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名を自動転売鬼

「貴様、名を申せ!」大男が目の前の影を恫喝する。だがこれは大男が得体のしれない影に怯えていたのだ。

 影は黙ったまま不気味に動く。大男は本当は逃げ出したいが、一応武術に優れているとこの地域では有名で怖いなどとは口が裂けても言えない。

 大男はついに手に持っていた刀をいきなり影に向けて振り下ろした!
 だが予想通り影に刀は通用せず、それどころか刀が影に吸い取られてしまう。大男は必死に刀を取られないと必死になるが、その力は想像以上でついに大男は刀を手放した。

「そ、その刀は家宝の!」思わず大男がそういうと、ついに影がその正体を現した。見た目は大男と変わらぬ大きさ、大男の刀を手に笑っている。

「ハハッハ!我が名を知りたいか、我が名は自動転売鬼!この刀は悪いが我が手により自動的に転売する」そう言うと自動転売鬼はその場から姿を消した。

 だが大男はそれを見て安どの表情を浮かべる。「転売鬼よ、偽物を転売してどうするのだ」と。

再びこちらの企画に参加してみました。

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