お決まりのストレッチにプラスする
・ストレッチをすることによって柔軟性を獲得できる理由には 筋肉の伸張反射の感受性が低下することや 筋肉や靭帯の弾性要素が変位をおこすこと が考えられています。
・ストレッチの効果には 筋肉の柔軟性の増大・関節可動域の改善・血液循環促進(筋肉のポンプ作用)・筋肉の疲労回復・疼痛緩和・リラクゼーション効果・バランス能力の向上・筋肉神経伝達機能の促進などたくさんあります。
・ストレッチは伸張方法によって 静的ストレッチ と 動的ストレッチ に分類されます。簡単にいうと 静的ストレッチは 反動などをつけずに筋肉をゆっくり伸ばして その姿勢をキープするもので 動的ストレッチは 関節を色々な方向に動かして筋肉の伸張性を増大させて関節の可動域を拡げるものです。静的ストレッチのデータでは 30秒の静的ストレッチでは筋出力を低下させ 6秒では筋出力を向上させるという効果の差異があることを認めています。柔軟性の向上という視点では 30秒の静的ストレッチでは優位な効果を認め 6秒では有意な効果は認められていません。静的ストレッチでは伸張時間により効果が異なる可能性が認められていることから目的・用途に応じて伸張時間を変えたり 動的ストレッチとの併用なども考慮することが大切です。
・動的ストレッチは 運動前に心拍や血流を増加させ体温・筋温を高め 運動パフォーマンスの向上に直結することから 運動前に取りいれることが多いです。動的ストレッチのデータでは 筋出力の低下は認められず 長時間の動的ストレッチでは筋肉神経伝達機能を活性化させ 筋力の向上・パフォーマンスの向上が認められるとしています。
・静的ストレッチによる関節可動域の改善は データからも明らかであるため 静的柔軟性が要求される競技・スポーツ や レクリエーションなど健康増進では 静的ストレッチをお勧めします。ダイナミックな動き・素早い動きが必須で かつ繊細なパフォーマンスを要求される場合には 動的ストレッチを選択し 静的ストレッチの効果に注意しながら併用することをお勧めします。
大腿前面のストレッチ
・壁に足裏をつけたボックス姿勢になります。
・一方の膝を滑らせて 下腿を床につけます。
・他方の下肢を起こして 膝を立てます。
・腰を反らないように 反動をつけて起き上がらないように注意して 上体を起こします。
・この姿勢をキープします。
・大腿前面をストレッチします。
身体前面のストレッチ
・両膝をつき 爪先を立てて腰をおろします。(跪座の姿勢)
・踵からお尻をあげたら 骨盤後傾(あるいは お尻に力を込める)→脊柱のアーチ→肩甲骨内転 の順にからだを動かします。顔は天井を見ます。
・身体前面をストレッチします。一つ一つの動きを意識しながら ゆっくり行います。
・この姿勢をキープ あるいは この動作を繰り返し行います。
臀部のストレッチ + 体側のストレッチ
・ボックス姿勢になります。
・膝を支点に 下腿を外側に動かします。
・足首は寝かせます。
・一方の下肢を伸ばします。
・上肢で床を押し 後方にある下肢を滑らせ 前方にある下肢の大腿外側から臀部を床につけます。
・後方にある下肢の足首は 床を滑らせきったら寝かせます。
・ 肘を曲げ からだを沈めます。
・臀部をストレッチします。この姿勢をキープします。
・臀部をストレッチした姿勢のまま 片側ずつ上肢を斜め上方に伸ばして体側をストレッチします。この姿勢をキープします。
腰背部から下肢のストレッチ
・仰臥位になり膝を立てます。上肢は床に伸ばします。
・一方に下肢を倒します。肩が浮かないように 上肢は 床に押しつけます。顔は 指先を見ます。
・下肢を倒した位置から 股関節を屈曲して 大腿を胸に近づけたら 膝を伸ばします。
・腰背部から下肢をストレッチします。
・伸ばした膝をたたみながら 下肢を倒した姿勢に戻ります。
・下肢を起こして スタート姿勢に戻ります。
・逆側に下肢を倒します。
・逆側も同様に 下肢を倒した位置から股関節を屈曲して 大腿を胸に近づけたら膝を伸ばします。
・腰背部から下肢をストレッチします。
・伸ばした膝をたたみながら 下肢を倒した姿勢に戻ります。
・下肢を起こして スタート姿勢に戻ります。
・一連の動作を繰り返し行います。
体幹のストレッチ
・仰臥位になり膝を立てます。上肢は床に伸ばします。
・一方に下肢を倒します。顔は指先を見ます。
・一方の上肢を 他方の上肢に向かって伸ばします。
・からだを起こしたら 床に手をつきます。顔は 床から背中に向かって回旋します。
・床についた手でからだを支え もう一方の上肢を 床とからだからぬきます。
・上肢をぬいたら側方に伸ばし 他方の上肢も同様に伸ばします。
・顔を回旋し指先を見たら 両肩を床につけます。
・体幹をストレッチします。この姿勢をキープします。
肩甲骨周囲のストレッチ
・仰臥位になり 一方の膝を立てます。
・腰を捻り 立てた膝を枕におきます。上肢は挙上します。(肩甲骨は 外転します・しっかり引き出します)
・スタート姿勢です。
・一方の上肢は挙上したままです。他方の上肢を床に向かって下ろし 反時計回りに動かしながら スタート姿勢に戻ります。
・肩甲骨周囲・体側をストレッチします。
・一連の動作を繰り返し行います。
股関節周囲のストレッチ + 体側のストレッチ
・膝をついたボックス姿勢になります。
・一方の膝を立てます。
・他方の下肢を伸ばします。
・立てた膝に 同側の手をおきます。
・肘を伸ばし 股関節を外転します。この時 足部が床から離れたり 動かないように 注意してください。
・股関節の外転にあわせて 上体を側屈します。
・股関節周囲・体側をストレッチします。この姿勢をキープします。
肩甲帯のストレッチ
・直立します。ドローインして下部体幹を安定させます。
・肩甲骨の内転を意識して 肘を後ろに引きます。肩が上がらないように注意してください。
・肘をしっかり伸ばします。親指は 下に向けます。
・両上肢の間隔は 肩幅を保ちます。外側に開かないように注意してください。
・肘をしっかり伸ばし 上肢をできる限り外旋します。親指を上に向かって立てます。
・動作中 上肢が外側に開かないように注意してください。
・肩甲骨の内転を意識してください。肩甲帯をストレッチします。
・この姿勢をキープ あるいは この動作を繰り返し行います。
体幹・下肢のストレッチ
・壁を背に直立します。
・手のひらを前に向け 上肢を挙上します。
・一方の下肢を内旋します。
・腰部を回旋します。
・胸部・頚を回旋して 壁に手をつきます。
・股関節・腰部・胸部・頚の分節ごとに 回旋していきます。
・この姿勢をキープ あるいは この動作を繰り返します。
・体幹(脊柱)・下肢をストレッチします。
「ちょっとやってみようかな、マネしてみようかな」というところからカラダの使い方に興味をもってもらえれば嬉しいです。