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グリーン・フィンテックに関連する情報(収集中)

友人から「グリーン・フィンテックって知っている?」とメールがきたのだが、金融やフィンテック分野の経験に乏しかったので調べてみることに。まずは関連する記事や情報を調べるところからやってみた。

グリーン・フィンテックとは? (概説記事)

Webで「グリーン・フィンテック」に関する記事を調べてみると、数は少ないもののGoogleやBingで言葉を定義している記事がヒット。記事から一部引用しながら情報をまとめる。

【金融×SDGs】日本にも必ず来る「グリーン・ファイナンス」とは?注目のフィンテックの活用例も

こちらの記事では以下のように説明されている。フィンテックに環境保護への貢献を追加したとあるが、記事タイトルと文書全体はグリーン・ファイナンスの話が主体となっているので、グリーン・ファイナンスを実現するためにテクノロジーを利用するという文脈で捉えるのがよいかもしれない。

金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた「フィンテック(FinTech)」に「観光保護への貢献」といった要素を加えた「グリーン・フィンテック」が英国を中心に国外で次々と生まれており、このグリーン・ファイナンスを実現させるためのプラットフォームとしても活用されています。

引用元  https://www.computerfutures.com/ja-jp/blog/2021/11/green-finance-fintech/

こちらの記事も一つ目の記事と似た雰囲気で定義されていた。先ほどと同様にグリーン・ファイナンスを支えるフィンテックという雰囲気もあるが、これに加えてグリーン・フィンテックを実現するスタートアップを支援するという文脈も出てきた。グリーン・フィンテック市場を成長市場と見た投資の側面と、エコシステムベースでの競争が始まっているようにも見える。

グリーン・フィンテックとは、金融サービスを革新するフィンテック(金融:ファイナンス、技術:テクノロジー)に「環境保護への貢献」という要素を加味したもので、デジタルネイティブ世代を中心にグローバルで支持を集めているものだ。その展開において先進的な事例として注目すべきなのはスイスが強力に推し進める「グリーン・フィンテック・アクションプラン」だ。スイスは、グリーンデジタルファイナンスのエコシステムを創造し、脱炭素化を推進するグローバルリーダーの立ち位置を目指すビジョンを掲げている。グリーン・フィンテックを手掛けるスタートアップの成長をサポートし、グローバル展開を加速させるハブとなることで、地球規模での脱炭素社会の実現・普及を目指す取り組みである。

引用元  https://www2.deloitte.com/jp/ja/blog/d-nnovation-perspectives/2022/what-is-green-fintech.html

上の記事も含めて考えるとグリーン・ファイナンスと同じく欧州が先行している取り組みと言えそう。

エコシステムによる競争

先ほど引用した記事にもあったように、グリーン・ファイナンスを実現するためのグリーン・フィンテックという構図の中で、そのマーケット全体を含めたエコステムの形成が重要になりそうな気配。

Webで検索していると東京都の記事がいくつか出てきた。いずれもグリーン・ファイナンスに関するもので、その中でフィンテックにも触れられている感じ。

リーンファイナンスに取り組む海外の資産運用業者及びフィンテック企業が新たに都内で事業を開始する際に要する新たな投資に対して重点的・集中的に支援する「グリーンファイナンス外国企業進出支援事業」を実施しています。

引用元  https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/05/13/01.html

東京都もグリーン・フィンテックでのエコシステムを作ろうとしているのだろうか。確かに外国企業向けの支援事業もやっているようだ。

ESG投資という金融市場があり、それを支えるテック市場がある。そのテック市場への投資があって……という入れ子状態になっているのだろうか。
金融市場に明るくないので深い考察はできないので、今度友人に聞いてみよう。

何やら大きな話だということはわかった。ESG投資も絡んでいるので欧州流のレギュレーション戦略の延長上にある話と考えてもよいかもしれない。

「欧州グリーンボンド基準」を設定した目的についても、環境保護をかたる詐欺まがいの行為(いわゆるグリーンウォッシング)を排除するためとの建前はあるが、一方で欧州基準をグローバルスタンダードに仕立て上げたいという本音(野心)も見え隠れする。
実際、2020年時点で世界全体のグリーンボンド発行額のうち半分がEUに集中し、EUがルールメーカーになるのはすでに既定路線とも言える。
資金の集まるところに雇用も収益も生まれやすくなるのだから、EUが熱心になるのも当然だ(もちろん、地球の気温上昇を心底懸念している胸中もあるのだろうが)。

引用元  https://www.businessinsider.jp/post-244489

具体的なアプリケーション

エンジニアとしては具体的なアプリケーションを知りたくなるのだが、あまり具体的なものは出てこない。今のところはESG投資に関連する企業または金融情報の可視化という話が中心。

アプリケーション単体で見ると先ほどのエコシステムを形成するような大きな話に見えない。しかし、企業におけるこうしたアクションが企業自身の資金調達(ESG投資)に影響を与えるとすれば話は変わってくる。データ流通の話が出てくれば当然ブロックチェーンの話も絡んでくる。

やはり、ファイナンスの大きな流れと金融取引や決済のプロセスを切り口にしてどのような動きがあるのか追う必要があるだろう。

マネックスグループ、ブロックチェーンを活用した 革新的な ESG レポーティングを支援

MCI は、今般、シンガポールに拠点を置くフィンテック企業 U-Reg(本社:シンガポール、Executive Director:Florian Dumas)と共に、ブロックチェーンを活用した ESG レポーティングアプリケーションの概念実証(PoC)の構築と実験に成功したことをお知らせします。
 -中略-
この PoC されたアプリケーションの目的は、資産運用会社やプライベートバンクといったステークホルダー(関係者)に対して、透明性が高く不正加工のできない報告ツールを提供し、それぞれの投資のESG インパクトのモニタリングと評価を実現することです。

引用元  https://www.monexgroup.jp/jp/news_release/irnews/auto_20211027418515/pdfFile.pdf

本サービスは、自分の生活によって排出されたCO2の量を可視化し、「1.5度目標(※1)」を満たすための排出枠からどれくらい超過しているか把握できる「現状を知る」機能と、日本の森林保全、省エネ・再エネ導入などの支援先を選んでカーボンオフセットできる「行動する」ための機能を備えています。
また、本サービスはクレディセゾンと同日より提携発行する気候変動対策コンセプトクレジットカード「SAISON CARD Digital for becoz」(以下:becoz card)との連携が可能です。決済データに基づきCO2排出量を可視化できるクレジットカードの発行は国内初(※2)の取り組みとなります。

引用元 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000046062.html 

消費者の間にも日常生活を通じて環境保護へ貢献したいと考える人が増えており、そのニーズに応えるよう、「グリーン・フィンテック」が登場しました。金融サービスを情報技術によって革新するフィンテックに環境保護への貢献という要素を組み合わせた考え方です。
例えば、デビットカードと家計簿アプリを連動させ、交通費や食費といったカテゴリー別に支払いを分類した上で、それぞれの二酸化炭素排出量を可視化するサービスが開発されています。環境保護の観点から日々の消費行動を「見える化」し、消費者の行動変容を促すのが狙いです。

引用元  https://www.quest.co.jp/solution/column/green-fintech/

記事を見ていくと欧州のスタートアップの露出が目立つので、海外の記事を追うのがよいかもしれない。

こうしたグリーンフィンテックのサービスを裏で支えているのが、スウェーデンを拠点とするテック企業であるドコノミー(Doconomy)です。2018年創業の同社はCO2排出量を測定・可視化する技術を開発しており、外部にFloweのようなグリーン活動を行う外部企業に提供しています。

引用元  https://www.sbbit.jp/article/fj/57667

IT企業にはどう見えるか

IT企業にとってグリーン・フィンテックはフィンテック事業の横展開かもしれないし、新しい資金調達の手段(グリーン・フィンテックエコシステムから)かもしれない。
前者の切り口としては「デジタルESG」の話題が近しいように思える。つまり、IT企業にとっては新しい市場=飯のタネともいえるが、アプリケーションやサービス単体で商売するのではなく、エコシステムの形成に寄与することが求められるだろう。

Digital ESG経営管理 | アビーム・コンサルティング

アビームコンサルティングでは、企業のESG/SDGs対応の現状診断・構想策定・開示支援だけでなく、ESG/SDGsと企業価値との価値関連性をデータドリブンで把握するDigital ESG Platformという新時代の経営基盤を提供しています。事例やダッシュボード動画なども掲載しております

引用元  https://www.abeam.com/jp/ja/service_line/fmc/a03_corporate_sustainable_management

デジタルESGとは、ESG経営の各プロセス「戦略策定(リスク要素の洗い出し)」、「実行管理・モニタリング」、「情報開示」 の遂行を支援する情報管理基盤
 -中略-
デジタルESGを活用することで、自社が優先して取組むべき事項 “マテリアリティー”に関連する情報を効率的に収集・分析できる

引用元 https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/mediaforum/2022/forum330_1.pdf?la=ja-JP&hash=971B177BE9DF4793C378A7C62D95CCE1F09B5776
 

まとめ

まだまだ表層的な理解。機会があれば金融の中にいる友人と会話してみたい。

  • グリーン・フィンテックはグリーン・ファイナンスを実現するためのアプローチの一つ。グリーン・ファイナンスをデジタルテクノロジーで支えるビジネス・市場を指す。

  • 海外を中心にスタートアップが立ち上がっていて、エコシステム形成のための競争が始まりつつある。

  • アプリケーション単体でなくグリーン・ファイナンスの動きやグリーン・フィンテックに関するエコシステムの形成状況も合わせて情報を追う必要がある。

※本記事ヘッダ画像は以下の画像を利用させていただきました。
   Gerd Altmann による Pixabayからの画像


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