映画『グリーンブック』を観て
黒人のピアニストが受ける人種差別と、白人ドライバーの人種を超えた友情を扱った映画で、高い評価を受けアカデミー作品賞を受賞することになったのだが、それと同じぐらい(あるいはそれ以上に)批判を受けた作品。
批判のポイントは、黒人差別というものを単純に描いていること、また、あくまでも白人視点の物語で、白人のヒーローが(自分たちが差別している側にも関わらず)問題を解決するということなどがある。
このあたりは黒人差別を直接体験していない私たちには分かりづらい部分もあると思う。個人的には少し単純な話だなとは思ったけれど、題材も面白いし、俳優の演技が素晴らしく良い映画だなと思った。
黒人のピアニスト役にはマハーシャラ・アリ。本作品でアカデミー助演男優賞を受賞した。未見だけど『ムーンライト』でも同じ賞を受賞している。現実の差別をある意味諦めとともに受け入れているが、ドライバーのトニーとの交流を通して人種を超えた理解や友情が生まれるところをよく演じている。
ドライバーのトニー、イタリア系?白人を演じたのはヴィゴ・モーテンセンで、個人的にはアカデミー主演男優賞を受賞しても良いぐらいの素晴らしい演技だった。ただ実際に受賞したのは、『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック・・・相手が悪かった(笑)。役作りがすごくて『ロード・オブ・ザ・リング』の精悍な姿が同一人物とは思えないぐらいに、太ってコワモテの元用心棒的なイタリア系アメリカ人を完璧に演じているなと思った。ネイティブでない自分には分からない部分もあるが、おそらく発音なんかもかなり寄せてきているんだろうと思った。
ラストがかなりハリウッド的お約束感があり、たしかにここを観て「(白人主体の)ご都合主義、責任逃れ」的な批判はやむを得ないのかなとは感じた。ただ脚本的にあういう終わり方しかできないよな、とも思った。
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