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【書評】八月の銀の雪【伊与原新】※背中は眼よりも物を言う。

こちらの本から、印象に残った文章を紹介します。
最後に、チャットGPT(通称:チャッピー)に頼み込んで、
300字で要約した内容を掲載します。

「あのとき、なんで僕に気づいたの」

「覚えてねーよ、んなこと」
面倒くさそうに言った清田が、「でも――」と目を伏せる。

「ああいう場では、つい気になるっていうか。
 あぶれてるやついないかなって。
 俺、小学校でも中学でも、結構そっち側だったから」


清田はすぐに、つまらないことを言ったという顔をして、足を止めた。
そして、「もういいよ。帰れよ」と言い捨てると、
駅に向かって一人歩き出す。

僕はその後ろ姿を、僕と同じ孤独を閉じ込めた背中を、
しばらく見つめていた。

「八月の銀の雪」 P52

最後の文章が心に響きました。
「目は口ほどに物を言う」ではなく、
「背中は顔の表情よりも感情をこぼす」というところでしょうか。

この状況を簡潔に言います。

僕(主人公)・・就活がうまくいかず焦る日々。不器用な留年経験者。
清田・・主人公の元同級生。明朗快活な雰囲気だったが、就職後は理想の自分と現実のギャップに失望と悩みを抱える。

昔、大学の講義での班分けで孤独にポツンとしていた主人公が、清田に声をかけてもらったことに感謝しており、改めて、その気持ちを伝えたところ、
清田が素直になれない返答をしています。

清田は社会人生活がうまくいっておらず、また、留年しているような主人公には同情されたくなかったんでしょう。

すごく単純な感想ですが、素直さも美徳ですが、
コンプレックスも、時には魅力的だなあ、と感じます。
人は誰しもコンプレックスを抱えていますから、
そこに共感を覚えるのでしょう。

最後にチャットGPTに300字に要約してもらいました。

伊与原新の「八月の銀の雪」は、戦後日本の小さな町を舞台にした心温まる物語です。物語は、一人の青年が故郷の町に帰郷し、家族や幼馴染との再会を通じて過去の記憶や失われた時間を取り戻す姿を描いています。青年は、戦争によって引き裂かれた人々の絆や町の再生に尽力し、彼自身も成長していきます。物語の象徴として描かれる「銀の雪」は、希望や再生を表現しており、読者に深い感動と余韻を残します。戦後の日本の風景と人々の心情が美しく描かれており、静かな感動が広がる作品です。

がんばろう。 ビッグになろう。


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