見出し画像

スクラムマスターを置かないことでチームが自己管理型になっていった話

こんにちは。くまごろーです。
今日はスクラムチームのことについてつらつらと書いていこうと思います。
タイトルの通りなんですが、私のチームにはスクラムマスターがいません。以前はメンバーからスクラムマスターを選出していましたが、昨年の9月頃からスクラムマスターを置かなくなりました。
「それ、もうスクラムじゃなくね?」という声も挙がりそうな気がしますが、スクラムマスターを置かなくなったことで逆にチームがスクラムらしくなったということがあったので、それについてまとめます。

ことの発端

前回に引き続き、また2021年の9月初旬にさかのぼります。
当時のメンバー構成はこちらから。

当時感じていた課題

あの頃はまだエンジニアになって4か月程度。超体育会系だった前職と比べて、ここら辺ちょっと課題なのかな?と思いつつも、エンジニアの仕事の何が正解なのかわからないので、何もアクションを起こせずにいました。

  • 仕事の進め方について、メンバーの話し合いがあんまりないなあ

  • 雑談や世間話も少ない気がする

  • スクラムマスターが各イベントの司会をやっていて、自然と皆を引っ張る形になってしまっている


当時のスクラムマスター


Aさん、Bさん、Cさん、私の4人で仕事をしていたのですが、当時スクラムマスターは数か月単位の持ち回りでまわしていました。
その後、メンバーが4人から3人に減り、「ここからスクラムマスターを出してしまうと作業者が少なすぎる」という話になったので、9月ころ、なし崩し的にスクラムマスター無しのスクラムチームが爆誕しました。
ただ、これが私たちにとっては正解だったなと思っています。

スクラムマスターがいなくなって、「全員がスクラムマスター」のチームになった

なし崩し的にスクラムマスターのいないチームになりましたが、結果「全員がスクラムマスター」なチームになりました。
とはいいつつ、多分実際にスクラムマスターとして活躍されてる方からすれば「それスクラムマスター出来てないよ」って感じだと思います。

[今のチーム]

  • デイリースクラム・ふりかえりのファシリはスプリント毎にメンバー持ち回り

  • タイムボックスの管理もメンバーで行う

  • ボードの管理・進捗の更新も皆でやる

  • 開発を進めるにあたっての障害の発見、状況の改善も(全部ではないが)メンバーで手分けしてやる

  • 誰かのタスクで問題が起きた時は、誰が仕切るわけでもなく全員で解消に取り組む

スクラムではチームを「自己管理型」にすることが求められますが、このチームではお互いがチームを自己管理化するよう促し合っています。
そうなったらもう、全員スクラムマスターじゃん。ていう感じです。

どんなことをやったのか

当然最初からこんな感じのチームだったわけではありません。
当時は今のような結果を目論んでやっていたわけではないですが、下記のようなことを習慣づけていきました。

  • 朝会の後開発者ミーティングを行って、細かい相談ごとを皆で話し合う。詰まっているところがあれば皆で解決する

  • タスクの切り分けとチケット化、大まかな実装方針検討はメンバー全員でやる

  • 難しいタスク、優先度の高いタスクであれば通話でつなぎながら全員でやってしまう

  • 各々タスクを進めているときも、マイクミュートで通話状態にして、いつでも相談できるようにする

  • レビュー会の準備、ステークホルダーとのやりとりも分担して進める

なんで良くなったのか?

なんで今回こんなにチームが良くなったんだろう、と自分でも謎だったんですが、そもそも従来のチームでは「スクラムチームとしてあるべき姿、スクラムマスターの役割をチーム自身が噛み砕けてなかった」のが原因だったのかな、という結論に至りました。

  • チームにスクラム経験者がおらず、手探りでスクラムをやっているような状態だった。スクラムのあるべき姿をしっかり理解できていなかった

  • スクラムマスターの役割を噛み砕けているメンバーがいなかったので、「スクラムマスター=リーダー」のようになってしまっていた

  • 「〇〇さんがリーダー、自分はメンバーの一人にすぎない」という認識になってしまい、メンバーの当事者意識が薄くなる遠因になっていた

こんな感じのこと考えました。


実際スクラムマスター無しでやってみて


当然ですが、開発メンバーは当然スクラムマスターとしての経験を持ち合わせていないので、ファシリもうまくいかなかったりするし、スクラムマスター的な業務を担当して作業時間が減ってしまったりします。
ただ、それで生じたデメリットを差し引いても、生み出されるメリットはかなり大きいなあと思いました。

前の仕事ではよく、月1の定例会で幹部から「現場の人間も、自分がこの部署のリーダーになった気持ちで~」みたいな演説をくらってました。
「そんなん無理やろ」と思いましたし、実際ほぼ全ての人がそんなこと出来てませんでした。

その一方で、今のチームは一人ひとりが「チームを良くするために、良い成果物を作るためにはどうすればいいか」考えて行動するようになっています。
それは、全員が同じ階層にいて同じポジションで、業務を分担して行い、全員がスクラムマスター的な視点を持てているからだと思います。
ロールをはっきりさせないことで横の連携がかなり強くなり、「チーム一丸となって」という意識が強くなった結果自然と「自己組織化・自己管理化」していった印象です。

最後に

この手法はスクラム的にはアウトなんだろうとは思いますが、私たちと同じような段階にいるチームにとってはやってみて損はないのでは?と思います。

  • スクラムやりたいのにスクラム経験者がいない、スクラムの知見が無いチーム。

  • 一人1タスクでメンバー間の連携に乏しいと感じるチーム。

とはいいつつ、数か月自分自身もどういう風に思っているのかわかりません。
今もチームで仕事を進めるのはめちゃくちゃ楽しくて、日々色んな改善案が出てきてチームの成長を感じている最中ではあるんですが、あまりにスクラムの型から外れてしまっているようにも感じています。
そろそろちゃんとスクラムのこと勉強しなきゃ…と思っているので、しばらくしたら全く別のことを言い出しているかも。
ただ、この数か月でチームがびっくりするほど良くなったのは事実です。
スクラム的には無しだし、不勉強故に超適当なこと言っている部分もかなりあると思いますが、ちょっとでも参考になれば嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?