「私はヨーコ JAL17期生」
現在は廃止されているが、1950年から60年にかけて、つまり私が乗務していた時代、「日付変更線通過記念証」や「赤道通貨記念証」なるパンフレット状の書類が、太平洋線で乗客に配られていた。
特に意味があるわけではない。お遊びである。
50年代は文字が印刷されているだけの素っ気無い紙切れだったが、私が退職したあたりから、七福神の絵が描かれた楽しいものになっていたらしい。七福神といえば船に乗っているが、飛行機もまあ、空の船のようなものである。
通過記念証なるもののルーツは客船にあったというから、それをそのまま空にも持ってきたのだろう。船での習慣は飛行機にも適用されているものが多い。
船を正面から見た時右側に赤いランプを左側に緑色のランプがついているが、これも飛行機にも適用されている。船の場合、すれ違う時にぶつからないようにする用心のためだが、飛行機はそこまで近寄らないので意味はないのだが、これも船の習慣がそのまま適用されているケースだ。
記念証が配られることはタラップを上がる前には知らされないから、手にした客は「へえ、こんなものが・・・。いい記念になりますねぇ」と喜んでいた。
で、今でも手に入るんですよ。
どこでって、ホラ、なんでも売られるあれです、ネットオークションでです。
北極通過記念証も売られているらしいです。私は現役時代に見たことはありませんが。