アラカルト

目の前のお天気と

天気予報との
乖離に悩む昼

手持ちの服と
睨めっこの夕方

忘れ物に怯える車内

答えの無い
シミュレーションをする
駅のホーム

計画通りに
早く着きすぎた駅前

自分の臆病への隠れ蓑
1人で流し込むお酒

嬉しさと焦りの交差
待ち合わせ場所での着信

周りの人が消え去った
アナタの姿

過去にも来たことのある
小洒落たお店と記憶

「1杯目は何にする？」
という小さな嘘

口に出た言葉と
全く違う次の言葉が
混沌する頭の中

アナタとの相性占い
沈黙の時間

作戦司令本部
トイレの個室

空のグラス🟰無敵な時間

気にもならなくなった
歩く速度

友達によく否定していた
定番の流れ

世界一綺麗で
落ち着かない部屋

いつも観ていて
違く映るテレビ番組

エレベーターの
音まで聞こえてきそうな
研ぎ澄まされる感覚

仕事しない防波堤

全てを崩壊させてくる
アナタとの距離

想像しては出来なかった
アナタの内側

失われる時間の概念

人生の終わりが覚悟出来る
体温の上昇

水分がカラになったカラダ
包み込まれた事実

会話に困らない
不思議なトーク

眠る世間
浸る罪悪感

横のノンキと照らす未来
それは光と影

朝の日差し
侵入してくる日常

何も知らずに
動き出している現実

適当な次の約束

そして私は

この世で1番
退屈で尊い
現実世界へと帰還した