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「聞いたことをすぐに描かない」 グラレコに学ぶ、人の話を聞くコツ

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。デザインやビジュアルシンキングをやっています。「グラレコのヒミツ」では、グラフィックレコーディングの実践で気づいた学びを紹介しています。

グラフィックレコーディングを実際にやってみると、議論に追いつけなくなることが少なくありません。そこで、私なりにたどり着いた、話の聞き方をご紹介します。会議のファシリテーションやコーチングなど、グラフィックレコーディング以外の場面でも役立つ考え方だと思います。

▼話の聞き方について、以前投稿した、こちらの記事も好評です。


議論に追いつけなくなるワケ

私がグラフィックレコーディングを練習し始めたころは、「これも大事、あれも描かなくちゃ。あっ、もう次の話してる!」と議論に追いつけなくなることがたびたびありました。似たような経験のある方も多いと思います。これは、大事なこととそうでないことを選り分ける前に、とにかく全部描こうとしてしまうことが、大きな原因のひとつです。あれもこれもと描いているうちに、話についていけなくなってしまうのです。また、ごちゃごちゃした議論がごちゃごちゃしたまま書き出されるので、関係者が見返しても「結局、何の話してたっけ?」と要点がぼやけた記録になってしまいます。

コツは、すぐに描かずに、話のまとまりを意識すること

ではどんなふうに話を聞いて描けばよいのか。そのコツは、聞いたことをすぐに描かない、ということです。意外かもしれませんが、すぐに描いておきたい気持ちをすこしだけ我慢すると、ずいぶんと楽になります。グラフィックレコーディングは、一言一句を正確に記録することが目的ではありません。むしろ、議論の大まかな流れを捉えることが、その価値です。

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人は、同じ話を違う角度から何度も話したり、結論のないまま話し始めたり、主張を補強するための小話をしたりと、いろいろな話をしながら、自分の言いたいことを探ります。「今の話、描いておこう」と思ったときに、すぐに聞いた言葉をそのまま描くのではなく、もう少しだけ話の続きを聞いてみてください。「いろいろ話してたけど、今の話、要はこういうことが言いたかったのか」と、話のまとまりが見えたら、それをひとつのトピックとしてイラスト・図・ことばでまとめましょう。つまり話を聞くときのポイントは、話のまとまりを意識することです。


「本当に言いたいこと」を見抜くための問い

人の話を聞くときに、次のような問いを心の中に持っておくと、「本当に言いたいこと」を見抜くのに役立ちます。

・なぜいま、この話を持ち出したんだろう?
 →話の論理展開を理解する

・違う角度から繰り返し主張していることはあるだろうか?
 →強い主張を発見する

・他の人の意見と同じところ・違うところは何だろう?
 →意見の相違・共通点を見出す

・議題に対してどんな関係があるだろうか?
 →議題への切り口を発見する

ファシリテーションの第一歩

議論に参加できるのであれば、「今の話って、つまりこういうことですか?」と質問したり、描いて見せたりするのもおすすめです。「そうそう、それが言いたかったの!さらに言うとね…」と議論が深まるもよし、「いや、ここはそうじゃなくて…」と理解を修正してもらうのもよしです。これを意識的にやっていくと、ファシリテーションスキルが高まります。

▼「聞かない」を見分ける話の聞き方

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