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映画『岬の兄妹』を観て

映画館を出て目眩を覚えるぐらい、圧倒された。ただただ「凄いものを観てしまった」という思いだけが残った。

田舎の海町で暮らす貧しい障害者の兄妹が(兄は足に障害を持ち、妹は自閉症ま)、売春して生きていくという話。題材で分かるように重い話なのは間違いなく、展開もやるせない。貧しく庇護者もなく、さらに障害もあって仕事がない、どころか日常生活さえ満足に送れない人間が生きていくという事はどういうことか、まざまざと見せつけられる。

でもこの作品はそうした問題提起をしたいのではなく、むしろ、人間のしたたかさや生きる強さみたいなところを描きたいのかなと感じた。酷い事件や状況の中でも、全編とおしてこの兄妹の明るさとか、前向きさとか、おおらかさみたいなものが伝わってくる。特にこの兄妹は、親も含めた周囲の人間や、自分の置かれた境遇、格差や福祉の欠乏みたいなことに、一切恨みがましいことを言わず、ただ今日を生きていくというところに、制作の表現したいところが現れているのだろうと思った。

演技は何と言っても、自閉症の妹を演じた和田光沙。まったく知らない俳優だったけど、こんな俳優がいるんだと思わざるをえない。

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