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卵管造影検査の意義

こんばんは(^ ^)クマです!

以前もお話したことのある卵管造影検査ですが、以前はお伝えできなかったところまでお話していこうと思います。



◎卵管造影検査とは

卵管造影検査は、卵管疎通性を評価するための検査として有用な方法です。

しかし、卵管造影検査による診断には限界があります。

また、卵管造影検査で卵管閉塞と診断された方のうち60%ではその後の卵管造影再検査にて卵管通過性が確認されているとも言われています。

これは粘液栓や脱落した子宮内膜、卵管の攣縮によるものであり、1回の卵管造影検査で診断を行うと過剰診断してしまう恐れもあります。

ちなみに卵管の攣縮は患者様の緊張によっても起こるので、検査を行うにあたり過度な緊張をされている方の場合、もしかするとそれが原因で通過性が不良になってしまうかもしれません。

上記のことから、必要があれば再検査を実施していくといいでしょう。

しかし、卵管造影検査はX線を使用する検査になるので被曝のリスクも出てくるので闇雲に何度も検査するのはやめた方がいいでしょう。



◎検査を行う時期

卵管造影検査は生理日初日から数えて10日目以内で尚且つ生理の出血が治っている時期に行いましょう。

10日以上経ってしまうと子宮内膜の厚みが増してくるため適切な判断ができなくなってしまう可能性があります。

希望したらいつでも検査できるわけではないので気をつけましょう。




◎検査による異常所見と治療法

卵管造影検査では

・子宮形態異常がないか

・卵管の通過性はどうか

・卵管周囲や卵管采周囲に癒着しているところがないか

を確認していきます。

卵管では、造影剤の流れ方によって通過性や左右差をみていきます。造影時の疼痛や抵抗の有無などによってもそれらを評価します。


卵管の通過性に異常があれば、FTカテーテルといって管を卵管に通すことで通過性をよくする方法もあります。

ただ、FTカテーテル治療は割と高額なこと、治療しても妊娠率がさほど上がらないことからあまりおすすめはしていません。

両側閉塞している場合には体外受精を行っていくでしょう。しかし、片側が通過性良好であれば短周期の一般不妊治療を行うこともあります。


もし卵管水腫が見つかった場合、卵管水腫は胚および子宮内膜双方へ影響を及ぼし、卵管水腫がある場合、ない場合と比較すると妊娠率が50%低下してしまうため早めの治療が望ましいです。治療を行えば妊娠率も生児獲得率も上昇するので、外科的処置が勧められます。




◎検査時の注意点

卵管造影検査は造影剤を使用します。

造影剤は甲状腺機能に影響を及ぼすので注意が必要です。

造影剤には油性のものと水性のものが存在しますが、油性のものの方が代謝に時間がかかるため、その分甲状腺への負担も大きくなります。

甲状腺疾患がある場合、重症でなければ油性でも水性でも使用できる可能性はありますが、コントロールされていなかったり、重度な場合には油性が使用できない、もしくは卵管造影検査自体行えない可能性があります。甲状腺疾患専門の病院で診てもらい検査を実施していいか指示を仰ぎましょう。



卵管造影検査は重要な検査ではありますが、診断が100%正しいわけではないので、今後の治療方針を決めるときには注意が必要かもしれません。



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