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記述式試験の採点に関して

今月12/20に令和元年の高度情報処理技術者試験の合格発表がありました。

私は診断士の延長でITストラテジストの試験を受験しましたが、残念ながら結果は不合格でした。
何度目かの受験になるのですが成績照会の結果、過去と同様午後Ⅱの論文がB評価であったため今回も不合格となってしまいました。
ITストラテジスト試験は午前Ⅰ、Ⅱの選択式試験と午後Ⅰ、Ⅱの記述式試験の4試験の組み合わせとなりますが、最後の午後Ⅱの記述式論文試験で合格判定をもらえなかったことになります。

さて記述式試験といえば最近報道などで大学入試共通テストへの導入が話題になりましたが、今回はその問題点を情報処理試験、および診断士試験と比較して考えてみたいと思います。

各試験概要

各試験の報道内容、および正式発表の統計情報から簡単に試験規模を整理してみると以下の通りとなります。

大学入試共通テスト
 受験者数 約50万人 採点期間 約20日
令和元年診断士二次筆記試験
 受験者数 5954人 採点期間 約1.5か月
 補足:筆記試験合格 1091人
令和元年情報処理ITストラテジスト
 受験者数 4938人 採点期間 約2か月
 補足:758人合格 午後Ⅱでは最大3600文字の小論文

考察

診断士二次試験の筆記試験とITストラテジストは受験者数5000人前後で比較的受験者数など規模が近い試験ですが、それでも1.5~2か月の採点期間を設けています。
それに比べて大学入試共通テストのほうは100倍規模の受験者の答案を半分以下の期間で採点しなければならないということになります。

半分の採点期間で100倍の答案の採点を完了させるためには、単純に計算すると診断士試験の200倍の数の採点者を導入しなければならないことになりますが、一部報道によればアルバイトを含む8000~1万人の採点者を予定していたとのことです。逆に考えると診断士二次試験の採点は40~50人程度で実施している可能性があるとのことですが、その程度の規模でさえ採点品質に関する疑念が受験者の間で生まれているのに、大学入試共通テストでは採点品質を担保するのはさらに難しいと言わざるとえないと思います。

今回は各種報道で批判された結果記述式試験の導入が延期されることになりましたが、導入の意義については個人的に異論はありませんので、本格的に導入を検討する際には十分に議論していただき採点精度、正解・不正解判別の統一性問題を解消するめどをつけてから導入に踏み切っていただきたいと思います。

最後に

企業内診断士チームブログもこれが今年最後の連載となります。年明けにまたメンバーによる連載が再開しますのでどうぞご期待ください。
それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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