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フライトミッションをつくってみよう!

皆さん、おはようございます。
空道黎明館のくぼーんです。

本日は、サンプルシナリオを深掘りしていきたいと思います。

空道黎明館では、参加者の皆さんに『シナリオ』を作成してもらい、そのシナリオに沿った『ミッション』をクリアーすることで飛行技術を高めていきます。いきなりシナリオを作成するのは難しいので、はじめての方にはサンプルシナリオをご用意しています。

○サンプルシナリオ
「孫と一緒に花火をしているところを動画に残したい。花火をしている周りを、ゆっくり水平方向に360回転しながら撮影してほしい。」

○ドローンを飛ばす目的とは?

そもそも、ドローンを飛ばす目的は何でしょうか?

くぼーんは、ドローンで飛ぶこと自体が好きなのですが、どうやらそんな風に考えるの変わり者で、世間からは浮いてしまうようです(笑)

「すベてのカモメにとって、重要なのは 飛ぶことではなく、
 食べることだった。だが、この風変りなカモメ、ジョナサン・
 リヴィングストンにとって重要なのは、食べることよりも
 飛ぶことそれ自体だったのだ。その他のどんなことよりも、
 彼は飛ぶことが好きだった。」 リチャード・バック(五木寛之訳)

空道黎明館では、人間形成(中道の実践)を目的としています。簡単に言えば、人生はバランスが大切ですということです。飛ぶことに集中しすぎると、世間から浮いてしますのでほどほどにしましょうというわけです。

そこで、世の中の皆様は、どのような目的でドローンを飛ばしているのか調査してみました。まずは、データから見ていきましょう。

インプレス総合研究所の調査によると、DJI社のMAVICなどに代表される小型機の性能が向上し、手軽に扱えるようになったことで、小型機の業務活用への検討がはじまりつつあります。

サービス市場において、すでに市場が形成されつつあるものは、農薬散布や空撮、土木測量、ソーラーパネル等の設備点検などです。災害調査では、公共だけでなく、損害保険会社の損害査定で活用がはじまっています。

2018年度以降は、インフラ(橋梁やトンネル等)や構造物点検(工場、ビルなど)がより一層進んでおり、ガイドライン策定と並行して、離島や山間部等での拠点間物流や広域調査でのドローン活用が進んでいます。

○飛行目的の分類

国交省の飛行申請では、下記のような飛行の目的が分類されています。

☐ 業務 
 ☐ 空撮(風景・施設の撮影、TV・映画制作、イベント撮影 等)  
 ☐ 報道取材(報道取材 等)
 ☐ 警備(侵入者追跡、工場内立入者監視 等)
 ☐ 農林水産業(農薬散布、松くい虫防除、種まき、肥料散布、生育調査  等)
 ☐ 測量(工事現場での測量 等) 
 ☐ 環境調査(放射能計測、大気汚染調査 等)
 ☐ 設備メンテナンス(プラント保守、施工計画調査、ソーラーパネル管理 等)
 ☐ インフラ点検・保守(道路・橋梁点検、トンネル内点検、河川管理施設の点検、海岸保全施設の点検、港湾施設の点検 等)
 ☐ 資材管理(プラント資材管理、資材の容積計測 等)
 ☐ 輸送・宅配(物資輸送、宅配 等)
 ☐ 自然観測(火山観測、地形変化計測、資源観測 等)
 ☐ 事故・災害対応等(土砂崩れ等の被害調査、山岳救助、水難者捜索、被災者捜索、火災の原因等の調査、交通事故現場検証 等)
☐ 趣味(競技会、スポーツ、レクリエーション、個人的な趣味の飛行 等)

ブルーイノベーション株式会社の熊田社長が、Habitus マーケティング研究会で講演されたときに、下記のような分類をされていましたので再現しました。マトリックスになっていてわかりやすいですね。

未来のイメージとしては、DRONE FUNDさんの漫画が、実に素晴らしいですね!なるほど、イメージはこうやって伝えるのか。

くぼーんも、以前、加西市役所にお伺いしたときに、ドローンで何をやるかについてディスカッションをしました。加西市が取り組まれている『若者主役計画』のフレームワークに沿って考えてみた分類表がこちらです。

○DJI社のミッション機能

目的が定まったところで、その目的を達成するための手段について考えてみましょう。飛行方法には、大きく分けて「遠隔操作」「自動操縦」の2通りがあります。

遠隔操作は、『プロポ』とよばれるドローンのコントローラーを使って、人間が手動で飛ばすことです。

「自動操縦」は、プログラミングで細かく制御する方法もありますが、簡単に飛行を自動化できる『ミッション』という機能を備えていることが多いです。例えば、DJI社の場合は、以下のようなミッション機能があります。

ウェイポイント(Waypoint)
飛行する場所(ウェイポイント)を事前に決めておいて、そのルート通りに自動飛行するミッションです。

ホットポイント(HotPoint)
ホットポイントと呼ばれる特定の点を中心として、一定の半径の円を繰り返し飛行するミッションです。

フォローミー(FollowMe)
一定の高度を維持しながら、航空機に継続的に送信されるGPS座標に従って飛行するミッションです。

アクティビティトラック(ActivityTrack)
ビジョンシステムを使用して動く対象を追跡するミッションです。

タップフライ(TapFly)
ユーザが選択したライブビデオストリーム上の点の方向に航空機を飛行させるミッションです。

パノラマ(Panorama)
カメラを180度または360度回転させて写真を撮影し、ダウンロードしてパノラマをレンダリングするミッションです。

総括すると、以下のようなアーキテクチャになっています。

詳しくは、DJI社のDeveloperサイトをご覧ください。

○サンプルシナリオをつくってみる

それでは、サンプルシナリオをつくってみましょう!「それは、無理やろ!」というものを沢山含まれていますが、まずはアイデアを発散させて、そこから具体的なシナリオに絞っていくというプロセスが重要です。子供になったつもりで、自由に発想してみてください!

業務
 空撮
 ・結婚式の写真を空から撮影する。
 ・七五三のセルフィー写真を取る。
 ・ホテルを全貌を空から撮影する。
 ・プロモーション動画を空撮する。
 ・ケーブルテレビのコンテンツを作成する。
 ・主人公がカラスになったシナリオの映画を作成する。
 ・コンサートを空撮する。
 ・お祭りの屋台練り合わせを空から撮影する。
 ・マイクロドローンで超絶技能を見せつける。
 ・畑アートを空から空撮する。
 報道取材
 ・現場にいち早く到着して、リアルタイム配信する。
 警備
 ・自宅の周りを循環して警備する。
 ・不審者を見つけたら追跡する。
 ・痴漢を見つけら追跡する。
 ・工場内の立入者を監視する。
 ・泥棒を追跡する。
 農林水産業
 ・農薬を散布する。
 ・松くい虫を防除する。
 ・種まきを行う。
 ・肥料を散布する。
 ・稲の生育調査を行う。
 ・鳥獣対策(熱感知+サーチライトで鹿を追い払う)
 ・鳥獣対策(音声で猪を追い払う)
 ・鳥獣対策(近くによって、カワウを追い払う)
 測量
  ・工事現場での測量を行う。
 環境調査
 ・放射能の計測を行う。
 ・大気汚染の調査を行う。
 ・絶滅の危機に瀕しているイリオモテヤマネコの数を数える。
 ・ゴマちゃんの生育調査を行う。
 設備メンテナンス
 ・プラント保守
 ・施工計画の調査を行う。
 ・ソーラーパネルの点検を行う。
 インフラ点検・保守
 ・道路・橋梁の点検を行う。
 ・トンネル内の点検を行う。
 ・河川管理施設の点検を行う。
 ・海岸保全施設の点検を行う。
 ・港湾施設の点検を行う。
 ・屋根(瓦)の点検を行う。
 ・鉄塔・煙突を点検する。
 資材管理
 ・プラント資材を管理する
 ・資材の容積計測を行う。
 輸送・宅配
 ・物資を輸送する。
 ・山間部や離島に宅配する。
 自然観測
 ・火山の状況を観測する。
 ・地形変化を計測する。
 ・資源を観測する。
 ・霧の発生を観測する。
 事故・災害対応等
 ・土砂崩れ等の被害調査を行う。
 ・山岳救助を行う。
 ・水難者を捜索する。
 ・被災者を捜索する。
 ・火災の原因等の調査する。
 ・火災を消火する。
 ・交通事故の現場検証を行う。
 ・AEDを配送する。
 ・救急車を代行する。
 ・震災廃棄物の堆積計算を行う。
 ・血液を運ぶ。
 ・薬やワクチンを運ぶ。
 教育
 ・ドローン教室(JUIDAなど)を運営する。
 ・プログラミング教室を開催する。
 ・ドローンの修理を行う。
 ・3Dプリンターで部品を作ってみる。
 ・ドローンを分解してみる。
 ・シミュレーションで飛ばしてみる。
 ・シニアの脳トレとして使う。
 趣味
 ・マラソンのランナーを追いかける。
 ・車のラリーレースを近くから撮影する
 ・花火をしている姿を回りながら撮影する。
 ・野鳥の観察をする。
 ・ドローンレースを行う。
 ・ドローンハッカソン、アイデアソンを行う。
 ・ドローンカフェの営業をする。
 ・ドローンで魚を釣る。
 ・コーヒーを運ぶ。
 ・傘の代わりとして使う。
 ・500台のドローンで花火を表現する。
 ・ドローン相撲で対戦する。
 ・エアガンと対戦する。
 ・煙幕で空中に絵を描く。
 ・空中で花火をする。
その他
 ・バードストライクの対策を行ってみる。
 ・酔っぱらいを誘導する。
 ・通信の中継を行う。
 ・ウェラブルデバイス(例:アップルウオッチ)で飛ばしてみる。
 ・ハンドジェスチャーで飛ばしてみる。
 ・目の動きを認識して飛ばしてみる。
 ・レーザー給電してみる。
 ・レゴでつくって、コンテストに出してみる。
 ・迷惑なドローンを撃ち落としてみる。
 ・スイスのアルプスを3Dスキャンする。
 ・人工衛星として利用してみる。
 ・水中に潜って海の中の様子を伝えてくれる。
 ・水陸両用で瀬戸内海の様子を伝えてくれる。
 ・スズメバチを退治してくれる。
 ・忘れ物を探してくれる。
 ・田んぼの様子を代わりに見てきてくれる
 ・屋根の様子を代わりに見てきてくれる
 ・電球を取り替えてくれる。
 ・旅行先で、歩いていくのが大変な、階段の上のお堂を参拝してくれる。
 ・犬の散歩をしてくれる。

いかがだったでしょうか。ドローンのような物理的な『モノ』を触ると、アイデアが湧き出してくるので不思議です。小林秀雄が、現在人はモノを忘れていると嘆いていましたが、コトとモノのバランスが大切なのかもしれませんね。

それでは、ご安全に!


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