友人から「グリーン・フィンテックって知っている?」とメールがきたのだが、金融やフィンテック分野の経験に乏しかったので調べてみることに。まずは関連する記事や情報を調べるところからやってみた。
グリーン・フィンテックとは? (概説記事)
Webで「グリーン・フィンテック」に関する記事を調べてみると、数は少ないもののGoogleやBingで言葉を定義している記事がヒット。記事から一部引用しながら情報をまとめる。
【金融×SDGs】日本にも必ず来る「グリーン・ファイナンス」とは?注目のフィンテックの活用例も
こちらの記事では以下のように説明されている。フィンテックに環境保護への貢献を追加したとあるが、記事タイトルと文書全体はグリーン・ファイナンスの話が主体となっているので、グリーン・ファイナンスを実現するためにテクノロジーを利用するという文脈で捉えるのがよいかもしれない。
こちらの記事も一つ目の記事と似た雰囲気で定義されていた。先ほどと同様にグリーン・ファイナンスを支えるフィンテックという雰囲気もあるが、これに加えてグリーン・フィンテックを実現するスタートアップを支援するという文脈も出てきた。グリーン・フィンテック市場を成長市場と見た投資の側面と、エコシステムベースでの競争が始まっているようにも見える。
上の記事も含めて考えるとグリーン・ファイナンスと同じく欧州が先行している取り組みと言えそう。
エコシステムによる競争
先ほど引用した記事にもあったように、グリーン・ファイナンスを実現するためのグリーン・フィンテックという構図の中で、そのマーケット全体を含めたエコステムの形成が重要になりそうな気配。
Webで検索していると東京都の記事がいくつか出てきた。いずれもグリーン・ファイナンスに関するもので、その中でフィンテックにも触れられている感じ。
東京都もグリーン・フィンテックでのエコシステムを作ろうとしているのだろうか。確かに外国企業向けの支援事業もやっているようだ。
ESG投資という金融市場があり、それを支えるテック市場がある。そのテック市場への投資があって……という入れ子状態になっているのだろうか。
金融市場に明るくないので深い考察はできないので、今度友人に聞いてみよう。
何やら大きな話だということはわかった。ESG投資も絡んでいるので欧州流のレギュレーション戦略の延長上にある話と考えてもよいかもしれない。
具体的なアプリケーション
エンジニアとしては具体的なアプリケーションを知りたくなるのだが、あまり具体的なものは出てこない。今のところはESG投資に関連する企業または金融情報の可視化という話が中心。
アプリケーション単体で見ると先ほどのエコシステムを形成するような大きな話に見えない。しかし、企業におけるこうしたアクションが企業自身の資金調達(ESG投資)に影響を与えるとすれば話は変わってくる。データ流通の話が出てくれば当然ブロックチェーンの話も絡んでくる。
やはり、ファイナンスの大きな流れと金融取引や決済のプロセスを切り口にしてどのような動きがあるのか追う必要があるだろう。
マネックスグループ、ブロックチェーンを活用した 革新的な ESG レポーティングを支援
記事を見ていくと欧州のスタートアップの露出が目立つので、海外の記事を追うのがよいかもしれない。
IT企業にはどう見えるか
IT企業にとってグリーン・フィンテックはフィンテック事業の横展開かもしれないし、新しい資金調達の手段(グリーン・フィンテックエコシステムから)かもしれない。
前者の切り口としては「デジタルESG」の話題が近しいように思える。つまり、IT企業にとっては新しい市場=飯のタネともいえるが、アプリケーションやサービス単体で商売するのではなく、エコシステムの形成に寄与することが求められるだろう。
Digital ESG経営管理 | アビーム・コンサルティング
まとめ
まだまだ表層的な理解。機会があれば金融の中にいる友人と会話してみたい。
グリーン・フィンテックはグリーン・ファイナンスを実現するためのアプローチの一つ。グリーン・ファイナンスをデジタルテクノロジーで支えるビジネス・市場を指す。
海外を中心にスタートアップが立ち上がっていて、エコシステム形成のための競争が始まりつつある。
アプリケーション単体でなくグリーン・ファイナンスの動きやグリーン・フィンテックに関するエコシステムの形成状況も合わせて情報を追う必要がある。
※本記事ヘッダ画像は以下の画像を利用させていただきました。
Gerd Altmann による Pixabayからの画像