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結局非力

一年を無駄に騒ぎて緑さす
(ひととせを むだにさわぎて みどりさす)

「緑さす」は夏の季語。新緑の美しい時期を迎えた。2020年4月6日、2021年1月7日に続いて3回目の緊急事態宣言が本日発出となった。神頼みというつもりもないのだが、ちょっと気になっていた高麗神社に参拝をした。

高麗神社に初めてお参りしたのは2018年の初詣だ。混雑を避けて例年松の内ぎりぎりに初詣に出かける。本来なら氏神に詣でるのだろうが、そういう縁がないので、毎年その時々の気分であちこちの神様を拝んでいる。高麗神社が気になっていたのは、2018年に詣でた時に境内に気になる人々の参拝記録を目にしたからだ。たいへん静かな土地にあり、2017年9月に当時の天皇皇后両陛下が御参拝されたニュースを見るまでは、その存在すら知らなかった。それが、皇室だけでも戦後5回の御参拝があるほか、戦前戦後の首相経験者3名が献木を行い、最高裁長官や埼玉県知事も公人の立場で参拝している。政治家は験を担ぐ人が多い、などと言う。どのような事情があって皇室の人々や政治家がここに来るのか知らないが、ここの由緒やこの国の成り立ちと関係があるのだろう。初詣の時期という特殊な時期ではない今時分でも、足の便が良いとは言えないこの神社がほどほどの参拝客を集める様子を目の当たりにして、土地や場の力のようなものを感じた。

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さて、今日から緊急事態宣言下になり、百貨店などの大型商業施設は食品と化粧品・薬品の売り場を除いて休業となった。2回目の宣言よりも厳しい規制がかかった印象だが、度重なる宣言はこれまでの感染症対策が非力であることの裏返しでもある。疾病に対しては薬が必要で、薬は急には開発できないことは感覚としては了解できる。既にいくつかの国ではワクチン接種が進捗しており、職場で同じチームで働く同僚も米英の人たちは既に接種を済ませている。しかし、ワクチンは治療薬ではない。ワクチンが行き渡ったとして、それでも状況が改善しなかったとしたら、次はどのような手立てが打たれるのだろう。


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