スペインでジャワカレー中辛

僕はいま、スペインの緑豊かな土地で生活している。
　
人は暖かく、12月を除けば気候も最高だ。
　
東京のようなギューギューの電車もなければ24時間のコンビニももちろんない。　
　
最寄りの駅には壊れた券売機と椅子だけだ。
　
日本食なんてのは、ない。
　
日本にいた頃は家で食べる食事が日本食なんて考えたことなかったけど、醤油ベースの食事なら今はなんでも日本食みたいに感じそうだ。
　
いや、絶対そうだ。
　
イタリアンも中華も全部、日本人が好きな味になっているはずだ。
　
　
知らんけど。

　
兄貴はシカゴで産まれたのに松戸で生まれた僕は22年間日本で育った。
　
22年も日本で食事をしていたら日本の食事が食べたくなるだろうと思って渡航する際にいくつか日本っぽいものを持ってきた。
　
そのひとつがジャワカレー中辛。
　
カレーの本場はインドなのかもしれないが持ってきた。
カレーは日本食だと信じている。
カレーは飲み物ではないとも思っている。
　


先日、ついに持ってきたその貴重なカレー粉を使った。

玉ねぎを切り、じゃがいもを入れた。
　
水を入れて、ルーを入れた。
　
鼻だけ、日本に帰ったのかと思った。
　
嘘じゃなく本当だ。
　
好きな子の匂いぐらいカレーの匂いが好きなんだと知った。
　
ジャワカレー中辛は最高だった。
　
もっと持ってくるべきだった。

いや、持ってこなくてよかったかもしれない。
　
　
　
　
カレーが食べれるのは当たり前じゃないと知った。
　
もっと言えば食事を取れるのは本当にすごいことだ。
　
　
生かされていることに感謝して生きていく。
　
来年はカレーにお肉を入れれるように毎日を生きる。
　
幸せはそこにある。