白菜は調子に乗った。

白菜がたべたい。今すぐ白菜じゃなきゃヤダ。白菜がないと死ぬんじゃないかしら。白菜、キミが欲しい。白菜のことしか考えられない頭になったので、デカイ白菜を買った。一個で500円くらいするから高いなあと思いつつ、渇望する対象に貢ぐのは悪くないと思う。ホントはゴボウにもレンコンにも浮気したい。けれどドイツのスーパーにはないのである。白菜もないんじゃないかと不安になった。無事、あった。最後の一個!ドイツ語で白菜がわからなかったのだけど、Chinakohl(中国のキャベツ)と呼ぶらしい。スーパーで電子辞書を出して調べたんだから確かだ。正真正銘の白菜でなければ私が救われない。白菜をぶしぶし切って、鍋に放り込んだ。大鍋に溢れた。化けの皮を剥がしたように、膨れた。くどくてもう見たくもない。愛するものに依存してはならないと自分の胃をもって思い知った私は、寮室の近い友人にデカイ白菜のデカイ半分をどっかりあげた。

偏差値-3那由多レベルの文章しか書けないのは、今日は白菜ばかりしか食べていないせいである。



#エッセイ #食 #ドイツ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?