映画「ファーストラヴ」の感想
はじめに
こんにちは。ヤマンザ子です。今日も今日とて目に気を遣いながら書いていきます。
表題の通り、今回は映画「ファーストラヴ」の感想となります。結論から言うと非常に良かったです。ここから先の内容は、ネタバレだと感じられる方もおられるかもしれません。できるだけネタバレにならないように書いていくつもりですが、まだご覧になられていない方はご注意願います。
また、私は原作を読んでおりません。そういった視点での感想となります。
あらすじ等は公式サイトを確認していただければと思います。予告編も置いておきます。予告編だけでも観てほしい。芳根京子さんがすごいです。
映画の内容に関する注意事項としては、カップルで観ると気まずくなるかもしれません。純愛ラブストーリーとかでは全くないですし。結構踏み込んだなあってシーンもそこそこあるので、そこは気を付けましょう。多分ギリギリPG12を逃れたぐらいかなあと思います。私ですか?一人で観に行ったのでまったく問題ありませんでしたけど?それがなにか?文句あっか?オオン????
感想
特筆すべきは芳根京子さんの素晴らしい演技力だと思います。以前から高い演技力を評価されてきた注目の若手俳優ですが、その本領を発揮して来たなあという印象です。芳根京子さんというのは元々かわいらしい元気な感じの顔立ちで、明るい清純派のイメージですが、それをいい意味で裏切ってくれる好演でした。予告編の芳根京子さんの演技に惹かれて観に行ったのですが、大正解でしたね。
彼女が演じる聖山環菜という女性は喜怒哀楽が激しいシーンが多いので、そこの演技が陳腐だといっぺんにしょーもなくなってしまうリスクを孕んでいます。しかし、さすがは芳根京子さん、一切そういった不安を感じさせない迫力ある演技でした。特に、ふっと不敵な笑みを見せる瞬間や、激しく動揺するシーンなどは聖山環菜の不安定さを的確に表現しているのではないでしょうか(まるで原作を読んでいるかのような口振り)。
この作品は「歪み」をテーマにしているのかなあと思いました。
登場人物のほとんどはそれぞれ「歪み」を抱えています。現実でも人それぞれ、心のどこかに、何かしらの「歪み」を持っている人は多くいると思います。「普通じゃない」、人からは否定的にそう言われる・言われるであろう部分を持っている人がほとんどではないでしょうか。私もそうです。すべてが普通で、なんの歪みも無くまっすぐな人間なんてそうそういないでしょう。そもそも「普通」ってなんやねんという話でもありますし。
そういった自分の中で負い目となっている「普通じゃない部分」、「歪み」とどう向き合い、受け入れていくかという部分に焦点を当てている映画だと感じました。こういう重いテーマの中で、脚本や演出、主演の北川景子さんらを中心に、陳腐化させずうまくまとめ上げているように思います。
作品全体としてのバランスも良く、急に駆け足になったなあとか、このあたりダレたなあといった映画あるあるの違和感は感じませんでした。結末も安易な感じにしない良い落としどころといった感じで、結末が自分にとって不満な作品の時は駄々をこねるガキみたいになる私もこれには大満足です。
ただ、なんでタイトルが「ファーストラヴ」というのかはわかりませんでした。私の理解力が乏しいんでしょうかね。公式サイトによると、ジャンルはサスペンスですし。原作のタイトルと同じなのでちゃんと読めばわかるのかもしれませんが、そこだけは疑問でした。
と、思っていたら原作者の方が真相を語っておられました。なるほどですね。そして女性だったんですね。文学に疎いのがもろばれしてしまいました。アンテナを広く張らねば。
地味に驚いたのが、堤幸彦さんが監督であるという点です。SPECやTRICKのイメージが強かったので、こういったシリアス一辺倒な作品でもその実力を発揮できることに驚きを隠せませんでした。私の知識不足ですね。
まとめ
とにもかくにも「芳根京子」という俳優の真価が十二分に発揮されていました。芳根京子さんを以前から知っていた人も、知らなかった人も、彼女の非常に優れた演技力には感嘆せざるを得ないでしょう。そのために劇場に足を運ぶ価値はあると思います。
私にとって新年初の劇場での映画鑑賞でしたが、それにふさわしいハイクオリティの映画だったと思います。
カップルで観るというよりは、一人で観たり、じっくりと静に語りあったりできる関係の人と観るのがおすすめかなあ。私の中ではかなりの良作です。
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