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ブライダル業界の決算からビジネスモデルを読み解く #20代マーケピザ 養成所オンライン

1. ブライダル業界を選んだ理由

今回ブライダル業界を選んだ理由はとても単純ですが、最近自分も結婚式を挙げたからです。と言っても、今回、調べたいずれの企業ではありません。

私事になりますが、今回私は株式会社CRAZYのIWAIで挙げさせていただきました。IWAIさんは従来の結婚式と違った価値観・スタイルを提供しており。そこに惹かれて決めさせていただきました。(とても満足のいく式になりました。ありがとうございます!)

私のことは置いておいて、IWAIのスタッフさんと話しているときに、「結婚式を挙げなくても良くなっている世の中で・・・・」みたいなキーワードがどこかにあったのを思い出しました。

確かに結婚に対しての価値観が変わってきた、そもそも年収の問題から結婚が難しい!など世の中で言われているのを耳にします。それにともない婚姻数は減少し、結婚式についても需要が減っていくことが予想されます。そこから、ウエディング業界はどうやって戦略を立てているのかが気になり、ウエディング業界を見ることにしました。

2.市場を見る

ブライダル業界の市場に対して、全くの無知だったためわかりやすい資料をまずはいくつかピックアップしました。

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(出典:ブライダル総研
見てわかるとおり全国の婚姻数は緩やかではありますがダウントレンドとなっています。2019年の婚姻数(予測)で591,445組となっており、だいたい初婚:再婚の比率は7:3ぐらいです。5年後の2024年には、570,812組となっており約4%減少する見込みです。個人の経済状況などが悪化すれば、さらに減少率が高くなるかもしれません。

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(出典:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 2019年3月期決算説明資料(アペンディクス

次に実際の市場規模を見てみました。結婚周辺を含めると2.4兆円、挙式披露宴のみだと1.4兆円となっています。単純計算になりますが、1.4兆円を挙式平均単価357万円で割ると、年間392,156組が挙式をしていることになります。そして、2019年の婚姻組数(59万で算出)の66%にあたります。3割近い方が挙げていないのでしょうか。再婚の婚姻数と近いため、もしかした相関関係があるかもしれません。

3.企業分析:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(以下T&G)は、国内に67店舗(102会場)、海外・リゾートに22店舗を構えています。ただ相談カウンターの直営店が1店舗しかないため、主な集客経路としては、他社WEB・雑誌媒体(ゼクシィとか)経由が大きそうです。(地方の場合は、挙式会場も多くはないため直接T&Gの会場への相談の割合も大きいかも。。)

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下記は連結のPL資料になります。販管費が前年と比べて大きく増加していないにも関わらず、営業利益が前年対比で2.1%上がっています。

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ブライダル(ウエディング)事業の売上は、国内ウエディングが堅調に成長しています。それを支えているのが、2017年にオープンしたウエディングも行えるホテル(TRUNK)です。1泊3万円後半〜という高価格帯のホテルです。TRUNKは売上ベースでは、昨年の120%の成長を見せています。

実際に今後の経営計画にも、TRUNKはこれからも各地で出店を強化していくという方針が立てられています。またSNSを中心とした集客になっていることから、販管費を抑えつつ売上をあげることができていることが予測できます。このことから、TRUNKは営業利益の成長に寄与していることが考えられます。

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一方、国内ウエディング事業の推移を見てみると、挙式の取組数の伸びによって売上自体は成長はしているが、平均単価の改善に苦しんでいる様子が伺えます。

経営計画を見ても、売上のトップラインをあげるよりはドレスの内製化、運営の効率化をメインとした利益率の向上を目指していることがわかります。

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海外・リゾートウエディング事業は売上は伸びていますが、新店開業費用がかさんでしまい、営業利益が2.1%下がってしまっています。TRUNKの出店が進めば、売上高が逆転しそうですね。その分投資もTRUNKに比重を置かれそうです。

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4.企業分析:ツカダ・グローバルホールディング

まず最初にツカダ社のPLを見て驚いたのが、販管費の少なさです。テイクアンドギヴ・ニーズ社と連結の売上高は大きく変わらないですが、販管費比率が23%がなっています。(T&Gは56.7%)販管費が抑えられている要因として考えられるのが、婚礼会場のリニューアル・修復費が抑えられていると考えます。

ツカダ・グローバルホールディングは大規模なホテルも所有しており、そこでも結婚式が挙げられています。ホテルの場合は、建物のデザイン性などを今の時代のウエディングニーズにあった修繕が難しいため、必然的に建物の修復費が抑えられているという面もあるかもしれません。

ただこれからはゲストハウスウエディングの展開を進めていくという計画もあるため、販管費が膨らむ可能性がありそうです。その回収ができるかが大きな課題になりそうです。

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婚礼事業に関しても堅調に伸びています。楽婚という低コストでの結婚式のを行える事業を持っているのも特徴的です。平均単価は297万円(売上高/施工件数で算出)と市場平均より低くなっています。(昨年は299万円

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そして、事業戦略の中には、結婚式ニーズへの幅広い対応という点で他社との違いが見えました。冒頭で市場をみた際に約3割の結婚式をしない層「ナシ婚層」がいました。(ナシ婚層っていうんですね、初めて知りました。)もし結婚式の費用がボトルネックになっている場合は、楽婚などの需要がこれからも着実に広がりそうですね。

5.企業分析:ワタベウエディング株式会社

ワタベウエディングの特徴としては、専門の相談カウンターを全国に持っていること、主軸のサービスがリゾート挙式であることがあげられます。

事業状況で注目したい部分が、リゾート・国内挙式それぞれ2.6%ほどの挙式組数の増加と記載されています。しかし、2018年の決算説明会資料では、どちらも大きく減少しているため、実質的には伸びではなく回復したというこだと捉えられるのではないでしょうか。顧客獲得が現状の大きな課題だと感じます。

上記の2社と違うところは。単価の増加率が高いところがあります。リゾート婚だけでみると、仮に平均単価を350万円とし9.8%の増加で384万円となります。クロスセルに成功したのか、単純に挙式費用が上がったのかは気になりますね。

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また販管費の比率が上記2社よりも高い数字が出ています。(T&Gは56.7%、ツカダ・グローバルホールディングは23.8%)店舗を多く構えているためその分のコストがベースとしてあるので高くなっているのでしょうか。

またワタベウエディングでも、2017年からナシ婚層への新ブランドがスタートしています。ウエディング自体がリピートするサービスではない(LTVという考え方がないため)1組の獲得にどれだけコストを抑えられるかが課題になりそうです。

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6.まとめ

・市場の状況としては右肩下がり。各社顧客の獲得がより厳しくなる。そのために、ドレス、フォトスタジオの内製化などで利益率の向上を目指すことが各社の戦略に盛り込まれていた。
・結婚式をしない・考えていない「ナシ婚層」へのサービス提供が業界で始まっており、そこの市場を取れるかで大きな分かれ目になる。
・顧客とのコミュニケーション(婚礼へのモチベーションを上げる施策)次第では、ナシ婚層の価格帯から、平均単価ぐらいまで引き上げることもできそう。
・各社、婚礼事業だけでなく宿泊と婚礼がセットでできる施設(宿泊事業)を進めている。

今回調べてみて、各社市場の状況からみても苦しい状況にあるということがわかりました。いずれのビジネスにも言えることだとは思いますが、既存市場で売上が大きく伸びることがなければ、利益率を上げるしかありません。そのためにウエディング業界ではどのようなことを行っているのかが垣間見えて面白かったです。

また個人的には、再婚層の結婚式ってどこもやっていないなあと思いました。もちろん価値観という大きな壁があるとは思います。ブレイクスルーのポイントを見つけられれば、その市場を独占できる可能性もありそうですね。

下は、Googleで「再婚 結婚式」と検索した結果です。Googleのキーワードプランナーでも月間1000〜1万ほどありました。(そのあたり詳しくないから狙い目かどうか教えてほしいです 笑)

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スキありがとうございます!!note書いてよかったです
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91年の新潟生まれ 。渋谷の事業会社でtoC向けのマーケティングやってます。。泥臭いマーケティングの仕事が大好き。独学でPythonとSQLと格闘中。#朝渋 にひっそり生息しています。人生で欠かせないものは辛いもの🌶️
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