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脚本家の日常コラム(定期購読マガジン)

脚本を書きながら日々思うことを書き綴ります。脚本家の一日とは。締切前のあたふたや、行き詰まったときのことも書いています。(300円/月)
脚本家という仕事以外の、自営業、フリーランスの仕事に興味のある人や、どうやって生きてるのか観察した… もっと詳しく
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#おっさんずラブ

決定稿の入稿はいつもバタバタだ

空いた時間に「一人称単数」(村上春樹・著)を読んでいます。 平易な文章で難解なテーマを伝えようとする手法は、ドラマ作りにも共通するところがあります。難しい言葉で難しい概念を伝えようとしても粘りが効きません。ドラマの場合は観ている人の規模が特に大きく、観客が何百万人、何千万人という世界なので、基本的には誰にも分かるように「ひらがな」で喋ることになります。 だからと言って、簡単な概念を伝えるだけでいいかというとNOで、深く理解してくれる層にも届く内容にしなければ、幅広い層に見

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男性と女性の書き分けについて

コミットするって、どういう意味なんだろうなぁ、と思ってしばらく経つ。 調べても約束するとか確約するとか、そういった和訳は出てくるし、イケてる風のビジネスマンが使うのもよく分かるので、なんとなく「ちゃんとやる」ってことなんだろうなあと思っていたら、こないだ企画書に「フルコミットします」と書いてあって、「フルコミット……?」と、また分からなくなった。「むちゃくちゃ、ちゃんとやる」ってことだろうか。 ×   ×   ×

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足し引きの作法

足し引きの作法については後半。

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脚本の余白について

脚本は時間と空間の感覚が肝要である。 シナリオブックが発売されて一般の方も「脚本」を読むことになり、感想をもらうことが多くなった。小説とは違って具体的な表現描写がないため、一般の人には何の事やら分かりにくく、俳優のファンがそもそも多いこともあって「これを映像にするなんて俳優さんはやっぱりすごい」という感想が目立つ。間違いではないが、合ってもいない。

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劇場版おっさんずラブ封切り

更新があいてしまった。 8/23より「劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~」が封切りとなり、興行的にとても良い滑り出しであると聞いた。反応も少し見て、映画なので(お金出して観に来るので)テレビよりも感想が具体的で、賛否どちらも熱っぽいものになっている。好きに感想を言い合えるのもSNS時代のいいところかも知れない。

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好きなアドリブとは

今日は2日ぐらい遅れた原稿を午前中に書き終えて、午後はドラマの打ち合わせ。 あとは仕事場に戻り、「劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~」の公開が近いので、受けた取材の原稿チェックなどの量も日々増えてきた。原稿チェックとは、ライターさんが興してくれた対談(インタビュー)記事に、自分が赤で色々修正して、マズイことを言っていれば消したり、取材で言ってないことも書き足す作業。ここのチェックが甘いと、どうなるか。

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監督の取材パニック

「おっさんずラブ」の映画に関する取材が始まった。 一般的に映画は『監督』の名前が、ドラマは『脚本』の名前が表に立つことが多い(これは単なる文化的な背景の違いで、やってることはお互いあまり変わらないのだが)。ということで、今回は映画なので、監督が取材の矢面に立つことになる。 僕は脚本なので出番はかなり少ないはずなのだが、今日は監督と一緒にいくつかの雑誌媒体の取材を受けた。監督と出会って六年ぐらい経つけど、二人で取材を受けるのは初めてかもしれない。不思議な感覚。 途中、監督

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ドラマと映画、脚本にかける時間の違い

引越作業は終わらずとも、締切は待たず。 「おっさんずラブ」2018年連ドラ版の放送が終わって約一年あまり経った。あの頃には映画の話が既にあったかどうかは覚えていないが、割と早い決断だったような気もする。普段、僕の脚本仕事は大小4~5企画ぐらい同時に走っているのだが、映画はその中でも常に最優先のスケジュールを取って、とても時間をかけて本作りをした。

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