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メイド研究者による「メイドの日」に見たいアニメ10選(2020年版)

5月10日は「メイドの日」と呼ばれて久しくなります。そこで、「メイドの日」に見ておきたいアニメをPrime Videoやdアニメを中心にご紹介します。メイド作品自体は多いので、私の中でのおすすめを抜粋しました(網羅性は目指していません)。また、「メイド回」がある作品は、別に書きます。

※ヘッダー画像は『エマ』8巻の限定版です。
※Prime Videoは今見たところ、1話目のみ無料が多いです。

01. 『エマ』

日本で「英国メイド」を主役とした作品『エマ』。著者の森薫氏の「メイド大好き」っぷりが伝わってくる原作漫画のアニメ作品です。英国ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に、元女家庭教師(ガヴァネス)の家で働くメイドオブオールワークのエマと、そのガヴァネスの教えを受けていたジョーンズ家長男ウィリアムが出会い、身分違いの恋に落ちる物語です。

原作では、エマとウィリアムの物語は7巻(+10巻最終話)で完結しており、8-10巻はそれまでの登場人物やメイドやヴィクトリア朝を舞台にした様々な短編の連作が続いており、こちらも超オススメです(このパートはアニメ化していないので、アマゾンかNetflixにアニメ化希望)。

以前までPrime Videoの対象になっていたのですが、現在は対象外で有償での視聴となります。

なお、アニメのBGMも素敵なことで知られており、amazon musicに入っています。CDはプレミア価格になってしまっているので、聞き直したい方はこちらをおすすめです。

『エマ』の感想はこちらにまとめていますので、あわせてどうぞ。


02. 『まほろまてぃっく』

両親を亡くして一人暮らしをする少年・美里優の家に、ある日、「家政婦協会」から派遣されてきたというメイドさんが、安藤まほろでした。「日本のメイドさん」という言葉で想像する「メイドさんイメージ」を体現する作品であり、個人的には一番「日本のメイドさん」っぽいと思います。

この「家政婦協会」や「市原悦子」さんの名前が出るなど、連載開始の時期に『家政婦は見た!』のドラマ化があったことの影響も作品内で伺えます。漫画1巻はKindle Unlimited対象になっているようなので、無料で読めます。

浴びましょう。


03. 花右京メイド隊

遺産を相続することになった少年・花右京太郎は、新しい屋敷で大勢のメイドに囲まれた暮らしをすることになる、という展開の少年漫画です。メイドに様々な役割があり、その部署ごとに制服が違っていたり、大勢のメイドが勤めていたりと、とにかく「大勢のメイドに囲まれる」設定です。ただ、その中でも個性豊かなメイドが登場しています。

副読本などでは声優がメイド服コスプレをしており、かなり初期のメイドイメージ形成にも寄与したと思います。

以下、amazonはすべてdアニメへの誘導のようです。


04. これが私の御主人様

お金持ちの主人公・中林義貴が、家の中の高価な家財を壊した同級生の沢渡いずみ・沢渡みつきの姉妹を、借金返済のためにメイドにします。この作品は主人公がメイドマニアであり、かつ読者とのやりとりを取り込んだり、メイド喫茶に行ったりと、かなり双方向的な作りにもなっていました。

あと、メイド服が、他の作品にないぐらいに露出が多く、かつコスプレ人気もあったものでした。今ならば、『Re:ゼロから始める異世界生活』のメイド姉妹・ラムとレムぐらい人気があったと思えます。


05. 『それでも町は廻っている』

石黒正数氏の原作コミックのアニメ化作品で、物語自体は普通の町の商店街の喫茶店シーサイドが、話題性があるメイド喫茶に変わり、メイド店員として主人公の嵐山歩鳥や同級生でメイドに造詣が深い辰野俊子が加わる、という話です。「メイド作品」というよりは、あくまでも「女子高校生の歩鳥」が主役の日常劇・学生生活がメインで、メイド喫茶パートはその一部でしかありません。

個人的には最もオープニングとエンディングで、「メイド服が映える」演出をしている印象的な作品ですので、何はともあれ第一話を見ましょう。

Prime Video 1話無料 


06. 会長はメイド様!

生徒会長の鮎沢美咲がバイトをしているところが「メイド喫茶」で、秘密にしているそのバイトを、同じ学校の男子生徒・碓氷にばれてしまい、ふたりの距離が近づいていくという少女漫画の王道的展開です。

この作品は学園とメイド喫茶が舞台として両立しており、メイド喫茶の店長や同僚たちとのエピソードや、執事喫茶が出たり、さらに先々には本物の英国メイドや貴族が出てくるなど、少女漫画要素が盛りだくさんです。

07. 『仮面のメイドガイ』

「メイド服を着ていればメイドである」ということを体現する作品です。「メイドガイとは?」との問いかけは無意味です。

オーソドックスにメイド作品にある構造を守り、「遺産相続で狙われるお嬢様を守るためにメイドがくる」のですが、2名のメイドのうち1名が、筋骨隆々な仮面をつけたメイドガイでした。

個人的に面白いので好きです。主人公の弟や、祖父がメイドマニアで、「メイドマニアがいる」作品でもあります。


08. アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者

異世界と現代日本が繋がる作品で、その異世界に「オタク」概念を持ち込み、普及させていく役割を担う主人公・加納慎一。その彼に仕えて、日常の世話をしたり、現地の事情を教えたりする役どころとして、表紙のメイドの少女・ミュセルが登場します。

異世界作品とメイド作品の相性は良く、少し前にありらいおんさんに「小説家になろう」でのメイドキーワードの調査依頼をしましたので、こちらもどうぞ。


同様の異世界へ行く作品では『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』や『オーバーロード』、『Re:ゼロから始める異世界生活』などもメイドが作品世界にいます。特に『Re:ゼロから始める異世界生活』では、主人公を助けるメインキャラクターの一人としてメイドのレムが挙げられますし、その後、いろいろメイドが出演します。

最近の作品では、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』でも脇役として、目付役としてメイドがいますね。


09. 少年メイド

『仮面のメイドガイ』に体現される「メイド服を着れば、メイドである」と重なるように、「少年であり、メイドである」作品です。

母と二人暮らしをしていた小学生の小宮千尋は、母を亡くした後、叔父の鷹取円の家で暮らすことになります。家事万能の千尋は叔父がデザインしたメイド服を着て、居場所を見つけていきます。このメイド服が非常に特徴的で、スカートではなく、ズボンへと手直しされています(原作では「家政婦長」として紹介するコメントあり)。


10. 小林さんちのメイドラゴン

普通の会社員・小林さんが、酔っ払った帰り道でドラゴンのトールと出会い、彼女の窮地を救います。恩義を感じたトールは小林さんの願いを叶えるべき、人の形でメイドさんとなって仕えて、メイドさんがいる日常生活が描かれていく作品です。

作品内で小林さんはメイドマニアであり、同僚の滝谷真とメイド談義をしたり、小林さんが引き取ることになる幼女カンナの同級生の姉がメイドマニアだったりと、作品内にメイドマニアがいる作品でもあります。

見ていて楽しい作品です。

なお、『小林さんちのメイドラゴン』アニメ化記念に書いた「擬人化・人外のメイド作品考察」をこちらに記したので、こちらもどうぞ。

この後は、メイド回や、ドラマなども書こうと思います。

「メイドの日」に向けては、こういう記事も公開中です。

私自身は、こういう研究活動をしています。



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