現代での【整理整頓が含まれている片付け】と【物を大切にする】という事を子どもに伝え身につけてもらう方法は限られている。というお話

※前半は保育園選びのポイントに繋がる話であったりで少し長いので、方法だけを知りたい方は大きく【解決策】と書いてある場所まで飛ばして下さい。

 100円均一ショップやファストファッションが流行る前の時代では、まだ日本では【物を大切に使う】という考えが大人の中で主流でした。
しかし、100円均一ショップやファストファッションのお店が至る所にでき、インターネットで手軽に買えてしまう現代では、大人が【物を大切に使う】という意識が薄れ、《安いからすぐ捨てる》《安いから壊れても平気》《安いから大事ではない》などの認識に無意識でなってしまっている。

そんな大人たちですが、子どもに対しては違います。『おもちゃを投げない』『壊したら次買ってあげないからね』『絵本破ったらダメよ』『物は大切にしなさい』と子どもに言いますよね?

大人が普段から物を大切にする意識を常に持っている場合、どう伝えていけば物を大切にするようになるのかが最初わからなく手探りであったとしても、やっていく中で答えに気づき子どもも物を大切にする事が身に付きます。

しかし、今の日本は、経済は悪化する一方、物価が上がる一方、収入が上らない一方で、どうしても安価なものに頼り安価なもの故に雑に扱う環境になっている人が大勢います。

そして残念な事に、技術の急激な進歩により、色々な物が簡素化されていく中で、子ども時代に整理整頓を習得出来る機会自体が減ってきているという現実もあります。しかし、大人になってそれらが不要なのかと言えばそうではありません。

おもちゃの片付けは、お家で箱にだた入れるだけになりますよね?これは今の保育園でも見かける景色です。お家の絵本は取り敢えず本棚に入れさえすれば良いになっていますよね?これも今の保育園でよく見る景色です。

実際、色んな保育園に勤めてきましたが、5歳児になっても物を大切にした片付けが出来ている園は多くはありませんでした。

一般家庭と保育園が同じことしかしていない、これはとても問題なのです!

今、家庭だけでなく、保育園でさえも、物を大事に扱い大切に片付けるを子どもの教えられる大人が少なくなってきているとても深刻な状態です!

保育園の説明会や普段の保育士への質問などで是非一度、『物の大切さをどの様に普段から子どもに伝えていますか?』と質問して下さい。そしてその後に、保育中の子どもの姿と聞いた内容を照らし合わせて観て下さい。

その園や保育士が口頭で言っている事が事実なのではなく、実際に日常の保育で行われている事が【事実】ですので。

確認作業をした結果、丁寧な保育をしてくれている保育園であれが安心です。

言っている事とやっている事が違う保育園であれば、問題ですよね?

ただ、今までの記事でも書いてきている事なのですが、保育園でしっかりと子どもに伝えている良い事をご家庭で行わないのは、これはこれで意味が無いとまでは言わないにしても、意味が半減してしまう事は間違いありません。そして、その事によってご家庭での子育ての大変さが軽減しない確率はとても上がります。

それって、どの保護者の方も望んでいませんよね?

ではここから【解決策】を書いていきます。

【おもちゃを箱に取り敢えずまとめて入れる】これは良いというより、今の家庭事情でそうしか出来ないという事もあり、そのままでも問題ないです。ただ【必ず投げずに音が鳴らない様に優しく箱に入れる】という事は常に伝えて下さい。

現代社会の中で、一般家庭の保護者でも、保育園の保育士でも、必ず行い子どもに伝えていかないといけないのは

【絵本を整理整頓しながら大切に本棚に片付ける】
という事なんです。

現代社会では、色んな物がどんどんデジタル化しペーパーレス化しています。だから、この話を見た時に『いずれこの子たちが大人になる頃には紙なんてほとんど無いのだから意味がない』と思う人も一定数いるかもしれません。しかし、それはズレた認識です。

現代社会において、先が見えない経済悪化の日本において、【物を大切にする】上で必要な思考力や手先の感覚や動きを身につける事に優れている、日常の生活の中で行える機会の1つが【絵本を整理整頓しながら大切に本棚に片付ける】なのです。

他にも方法はあるとは思いますが、私がお勧めするのはこれなんです。


※画像引用 https://shop.gyosei.jp/user_data/process

画像にあるように、本には色んな名称があるのですが、この話で必要なのは【おもて表紙】【裏表紙】【背表紙】と名称ではありませんが【天地(上下)】の4点だけです。

絵本を本棚に整理整頓して片付けるには、本棚の種類によって違うのですが、
①【背表紙】【天地(上下)】の2点を整える
②【おもて表紙】【裏表紙】【天地(上下)】の3点を整える
の2パターンです。

※画像引用 https://iko-yo.net/facilities/173151/attractions/15460

画像の右の本棚であれば①、左の本棚であれば②となります。
左の本棚が1歳児・2歳児、右の本棚が3歳児以上に合っています。

①もしくは②のポイントを片付け方を伝える時に、丁寧に伝えましょう。
そして本は紙で出来ている訳ですから、雑に扱うとシワや破れが出来、決して元々の綺麗な状態には戻せないという事、そうならない為には優しくどの様に片付けたら良いかも一緒に伝えましょう。

そレラをした上で重要なのが、【日常的に見られていなくても出来る様になるまで、最初は毎回片付けに一緒に付き合い見守る】という事です。

この時に大人がしてはいけないNG行動
①間違った時に『違うでしょ』とだけ伝える
②間違った片付けをした時に、それを大人が無言で修正し片付け直す

①②共に『違うでしょ』だけや無言などではなく、優しく『あれ〜?これだと楽しいお顔(表紙)が見えないね?』や『あれ?これ逆さになっちゃってない?』など、注意ではなく、楽しく会話しながら、本を大切に整頓しながら片付ける事を促し【自分で修正】してもらって下さい。大人が言いながら修正しても子どもには身に付きにくい、または身に付きません。子どもの中には、間違っても大人に修正してもらえると決め込むという意識になり、しないまま本を入れる癖がついてしまったという事例も沢山あります。

監視する目、間違い探しの目で見守るのではなく、あくまで一緒に楽しむという気持ちで行って下さい。

【物を大切にする】に直接関係していないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、片付けるを丁寧に出来るという事は、物をどういう風にすると傷つくのか、壊れてしまうのかも自然と考えられる様になってきます。
勿論これだけで全てを大切に使える様になるわけではないですが、ベース作りとしてはとても良いのです。

最初は手間が掛かるとは思いますが、身に付きさえすれば、結果だけ毎回褒めてあげるだけで子どもは達成感を大きく得られますし、大人も子どもの事に手が掛からなくなり、大切にする・大切に使う事も身についていきます。是非取り組んで見た下さい。


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