見出し画像

編集スパルタ塾は「お勉強」ではなく「闘争」の場

2019年3月19日、ひとつの闘争が終わった。少し大げさかもしれないけど、「編集スパルタ塾」を形容するに相応しい言葉を探すと「闘争」のように思う。まだ余韻が残りすぎていて振り返るのは難しいのだが、受講を検討していながら踏みきれない方のためにも記録しておきたい。

編集スパルタ塾で学ぶこと

編集スパルタ塾は、今年の4月9日から7期目がはじまる「日本で一番辛く、日本で一番身に付く編集講座」(公式より抜粋)だ。

「編集」というと、書籍、雑誌、webメディアなどコンテンツパブリッシャーの専門技術だと思われる方も多いだろう。事実、自分もそうだった。しかし、この講座の主催者でもある菅付雅信さんの著書『はじめての編集』(アルテスパブリッシング)を読んで自分の価値観は変わった。

曰く、

「企画を立て、人を集め、モノをつくる」こと

この定義を初めて読んだとき、PRを主戦場とする自分は勇気をもてた。実践できているかはともかく、テクノロジーとしてのPR(Public Relations)は編集の相似形だという確信が得られたのだ。自分がもつPRのスキルを応用すれば編集をすることは可能だし、逆に編集のスキルを身に付ければPRパーソンとしてもっと高みを目指せると思った。

編集スパルタ塾で学ぶことは上記の定義に則り、狭義のメディアの編集にとどまらない。CMの企画、マイナースポーツ普及のためのキャンペーン企画、デザインとAIの関係についての論考、 など対象も領域も多岐に渡る。一見するとバラバラなようだが、一年を通じて食らいつくと上記の定義に収斂していくことがわかるはず。

編集スパルタ塾のシステム

編集スパルタ塾は全24回で、菅付雅信さんによる講義(通称:講義回)とゲスト講師陣による課題と講評(通称:ゲスト回)で構成される。厳しい課題を課されるゲスト回が17回にも及ぶため、大部分がアウトプットの場だ。

講座名に冠されている「スパルタ」の所以は、ゲスト回の仕組みに表れている。毎回出される難解な課題を〆切までにパワーポイント形式で提出し、選ばれた10人程度のみがゲストにプレゼンテーションできる。そのプレゼンテーションを受けてゲストが最優秀賞を選ぶ。そして、それ以外の受講生はいわば「敗者」としてプレゼンテーションを聴くことになる。

私は企画者としての矜持だけを頼りに(何度もくじけそうになったが)課題の提出をしつづけたことで、全てのゲスト回でプレゼンテーションの機会を得られた。各領域のトップオブトップであるゲストの方々から本気のフィードバックを受けられることは、編集スパルタ塾最大の魅力だろう。裏を返せば、プレゼンテーションできなければ得られるものも半減する。いわゆる「お勉強」を期待してインプットを求める姿勢の方には向かない場だと思う。

編集スパルタ塾で得たもの、失ったもの

得たもの
最初に思い浮かぶのは、一年間ともに走り抜けた「戦友」の存在。スパルタゆえに途中で離脱する人も多いのだが、最後までサバイブしたメンバーとは妙な連帯感がある。これは他のインプット中心の講座では得られないものではないだろうか。

次に、「プロ」としての心構え。菅付さんはよく講評で「プロとして」と口にする。文脈としては、酷評するときが主だが。曲がりなりにもPRのプロとしてやってきた中で、仕事のクオリティを見つめ直す機会になった。特にクリエイティブディレクターのゲスト回は自分の詰めの甘さを痛感する講評(というより酷評)で、仕事の「強度」を高める視点を得たように思う。

最後に、「やりきる自信」は最も大きな収穫だったかもしれない。仕事と両立しながらの受講は想像以上にタフ。課題は講義の終わりに発表され、次のゲスト回の前日が〆切と2週間弱のみ猶予が与えられる。仕事の時間を考えると、ほとんど時間がない。それゆえ、企画を提出しない(ドロップする)人が続出する。自分も受講中に独立してからは激務を極め、正直なところ11月以降は納得のいく企画を提出できないことの方が多かった。それでも、一度もドロップせずに及第点のアウトプットを出しつづけられたことは幾ばくかの自信になった。全17回プレゼンテーションできたのは、私とH坂さんという方のみ。我ながらよくやったと思う。

失ったもの
ちなみに、得たものばかりではない。たとえば「根拠のない自信」のようなものは全て吹き飛んだ。なんとなく自分の業務領域で成果を残せてきたこともあり、自信をもち始めてきた年齢だった。しかし、トップオブトップのクリエイターたちと対峙することによって、いかに自分が小さな存在かが身にしみた。これは得たものでもあるかもしれないが、常に自分の仕事の質を疑うようになった。

また、「プライベートの平穏な時間」もある程度は犠牲になった。なにせ課題が難解かつ専門外であることが多いので、とにかくリサーチには時間を費やした。テーマの関連書籍を片っ端からAmazonで注文して読み込んだり、企画の糸口が見つからないときは何時間でも作業場にこもって構成を練り直した。土日は休息ではなく、闘争になる。その分、たしかに世界は広がったのだけど、プライベートを優先したい人は回避した方がいいかもしれない。

最後に

胃を痛くしながら下北沢のB&Bに向かう日々は、振り返ると眩しく思える。熱量の高い他の企画を見て落ち込むこともあったが、ここまで切磋琢磨できる場は他にないのではないか。だからこそ、サバイブした他の受講生たちとは、これからもずっと続いていく関係になると思う。

ちなみに、六期は私が年間最優秀受講者賞をいただいたが、副賞として受講料(12万円)分のB&B商品券がついてくる。実質無料で受講できるので、やるなら1番を目指すことを強くオススメする。久しぶりに賞状(冒頭画像)も受け取って、少し照れくさかった。

本当は最後に印象に残った菅付さんやゲストの方々の言葉や、刺激を受けた同期の面々について記そうかと思ったが、やめておく。サバイブした人だけが享受できる特権として、お楽しみにとっておいてもらえれば。本気の人は絶対に損はしないので、今すぐお申込みを。

ご相談がある方はお気軽にTwitterまで
@ktpr_PR

サポートはプロテイン代に充てさせていただきます。