NPOからの発信1

社会的な調査研究費が潤沢でないなか、既存の日本社会のあり方やこれまでの継続的な社会調査ではない、マニアック/ニッチな社会課題に取り組むNPOにとって、目の前にある諸問題をマクロ的な統計で表現することは簡単ではありません。一方、自分たちの把握/抽出できるデータも大きくはない(母数が小さい)から役に立たないということでもありません。

1. 独自調査には価値がある

母数が10であっても、そこから得られる示唆は社会にとって大変重要です。特に、なかなか取りづらいものであれば、偏ったイメージを少しでも修正していくことに役立ちます。一年間に10であっても、10年やれば母数は100になります。独自調査の価値は、誰も把握できないことを「私たちは把握できています。こういうことになっています」というところにあります。もし量的調査が難しければ、質的調査でも十分ではないでしょうか。

2. 中立性を担保する

NPOがNPO独自の調査を単体で出すときのリスクは中立性の確保です。どれほど統計的に処理しても、文章に起こすとなればバイアスがかかります。仮にまったく中立的なものとして表現されていても、「自分たちで調べたものを、自分たちで分析・解釈しているんだから、多少なりとも偏るよね」と言われてしまえば、その可能性を完全に排除することは困難です。

だからこそ、僕はアカデミア(研究者)の力をお借りすることがよいと思います。著名な方でなくても、自分の対峙する課題に関心を持つ研究者(院生などを含む)はいるでしょうし、仮に分野が異なっても分析をして、見解をもらうことは不可能ではありません。できることなら、「何を明らかにしたいのか」まで詰めておいて、調査設計をする前から相談をすると、よい知見が得られます。

3. 資金調達

調査研究そのものにかかる資金はピンキリです。かけようと思えばいくらでもかけられますが、自分たちの人件費(協働研究者を含む)を切り詰めたり、アウトプットにコストをかけない(製本するなど)ことも可能です。その上で、助成金や研究助成、クラウドファンディングなどで最低限の資金(特に交通費)を調達もできます。自己投資ができれば一番ですが、難しい場合は社会にある数々のNPO応援資金を活用するのがいいと思います。

調査研究が直接的なお金に変えることは簡単ではないという印象がありますが、研究の成果が社会的な価値に変わっていく可能性は大いにあると思います。ここらへんも、今後、具体的にやってみたことを書いていきたいと思います。

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