リベンジ美容院

昨日の日記を今日読み返したら驕り高ぶりクソ野郎が書いた文のようで反吐が出そうだった。いや出た。付き合う付き合わないの次元ではなくてまず付き合えないのに見栄を張ってまるで彼女を作ろうとすれば作れる人のようなスタンスで書いてしまった。よくないところが出てしまった。すぐ背伸びしてしまう癖は治したい。あと彼女を「作る」という表現は一部の過激派の方に見られたらすごく怒られそう。今の時代有名人が自分の奥さんのことを嫁と呼ぶだけで一部の人から嫌われてしまう時代だからな。当人たちが納得しているんだからうるせえなと思いますけど。

それはさておき髪が伸びてキショさが増し増しだったので美容院に行ってきた。昨日の日記で書いたように最近はしたことないこと、新しいことをする欲が強かったから行ったことない美容院に行ってきた。これさらっと書いているけどそれなりに勇気を出した。自分の中では快挙である。

初めての方限定クーポンでカットと炭酸スパ付きというのがあったのでそれを選択した。炭酸スパというのも初めての体験だった。僕が今まで行っていた美容院はシャンプーの時薄い紙のようなものを顔にかけてくれたのだが(というかほとんどの美容院はかけてくれると思う)、今回行ったところは紙で顔を隠してくれなかった。なのでシャンプーの流れで炭酸スパをしてくれたもののどこを見ていればいいか、どういう顔をしていればいいかがわからず、そのことで頭がいっぱいになって全然炭酸の気持ちよさを味わうことなど出来やしなかった。あと毎回思うけど「痒いところはありませんか?」って聞くなよ、ねえよ。あったとて見ず知らずの人に掻いてもらいたかねえよ。我慢するだろ。

髪切ってもらうときは基本的に話すのが苦手なので雑誌を読むことが多い。まあ読むと言うか眺めるというか、結局読んでるふりで中身なんざ頭に入ってきちゃいないんだけど。今日もテキトーに雑誌を読むふりをして過ごそうと思っていたら、今日の美容院は珍しいタイプで雑誌が電子版でタブレットだった。俺はどちらかと言えば髪の毛が飛んでしまっても最悪いいようなくたくたの雑誌がよかったのにタブレットじゃなんか読みづらいななんて思いつつもまあいいかと思って手にした。がしかし、なんとまあ運の悪いことか、店のWi-Fiの調子でも悪いのか画面には「通信環境が悪いためこのページは表示できません」の文字。ここで普通の人なら雑誌読みたいんですけどなんか電波が悪いみたいで、とでも言って対応してもらったりするのかもしれないが、人見知りの僕にはそんなことが言える訳もなく、諦めて最悪美容師と会話するしかないと心に決めながら前の机をじっと見ることしかできなかった。

しばらく沈黙が続き、美容師さん側も俺が雑誌でも読んでればいいものの机をただじっと見ているものだから多少気まずく感じたのか、しびれを切らして「大学生ですか?」とついに質問してきやがった。黙って髪を切ってくれればお互いにwinwinなものを、こいつ完全に見誤ったなと感じながらも仕方なく会話を始めた。年齢、学年と順番に聞いてくる。大学4年ですと伝えると、「ってことはもう就職は終わったんですか?」と聞いてくる。内心来た!と思ったが僕は就職の話をするのが好きじゃない、苦手なのでこのままこの話題を広げられると困ると思い、「あー僕就活してないんですよね」と返事。美容師の男の人は喉に銃口を突き付けられたかのように言葉を失い、地雷踏んだわとでも思っているかのような表情を浮かべ、先ほどよりも酷い沈黙と気まずさに襲われてしまった。完全に返答を間違えてしまった。少しの沈黙の後、美容師が口を開いたと思えば「まあでもそうですよね、この時代就職難しいですもんね、じゃあ来年就職ですか?」。なんだこいつ、アホなんじゃないか。普通流して次の話題に変えるだろ、なんでもう一回行けると思ったんだ。めんどくさくて「まあそうですねー」とか返事してしまった。こいつの中で俺はただ就職失敗した人になってしまった。それでもまだ美容師は会話を続け「起業するとかいう人もいますけどなかなか難しいですよね、失敗する人もたくさんいるんじゃないですか?」とか言いやがる。仮に俺が就職しないで起業することを目論んでいる大学生だったらどうすんだよ、そしてよく考えたらその質問なんなんだよ、誰に何聞いてんだよ知らねえよ。耐えきれなくなってまた電波の通ってないタブレットを操作するふりをして無理やり会話から逃げてしまった。だから美容院は苦手なんだ。美容師は何かしゃべらないと死ぬ生き物なのか。そんなにしゃべりたくないなら直接しゃべりたくないですとでも言えばよさそうなものだが、もちろんそんなことは言えない。そんなことを言えるだけの力があったら会話が不得意だなんてまず思わないし、そしてなによりしゃべりたくないですって直接言ってくる奴ってなんかイタいだろう。

そんなこんなで今日の美容院リベンジは失敗に終わった。
髪形はまあ、軽くなったんで満足です。

万が一お金を捨てようという発想に至った場合のみ僕に引き受けさせてください。リターンはありません。