ただ人に任せることだけがチームマネジメントではないと悟った15年前の話

15年くらい前にブロクサービスの責任者をしていた時の話。
マネージングとは、チームメンバーが自由に伸び伸びとやれる環境を作ってあげることだと思っていて、チームメンバーがやりたいと思ったことは、よっぽどのことがない限り、ただOKを出していました。

自分自身、いつも何もわからず、経験がないところに放り込まれて、失敗を繰り返して学び成長してきたというものもあったので、手取り足取り教えるよりは自分の経験になるだろうと。たくさん失敗して学んでほしいという親心みたいなところがあったのかもしれません。

その頃の中心メンバーは25-6歳で、僕は33歳くらい。
当時はブログは20代のツールだったので、若い人の感覚のほうがいいだろうというのもありました。

結果として、面白い取り組みもできたけれど、売上/利益につながることはありませんでした。やることの目的や意義も同期できなかったのもあります。

そんなこんなで、自分がサービスの黒字化に向けたある決断をし、リリース直前(3日前)に僕はそのチームから離れました。(次の構想もあったけれど、実現できず)
サービスは、今も継続はしていますが、WordPressのようなサービスにはなれませんでした。

結局、事業としては潰れかけのサービスを10年以上続くサービスまで成長させることはできたけれど、チームマネージメントができていたかといえば、全然ダメだったなぁと感じます。

それから、いくつか会社を渡り、そこでも事業責任者などを務めさせてもらいました。上記での失敗を活かして、学んできたことを書きます。(前段長すぎ)

チームマネージングとは、チームの成長を促し、より多く成果を出すため体制を作り続けることだと今は考えています。

そのために必要なことは、「個のエンパワーメントを高めること」

個人が成長すれば、チームも成長していきますし、成長するチームにいれば、自ずと個人も成長していきます。

メンバーが仕事を自分事として捉えてくれるようになれば、それこそ何も言わなくても勝手にやってくれるようになります。

それでは、どうやってその好循環を生み出せばよいのか?

・メンバーの事をよく知ること
・会社、事業部のビジョンを語ること
・糊しろを合わせること

だと考えています。

まずは、チームメンバーのことを知る必要があると思っています。
今やってる仕事のことだけではなく、これまでやってきたこと、これからやりたいこと、夢など、知ることが大切だと思います。
そのためには、1on1は重要です。よく「仕事の調子はどう?」とは「進捗はどう?」とかを尋ねる1on1があるんですが、それは1on1でやる必要はなくて、雑談くらいでいいと思っています。
その中で、本音がちらりと見えてくるものです。

あと、心理的安全性を保つこと
何でも言える環境をつくることも大切です。
ついつい、年齢とか役職とかで上から目線になったりしがちですよね。
(自分も昔はそういう感じがありました。。)

そして、会社というものは、社会に対して価値を提供し、対価として報酬を得ます。どんな価値を提供するのか、それがビジョンにあらわれてきます。

ベンチャー企業であれば、どんな未来を作るために存在するのか
根っことなるビジョンが共有できていないと、チーム力は半減してしまいます。

メンバー個々がやりたいことだけをやるでは、チーム力は分散してしまい、チーム力が高まりません。
なので、メンバーの目線を合わせるためにも、ビジョンを語り続けることが大事なのです。
間違っても、売上目標とか利益目標とかばかりを語り続けないように。
価値の提供が先です。

メンバーのことを知り、会社の方向性を示したとしても、考え方が100%一致することはありません。それでいいんです。

ただ、糊しろを合わせる努力をする必要があります。
会社としてやりたいことややってほしいことが、個人のやりたいこと実現したいことにつながれば、エンパワーメントしていきます。

だって、目の前の仕事をやれば、自分がやりたいことの勉強や経験になると思ったら、私なら絶対に誰にも渡さないです。

会社と個の糊しろを合わせることは、メンバーが仕事を自分事するための動機づけになるんです。

なぜお願いしようと思うのか。としっかり伝える。
逆もしかりで、メンバーがやりたいといっても、その人の成長につながらないと判断した場合は、断わる必要もあります。

こうやって、チームを好循環につなげていくことが、チームマネジメントなんだと理解しました。

僕自身、0-1は得意ではなく、1-10が得意な方で、特に消えそうな種火を焚き火にすることが多かったように思います。

ペパボに戻ってからは、個で動くことが多かったんですが、最近、小さいながらもプロジェクトのディレクションをやっていて、やっぱりチームでやる楽しさのほうが好きだなぁと思い出してしまいました。

種火からのあの達成感をまた味わいたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?