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米には、塩が一番だと思う。

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米には、塩が一番だと思う。


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私は、おかずと共に米が食べられない。


『何、言ってるの?』と思う人があるかもしれない。

そういう方には説明が不親切で申し訳ないのだが、言葉の通り、私は、おかずと共に米が食べられないのである。


例えば、しょうが焼き定食を頼んだとしよう。ご飯に味噌汁、漬物と、豚の生姜焼きだ。おいしそう。お腹が減ってきた。

そして、しょうが焼きには、たいてい千切りのキャベツが添えられている。

このキャベツが曲者なのだ。

このキャベツは、生姜焼きのたれと驚異的な相性を発揮する。うまい。うまい。これだけ永遠に食べていられるのではないか。

このキャベツを、メインの肉と共にも食べる。うまい。かなりうまい。肉のジューシー感とキャベツの歯ごたえが口の中で踊っている。
幸せに浸りながら無心に食べ進めていく。


そうして、その夢から覚めた時、私の目の前には手つかずの米が茶碗の中に鎮座しているのである。


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これには毎回困っていた。

定食米抜きはなかなか頼むのに勇気がいるし、そもそも受け入れてもらえないだろう。

かといって、米以外を単品で頼むと定食より高くつく。何かいい方法はないものだろうか。


そこで私が至ったのが、米を米として食す、というものであった。


つまり、米オンリーで米を食うのである。

例えばふりかけは米オンリーに入る。ふりかけは単品では食べないからだ。

また、梅干しも米オンリーに入れることにした。料理ではないものは入れてもいいだろうという考えだ。

さて、その中で私がこれだと踏んだもの。


卵と米、卵かけごはんである。


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私は、卵かけご飯を食べているとき、日本に生まれて本当に良かったと思っている。

生たまごをご飯にかけるなんて、一体誰がやり始めたのだろう。ましてやおいしいなんて、誰が想像しただろう。

醤油と卵と米のタッグは、おうじゃのけんと、ひかりのよろいと、ゆうしゃのたて、である。勇者である私を最強へと導いてくれる。

余談だが、私は女なので、よろいはドレスのほうが適切かもしれない。


しかしながら、そんな卵かけご飯の更に上を行く、唯一無二の猛者が存在した。

納豆である。


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わたしは、納豆とご飯を食べているとき、日本に生まれて本当に良かったと思っている。

そもそも、腐った豆を食うなど、一体誰がやり始めたのだろう。これに関しては、率直に頭がおかしいと思う。

驚くべきことに、納豆はさらに装備を加えることが出来る。

梅干し、キムチ、漬け物、ごま油、オクラ、そして何より、先程のたまごすらも取り込むことが出来るのである。

最強の装備を備えた卵すら、取り込んでしまう納豆。これを超すものなど現れまい。

米を米として食す問題は、これにて幕を閉じるかに思われた。


が、


私を見くびってもらっては困る。

お忘れだろうか。

『そこで私が至ったのが、米を米として食す、というものであった。』


これは、米を米として食すための議論と研究である。


しょうが焼きをはじめ、おかずを単品として食べ続けてきた私にとって、装備を加えた納豆は、最早おかず同然になってしまっているのである。


『米炊くのめんどくさいし、これだけで良くない?』とそれすらも単品で食べ終えてしまえる存在に、私は昇華してしまっていたのだ。迂闊であった。

加えてこれも余談だが、現在我が家に炊飯器がないことが納豆単品ブームに拍車をかけている。


ここまできて話が振り出しに戻ってしまった。もう米は…真っ白なまま…諦めるしかないのだろうか…。

項垂れる私の視界に、なにやら赤いものが入ってきた。


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一度は見たことがあるであろう、赤いキャップに透明なビン。そして中央に大きく書かれた『食卓塩』の文字。


まがうことなき、食卓塩である。


手に取って、しばらく考え、サトウのご飯を用意する。
キャップを外し、数回ふりかけ、口に運んだ。

うまい!

これが、私が米を米として食した瞬間であった。


米には、塩が一番だと思う。


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追伸:塩は、伯方の塩が良いというウワサが耳に入った。これは塩 オブ ザ 塩 を決めねばなるまい。次に米に出会う日が楽しみである。


こんなにくだらない文章を、最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

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分からないながら、迷いながら、北川は立ち止まらずに様々なことに挑戦し続けていきます。
そんな姿をみて、皆様が少しでも元気になってくださいますよう。

何卒、今後ともよろしくお願いいたします。


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