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窪田製薬ホールディングスの研究開発

こんにちは。
窪田製薬ホールディングス広報の市川です。

窪田製薬は、”世界から失明を撲滅する”ことをミッションとし、目に関わる創薬、デバイス開発を行っています。創業者の窪田については(こちら)にまとめてありますのでご覧ください。

創薬業界は、専門用語も多く、一般的にわかりにくい業界であることから、このブログでは、できるだけ噛み砕いた情報を発信していきます。少しでも窪田製薬の開発に興味関心をお持ちいただければ嬉しい限りでございます。
(正式なリリースや最新情報はコーポレートサイトをご覧ください。本サイトではあくまでも既に発表した情報をまとめてお伝えしております。)

窪田製薬の開発について

窪田製薬は様々な目の疾患に関する開発を進めていますが、現在の窪田製薬の主な開発パイプラインは以下の3つです。

⑴エミクススタト塩酸塩(以下、エミクススタト)開発
エミクススタトは、スターガルト病という病気の治療薬候補として開発しています。スターガルト病とは、遺伝性の病気で、早い人では学童期から発症する病気です。

現在、スターガルト病の進行を抑制する治療法は存在しておらず、対応が急がれています(2015年には厚生労働省から難病認定されています)。希少疾患と呼ばれる、患者数の少ない疾患で、欧米では8千人から1万人に1人、日本には約1万5,000人の患者がいます。通常、メガネを掛けた状態での視力低下により発見されることが多く、目の中心部が見えづらいと訴えることもあります。病気が進むにつれて、眼底の黄斑部が萎縮し、網膜の広い範囲に障害が起き、視力の低下や失明する恐れがあります。

従来の眼底治療では、主に眼内注射が用いられます。目に直接注射器を刺すことに対する不安から、治療を受けることに抵抗のある方も多い中で、窪田製薬のエクスタミストは、飲み薬です。1日でも早く、精神的負担も少なく、治療を受けることがでできるよう臨床試験に取り組んでいます。

エミクススタトの開発は、2018年11月に最終フェーズ(フェーズ3)の開発がスタートしました(スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の臨床第3相試験開始)。また2017年1月には米国で、2019年6月には欧州で、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定の通知を受け、開発に向けた国の支援や、10年間エミクススタト開発の権利を独占できることになりました。

⑵網膜色素変性治療薬の開発

網膜色素変性症とは、世界で4,000人に一人、日本では約5,000人に一人が発症する希少疾患です。世界では、約150万人が罹患し、失明する恐れがあります。こちらもスターガルト病と同様に遺伝性の病気で、現時点で有効な治療法はありません。スターガルト病との違いは、目の周辺から見えなくなっていき、最後に中心まで見えなくなってしまう、外側から内側に向かって見えなくなる病気です。幼少期に視力低下が進行するケースでは、40歳までに失明する可能性があります。

オプトジェネティクス技術
網膜色素変性症の治療薬開発には、オプトジェネティクス技術という技術を応用しています。オプトジェネティクスとは、本来、細胞が出す「痛い」「暑い」などという信号をマッピングしていくために開発された技術です。
目の中の、光を感じる細胞が死んでしまってた時に、生き残っている細胞に、「光を感じる力」(ロドプシン)を与えることによって、視力を再生・再獲得させることを目指しています。

窪田製薬のロドプシンはヒトが本来持っているロドプシンを使用するため、安全性が高いことが期待されています。2020年からは、臨床に使うロドプシンを大量合成して、安全性を確認した上で、2021年に最初の臨床試験を開始することを目指す方向で進めています。

⑶医療用デバイス開発(PBOS)
高齢化
とともに、加齢黄斑変性をはじめとする失明の原因となる疾患の患者は増加しています。現在の網膜疾患の治療には以下のような課題があります。

・薬価が1本約15万円と高額であること
・繰り返しの投与が必要であること
・適切な投与タイミングが患者ごとに異なること
・適切な治療には網膜の状態をタイムリーに観察する必要があること

網膜の観察には、画像診断装置である光干渉断層計というデバイスが用いられていますが、全ての眼科病院で観察ができる訳ではありません。デバイス自体が3,000万円程であること、デバイスを扱う為の専門知識が必要であることが要因であまり普及していません。

”安価で、ポータブルな測定器があれば…”

窪田製薬の開発している小型デバイスソリューションPBOSは、簡単操作で患者自身で網膜の測定ができるデバイスを目指しています。低コストで在宅検査が可能なデバイスにより、タイムリーに眼疾患の進行を観察し、適切な治療へと繋げていきます。

測定したデータはインターネットを介し、専門医に送付。低コスト眼科医療モニタリングデバイスとして、眼疾患の進行を検知し、定期的な通院などの医療負担を軽減させます。

2019年3月からは、アメリカ航空宇宙局NASAとの共同開発も進めています。
PBOSは臨床試験を完了し、承認および認証を目指しています。

さいごに。

窪田製薬の大切にしている世界観を動画にしましたのでご覧ください。

これからも、失明のない世界の為に日々精進してまいります。
お読み頂きありがとうございました。

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