久保田唱

企画演劇集団ボクラ団義という劇団を主宰しております。自劇団の全作品を脚本・演出担当する…

久保田唱

企画演劇集団ボクラ団義という劇団を主宰しております。自劇団の全作品を脚本・演出担当する他、映画『ゆずりは』の脚本を担当するなど、外部へも作品を提供。 ケータイ等で気軽に楽しめる何かを作っていけたらと思っております!読んで頂けましたら幸いです。

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『タシカメ』 あとがき的な記録

 いつもは舞台、もしくは映像の脚本を書かせて頂くのが主なので、小説という分野からは少し離れている私ですが、  実は全くの初めましてではなく、お仕事として以前書かせて頂いたことがあり、書き始めから書き終わりまでとても自然に、そして楽しく書かせて頂きました。  以前お仕事で書かせて頂いた小説については、久保田唱(こちらが本名なのですが)の名前で執筆しておりませんので、探しても見つけられないのではと思います。あまり探してほしくはないのが本音ですし(苦笑)。もしも文体のみで、これ

    • 連続小説『フィーリング ヴォイス』

       決して嫌いではない。むしろ、とても興味はあるし、どちらかと言うと好きな世界。そんな複雑な気持ちになる世界が誰にでもあるかはわからないが、俺にとって今向かっている場所は正に、そんな場所だった。 「おい、圭介。せっかくだから楽しめって」  隣に座る正志が、スマホを片手に俺に話しかけてくる。 「勿論、来たんだし、楽しもうと思ってるよ」  俺は正志の言葉に答えるが、明らかに生返事なのはバレバレだろう。 「お前、予想しねーの?」 「予想?」  正志は、そう言いながら俺に

      • 短編小説『タシカメ』 後編

        (前編よりの続き)  女学生の沈黙は少しの間続き、その次に出てきた言葉はとりとめもない質問で、話題はすっかりすり替わっていた。  僕も僕で、何か探してるなら見てこようか? と聞くことも出来たが、それはしなかった。  女学生からの質問は、「何年生?」から始まって、「学校は楽しい?」や、「勉強好き?」など、これがいわゆる世間話というやつかという、まさしくとりとめもない内容だったが、僕は今までそのような質問をされるとしたら親戚の集まりの席で、はるか年上のおじさんおばさん達くら

        • 短編小説『タシカメ』 前編

           「でも、必要なかった」  妙に自分の中に残っている言葉というのは、誰にでも一つはあるんじゃないだろうか。私にとっては、“それ”が子供の頃から何かにつけて頭の片隅にある言葉だった。  子供の頃の私は、友達と呼べる存在がいなかった。勿論義務教育である小学校には通っていたし、テレビの特集番組で時々見る、過疎化が進んだ地域の「全校生徒の人数が一桁」というような特殊な環境だったわけでもないから、クラスメイトは沢山いたし、学校に行けば「おはよう」と言葉を交わす相手はいた。  だが

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          画像に意味はありません(笑) 物語を作るのが昔から好きで、今は舞台作品の脚本を書かせて頂くことが多いですが、その範囲に関しては昔からあまり拘りはなく、映像の脚本を作らせて頂いたこともありますし、漫画やゲームシナリオ、そして小説。いろんな分野で作品を描きたいと思っていました。 作品を描くということに於いて、分野は一つの垣根だとは思いつつ、大きな場所は一緒で。でも、表現の仕方や、表現できることというのは分野ごとに異なります。 映像作品特有の表現は、舞台演劇で見せるのは中々難

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