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クレーマーな母が教える正しいクレームのススメ

わたしの母は世間一般でいうクレーマーで、「誰が利用するんだよ……」と言われていた世田谷区「すぐやる課」の常連でした。

ゴミや草木の問題で気になることがあればすぐ連絡。課の人はさぞ大変だったと思います。我が母ながら申し訳なかったな。

課がなくなったあと、母がどうしているかというと、ゴミ問題は清掃事務所に、違法駐車や近隣の騒音(深夜に騒いでいるなど)があればすぐに警察に連絡しています。所定の課に言うようになった。まあ、要するにあんまり変わってない。

もちろん、公的機関だけでなく、お店で不快な思いをした場合も速攻で連絡しますし、近所で子どもたちがいたずらをしている場合は速攻で学校に連絡。素早い。音速クレーム。
わたしが小学生の時も、泣いて帰ると、すぐに先生に連絡していました。(それが煩わしくて、最終的に学校で何かあっても伝えなくなったけど……)

ここまで聞くと「口うるさいクレーマーババア」「あまり関わりたくないタイプの人」なのですが、母なりにクレームのルールがあるらしいです。

1.相手の今後の利益になるような提案をする

母のクレームは単なる悪口や不平不満のはけ口ではありません。事故防止や今後のクレームを止めるための”ご意見”です。

なので、伝え方も「ゴミが!!!散らかってます!!」ではなく「ゴミが散乱していて、滑ったりすると事故につながるので、片づけていただくか、案内を貼って頂くか、該当の方に注意していただければと思います」と伝える。原因とやってほしい対策を明確に言葉にすることが大切。

お店にも「こんな不快な思いをしました!!!お金を返してください!!!」ではなく、「こういったことがありました。今後、他のお客様にこういったことのないように従業員を指導し、システムを変更されてはいかがでしょうか」と、今後の対応を提案するというもの。

お店側が原因を解決して改善されれば、「きちんと対応してくれる会社なのだなあ」と安心できるし、今後、不快な思いをしなくて済む。サービス改善。(もちろん、激安の品!とかファーストフード店にクレームは言わない。高くて良いヤツを買って、どうしても気になるときに言うことが多い。安いやつでも完全な間違いや初期不良は問い合わせてるけど。)

2.思い立ったらすぐ言う

怒りというのは後から来る。
なので、その日のうちは「ん?なんだったんだ?まあ、そういうミスもあるよね~」と思っていても後から「よくよく考えたけど、あれは腹立たしいな、許せない!!!」と思ってしまいがち。わたしはそのタイプ。

しかし、日にちが経ったあとにクレームを入れても、記憶で改ざんされていることもあるし、証拠も出づらいし、受け取り側もどうしたらいいのか、と対応に困ってしまう。

嫌なことがあったり、不都合があった場合はその場で言うか、帰ってから速攻で電話。証拠を残したい場合や、文字で気持ちを整理したい場合はメールが良し。そうすればまだ担当者が働いてて、原因がわかったり、担当の人に注意してくれたりする場合が多い。

3.返品・交換できるか聞いてみる

「美味しくなかったから美味しいのに交換してくれ!」みたいな理不尽な提案ではない。

例えば、商品に何か不備があったとか、腐ってたとか、そういう場合には「大変申し訳ないんですけど、交換していただけませんか。無理そうなら返品できますか」と聞くと、こちらも不快な思いをしないし、なんならちょっとお得感があるし、お店側も不備のあった商品をみて原因を考えられる。

これはわりと大事なスキルだな~と思っていて、わたしは昔まで「あっ、これ壊れてる……けどまあ使えなくないからいいか」と思って壊れてるまま使い続けたりすることが多かったんですけど、「自分で稼いだお金で買ったのに!?」と思うようになってからは結構言うようにしています。「もし間違ってたらアレなんですけど、初期不良っぽいので、返品・交換できますか?」と低姿勢で。

一時期、「〇〇って商品に虫が混入してた!」とフェイク画像を作ってTwitterに流していた方もいましたが、それは絶対ダメです。仮に何か壊れていたりしても、メーカーやお店に問い合わせる前にインターネットの海に流すのは一番よくない。対応もできないし、風評被害につながります。(最近は優秀なインターネット警察たちがいるので、フェイクの場合はすぐわかることも増えていますが。)でも、フェイクだけ見て勘違いする人も多いので、不都合があったらまずは所定の場所に問い合わせること。これが一番です。

実際に問い合わせるようになったわたしの話

強気な母のもとで育つと、「そんなに細かく言わなくてもいいのでは……」「わざわざ言わなくても……」と思い、泣き寝入りが多かったわたし。しかし、やはり自分でお金を稼ぐようになってから納得できない場面に遭遇したときは問い合わせるようになりました。

良い例だと、ヨドバシで注文したものが初期不良のとき。昔なら「こういう仕様なのかな^_^;」「ちょっと割れてるけどいいか……」と思って使っていたことも多かったんですが、今は初期不良と判断したらその日のうちに問い合わせます。ヨドバシも対応が早いので、初期不良と判断するとすぐに返品・交換対応してくれます。ヨドバシさすがだな~信頼できるな~。

あとは、解決したのかどうかわからないけど、問い合わせてよかったなと思ったことがあります。

とある推しの公演に行ったら、
・自由席に着席後、目の前に撮影用カメラが設置される。
・カメラが邪魔で、舞台(そして推し)がほとんど見えなくなる。もちろんわたしや周辺への声掛けとか気遣いとかない。
・カメラスタッフが公演中、LINEしてる。
・その旨をスタッフに話すと「立ち見で見てもいいですよ」と言われて移動。(ちなみに立ち見のチケット代のが安かった)
・立ち見の場所がちょうど関係者席。公演中なのにスマホを使い、帰り道調べている。
・なんなら関係者同士で公演中にも関わらず談笑している。
・スタッフが多いわりに何もわかってない人が多すぎて、人によって指示がまばら。
……といったような、関係者およびスタッフが本当に邪魔だった公演があり、普段は温厚なわたしもこのときはキレて、速攻で問い合わせメールを送りました。

しかし!!!!返信なし!!!!

ということで、怒りがこの企画を発案した某ピアニストへの恨みに変わりました。今も許してない。強い気持ちで許していない。ラジオで「会場は倉庫ですけど、寒くないですよw」と言ってたくせに、めちゃくちゃ寒くて公演後に発熱したし許してない。

ですが、その2週間後。
他の場所で開かれた全く別の推し公演に行くと、「そこまで厳しくする?」「普段はそんなに厳しくないよね……?」というほどマナーが徹底され、スタッフもテキパキと働いていました。
「えっ、もしかして~もしかしてだけど~!!わたしのメッセージ読んだのかわからないけど、推し、あの時の教訓活かしてるの!?ありがとう~!!一生推す~!!」という気持ちに。(推しへのえこひいきがすごいな)

これは自分が送ったおかげかどうかはわからないんですが、でも、改善したな、と目に見えてわかったので良かった、という話です。送ってよかった。

ということで、理不尽な思いをしたり、お金を払っているのに不当な扱いを受けたりしたら、すぐさま所定の場所に問い合わせるのがベター。

細かいことを気にしすぎること、相手を責めることは良くないですが、お金を払っているときくらい図太く生きたい。
でも、相手を困らせない程度に。クレームは次のサービスに繋がるヒントらしいし、こちらも伝え方を気を付けて、好きなものを応援していきたいですね……。

あとこれは蛇足ですが、母は政治で文句があると首相官邸や該当の党のお問い合わせに速攻で連絡するそうです。税金払ってるからね。納得できないことがあったら言いたいこと言っていこう。

応援があると人は強くなる。例外なくわたしもそのはずです。