がないと踊れないパワフルな振り付けだからだろう。

特にこのフランスのグループのカバーには驚かされた。ダイバーシティを絵に描いたような人員構成。TWICEが世界中の人々を魅了している、と感じざるを得ない。世界のエンタメシーンが地殻変動を起こしている、と言ったら言い過ぎだろうか。

TWICEの妹分、5人組のITZYのダンススキルもハンパない。鍛え上げられた身体からくりだされるキレのあるダンスとスピーディで正確なフォーメーションはまるで軍隊を思わせる。ダンサーというよりアスリートに近いものがある。

彼女たちの新曲「NOT SHY」のダンス練習動画は1000万PVを超えている。誰が見ているかというと、上記で紹介したようなカバーをしたい世界中の素人からプロまでのダンサーたちだろう。難易度が高いダンスムーブを覚えるためには一人で何十回も見ているはずなのだ。

なぜこんなに実力がついてきたのだろうか。関係者に聞くと、日本のタレントの契約期間が1年か2年なのに対し、韓国の芸能タレントの契約は10年は当たり前なのだという。つまりそこには「人材育成」という投資が存在しているのだ。虹プロ(NiziU)で中心となっていたのはマコ、ミイヒ、リマの3人の「JYP練習生」で、韓国で練習を積んだ分、他のメンバーとの実力の違いは明らかだった。リーダーのマコは3年近く韓国でハードな練習生生活を続けてやっと手にしたデビューだった。ITZYもデビューまで数年かかっている。

KPOPかJPOPか、という時代もあったような気がするが、残念ながら日本の芸能界は国内市場だけを見て、素人がもてはやされる時代が長すぎて、完全に立ち後れてしまった。KPOPは完全にグローバルが舞台になってしまって、今はその後ろ姿も見えなくなっている。

それどころか、日本のアイドルたちがKPOPを真似し始めているのにはびっくりした。TWICE「のような」衣装、振り付けをすればするほど、劣化コピーにしか見えず、その実力の差がはっきりするのに、自爆行為としか思えない。

かつてエンタメの憧れの地はニューヨークやハリウッドだった。しかし今、日本の若い子が世界デビューを目指すのなら、行き先はお隣の韓国になった。

アジア人が世界のエンタメのトップなりつつあるこの事実を喜びつつも、世界における日本人の影の薄さがより加速していることにため息がでるのである。




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